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第3話 奇妙な刻印

 

 俺は毛布の下で拳を握り締め、首筋を冷や汗の一滴が伝うのを感じていた。


「俺たちの助けが純粋な慈善活動だなんて思うなよ、この町の物事はそんな風には回ってねえんだ」


 ケンジ(Kenji)はぶっきらぼうなトーンで沈黙を破り、一歩前に出だして空の小瓶を指差した。


「ニオがお前を安定させるために使ったあの薬草は高価なんだ、今や お前は俺たちに借金があるんだよ」


「ケンジの言う通りよ、君を目覚めさせたばかりの人に対する言い方としてはあまりもしの思いやりがないけれどね」


 ニオは重苦しいため息を漏らし、申し訳なささと真剣さが入り交じった表情で俺を見つめた。


「君は一枚の硬貨すら持っていないみたいだから、勘定を清算する唯一の方法は、私たちの依頼を手伝ってもらうことよ。近くの森の周辺でのシンプルな採集任務だから、大したことじゃないわ」


 剣士は腰に手を当て、絶対的な品定めをする眼差しで俺の包帯を観察した。


「明日の朝、お前が立ち上がれるようになったらすぐに、自分の取り分を支払うために俺たちと一緒に外へ来てもらうぞ」


(まさに俺が必要としていたものだ…何らの疑いも持たれずにここを出るための完璧な口実だ。このベッドに囚われたままじゃ、他の五人の姉妹の行方について何も突き止めることはできない)


「分かった、条件を受け入れるよ。明日、その森へ同行する。一つだけ質問なんだが、ここみたいなギルドは他にもあるのか?」


「あっは、お前迷子にでもなったのか? 当然ないぜ、ここが最後だ。他のは全部破壊されて、最後に残っているのがここなんだよ」


「ええ、私たちは全滅しかけたけれど、なんとか生き残ったの」


「なぜそんな質問をするんだ?」


「いや、なんでもない」


(よし、アニメに出てくるような、あんなお決まりの類のものに自分が加わらなきゃけないんじゃないかと疑い始めていたところだったからな)俺は安堵を感じながら思った。


<><><><>


 森の空気は冷たく、木々の間には濃い霧が漂っていた。


 植物が奇妙に生い茂り、湿っている人里離れた開けた場所まで、俺たちは沈黙の中で歩いた。


 ニオはすぐに太い根の前にひざまずき、熱心に薬用の葉を採集し始めた。


 ケンジは数歩離れた場所に立ち、短剣の柄に手を当てていた。


 その場所の沈黙は重く感じられ始め、国境にしては怪しまずにはいられないほど完璧すぎた。


 突然… 茂みの奥に隠された金属的なきらめきが、俺の歩みを急に止めさせ、息を呑んだ。


(地面に張られたワイヤー… クソッ、猟師の罠だ)。


 警告を叫ぶために口を開くよりも前に、背後で枝の折れるパチリという音が響き渡った。


 背の高い茂みから粗末な矢の雨がヒューヒューと音を立てて降り注ぎ、ニオの足元の周方に激しく突き刺さった。


 汚れた布で顔を覆った四人の男たちが、錆びた斧や剣を握りしめて開けた場所へと飛び出してきた。


 そいつらは嘲り狂った悪意に満ちた笑い声を上げながら、俺たちの唯一の逃げ道を塞ぎ、素早く包囲した。


「ハハ、おいおい、今日の森は何を連れてきたか見てみろよ… 補給品をどっさり抱えたギルドのクソ新米三人組じゃねえか」


 一瞬、アニメに登場するような、あのステータス画面の類が何か出てくるのではないかと思った。


(クソッ、ここにはステータス画面も、自動の魔法も、俺を危険から救ってくれる体力ゲージもないんだ)


 俺は歯を食いしばった。俺の目が地形で必死に逃げ道を探す中、胸の中で心臓が激しく鼓動していた。


 最も近くにいた山賊が、殺意を込めて錆びた斧を振り上げ、俺の正面から襲いかかってきた。純粋な本能でなんとか身をかがめた時、刃が髪をかすめるのを感じて、冷たい空気が俺の顔の数ミリメートル横をヒューッと通り抜けた。


 俺は湿った土の地面の上で横へと一歩踏み出し、そいつ自身の死重の勢いを利用した。


 バキッ!!!


 俺はそいつの気管に直接強烈な肘打ちを食らわせ、続いて膝を粉砕する乾いた蹴りを放った。男は詰まった悲鳴を上げ、根元に向かってうつ伏せに倒れ込み、斧は彼の手から遠くへと吹き飛んだ。


 同時に、襲撃者のリーダーが重くすり減った剣を持ってケンジに襲いかかった。


 ギィィン! ギィィン! ギィィン!


 ケンジの短剣がその一撃をピタリと受け止め、火花のきらめきと耳をろうするような金属の残響を放った。


 剣士は自身の軸を中心に俊敏に回転し、胸への素早い一太刀で攻撃者を後退させた。

 ニオはその隙を利用して地面から重い枝を拾い上げ、三人目の山賊の頭を力強く殴りつけた。


 ドカッ!


 襲撃者はよろよろと後ろへ下がり、血に染まった額に触れながら、痛みに満ちた罵り言葉を漏らした。


 俺のせいで仲間の一人が泥の中で悶絶しているのを見て、山賊たちは純粋なパニックの眼差しを交わし合った。


「クソッ… このクソガキどもは普通じゃねえ、殺される前にここからずらかろうぜ!」


 一人がそう言った。残りの三人は反転し、彼らの足音が消え去るまで、背の高い茂みの間を必死になって走っていった。


 森の開けた場所は死のような静寂を取り戻し、俺たちの荒い呼吸の音だけが残された。


 俺は木のみきに寄りかかり、自分の震える手を見つめながら、額の汗を拭った。


 ケンジは鮮やかな動きで短剣を収め、肺に溜まっていた空気を吐き出した。


「武器も持たず、これまでの人生で皿一枚割ったこともなさそうな顔をしている割には、かなり上手く動けていたじゃないか」


 少年は、それまで持っていた不信感の眼差しを完全に消し去り、俺に確かな頷きを向けた。その間、ニオは袋の中に薬用の葉を確保し終え、安堵のため息を漏らした。


 俺は泥の方へと数歩歩いた。そこには、円形で白っぽい輝きが俺の注意を強く引きつけていた。身をかがめると、帽子をかぶった道化師(Joker)のマスクという不気味なエンブレムが刻まれた布切れを拾い上げた。


 そのデザインはジョーカーのカードのものと瓜二つであり、単なる泥棒にしてはあまりにもエキゾチックで邪悪すぎるシンボルだった。


「おい… お前たちの誰か、国境でこの手のおブツや、この刻印を前に見たことがあるか?」


 俺は布切れを空中に掲げ、視線を合わせようとしたが、突然の痛みの突きが胸を突き抜けた。肉弾戦の荒々しい努力が、最終的に傷ついた筋肉に代償を支払わせたのだ。


 黒いシミの大波によって視界が急に霞み、俺の足は完全に地面へと崩れ落ちた。


「リュウセイ!」意識を失う寸前、ニオが俺の落下を和らげるために前方へと飛び出す叫び声が、辛うじて聞こえた。


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