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World end maneater
同じ頃、剣の街の内部ではようやく治療を終えたルティークが倒れこむ。マグネスという若い悪魔に肩を借りる。街の人々が壁に空いた穴から外に偵察を出していた。ルティークとマグネスの脱出口を探るために。人々が戻ってきた。一様に虚ろな表情をして、白い肌をした雄型の悪魔を連れて。
「さあルティーク。逃げましょうか」
と雄型の悪魔が言った。
「お前は、ディアルラ……か?」
「そうですよ」
ディアルラは人間に狩られたと聞いていた。しかし悪魔同士でも魔法の内容を完全に把握しているわけではない。違和感を振り捨てる。
「助かったよ。行こうか」
「ええ、ああ、そういえば」
ディアルラは街の人々を振り返った。
「あなたたちも来ますよね?」
「はい、ディアルラ様」
人々は口を揃えた。彼らの顔には一様に表情がない。心の魔法による精神支配によって脱け殻も同然の人形と化していた。
「じゃ、行きましょうか」
飛び切りの笑みを浮かべて、ディアルラは歩き出す。
ルティークはその笑みに何か取り返しのつかないものを感じながら、ディアルラの後ろをついていくしかなかった。街一つ分の人間達が、それに続いて街を出て行く。




