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半分の神  作者: 白蓮
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ブランカ2

「もう居ない、二時位前に城の魔法使いが退治したから。

お前追われてたんだろう、傷だらけだったけど致命傷になりそうなとこ狙われて無いようだから目的は生け捕り・・・」


リカエルの表情が暗くなる。


(どうしよう、この人も僕を狙ってるんだろうか)


俯いて行くリカエルの頭に、ポン、と手が載せられた。


「おいらは王都まで行く、行きたいところが被るなら、連れていく。

おいらが考えてるのはそれだけ」


載せられた手から温かい何かが身体を包んでいるような気がした。


「今日はこの街で泊まる、明日朝に出る

行くなら町長に話をつける、どうする?」


「・・・い・・・く」


遠慮がちなリカエルの応えに、マリエルは笑顔を返すと共にリカエルをベッドから抱き上げた。


「えっ、えっ、あの・・・っ」


驚くリカエルに


「なら一緒に行こう、こんな所で1人で居ても不安だろう」


リカエルを抱き抱えたままさっさと部屋を出ると


「町長!こいつ連れてくわー、任せてもらっていいよな?」


大声で言いながらリビングを抜けて玄関に向かう。


町長は慌てる様子もなく


「お任せ出来るならその方が私も安心です」


と言った。


(この人はどんな人なんだろう)


「こいつにガウン貰える?あと服も、誰かの古着でいいからさ。

寝間着で連れていくわけにはいかねーだろー」


「でしたら宿屋の女将に言えば揃うかと。

あそこの末の子が同じくらいの背格好ですよ」


町長の後ろから侍女が答えた。


「あー、あの末っ子そんなだったか」


わかった、んじゃな、と軽く応えて町長の家を出た。


日差しは少し西に傾いたものの、日暮れにはまだまだ時間がありそうだ。


「宿に行ってまず風呂だな」


リカエルを抱えたままスタスタと歩いていくマリエル。


(お風呂、ずっと入ってなかったな、でも傷だらけで滲みるだろうなぁ)


そんなことを思って自分の腕を何気なく見たリカエルは、目を見張った。


傷が全く見当たらなかった。


(なぜ)


そう思った時、身体のどこにも痛みが無いことにも気付く。


(な・・・ぜ)


抱えられて居るために、自分の目線より下にあるマリエルの頭を見つめる。


(このひとは・・・魔法使いなんだろうか)


一緒に行くと返事をしてしまったことを少しだけ不安に思っているうちに、マリエルは泊まる予定の宿屋に入ってしまった。



☆☆☆☆☆☆


助けられた後、きれいに拭いてはくれたらしいが、傷があったために新しかった寝間着はあちこち血や膿のシミが着いてしまっていた。


マリエルに一緒に風呂に連れてこられて、石鹸で洗ってサッパリして湯船に浸かる。

宿屋の風呂は、1度に沢山の人が入れるくらい広かった。


ようやく気持ちも落ち着いたリカエルは、改めて見たマリエルに驚いた。


(何て綺麗な人なんだろう)


銀の髪は括っていた紐を解くと、腰の下まであった。


こちらの視線に気付いて見つめ返してくる金の瞳に吸い込まれそうな気がした。


「ここのお湯は温泉って言ってな、地下から熱いのが自然に湧いてるんだ。

疲れを取るのに効くんだぞ」


はぁぁーと気持ちよさそうな息を吐いて、マリエルが両手を伸ばした。





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