表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
関東覇王録 ―NEO埼玉戦記―  作者: 原田広


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/30

第二十六話 偶然

ファストフード店。


「――シンちゃん」


呼ばれて、シンは顔を上げた。

そこに立っていたのは、クミだった。

シンが何か言おうとした、その瞬間。


「ふふっ。偶然よ」

先手を打たれ、シンは呆れたような、困ったような表情になる。

「……偶然か?」

「そ。偶然」

クミはコーヒーを手に取り、当然のように向かいの席に座った。


「もうすぐ、始まるわね」

「……」

「そうしたら――」

言葉が途切れた。


「ご歓談中に失礼」

割って入る声。

「私たちは、こういう者です」

差し出された名刺には、簡潔にこう記されていた。


千葉県庁 特務課


クミが、自然な笑顔で名刺を受け取る。

「どんなご用でしょうか?」

「できれば、お二方にお話を伺いたいのです」

「ご同行いただけないでしょうか」


シンは視線を上げない。

「俺は、ここでも構わない」

ちらりと、クミを見る。

「私は、構わないわよ」


名刺を出した男は、わずかに言葉を選んだ。

「……いや」

「話の内容が内容なので、できれば静かな場所で」

クミは首を傾げる。

「静かな場所でも、話せないことはありますわ」


男が逡巡している、その間に――

シンはトレイを持ち、ゆっくりと立ち上がった。

何も言わず、出口へ向かう。

その後ろを、クミが当然のようについていく。

一拍、迷った末、男もそれに続いた。

「ありがとうございましたー」

店員の明るい声を背中に受けながら、三人は店を出る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ