表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第七話 異海から来た少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/153

16

(クソ……! やっぱコイツ、(つえ)え……!)

 

 ヒミコとて()番隊で一通りの格闘術を仕込まれていたが……それでもなお、開きがある。

 

 鬼の拳が勢いよく飛んできた。

 

 ヒミコはそれを御幣(ごへい)で受け、返す刀が如く斬り掛かるが……敵は引くどころかさらに一歩を踏み込み、斬撃と打撃の熾烈(しれつ)な制空権争いが始まった。

 

(――来たか!)

 

 その最中(さなか)、ヒミコは御札の飛来を気配で察する。

 

 だがその標的は――(マガ)()(オニ)ではない。

 

〈アマテラス〉だった。

 

(あの野郎……!)

 

 ヒミコは上体を()らし、紙一重で(かわ)す。

 

 が、ユイナは飽き足らず二の矢、三の矢とばかりに連続で御札を飛ばしてきた。

 

 息を()く間もないような接近戦(インファイティング)只中(ただなか)に、である。

 

 粘り強く一枚、二枚と(かわ)したものの……三枚目は()けきれない。

 

()る)

 

 瞬間、ヒミコは決断した。

 

 ユイナはこの()(およ)んで足を引っ張るどころか明白な敵対行為をしてきたのである。

 

 玄人(プロ)としてすべき対応は〝排除〟以外にありえない。

 

 そのためにはまずはこの御札を耐えて――

 

(⁉)

 

 ()()()()()

 

 御札が。直撃した。

 

 だが意外。()()()()()()()

 

 どころか攻撃性能も最低限に抑えられており、ただ〈アマテラス〉の装甲に貼りついたのみだ。

 

 つまりは無損傷(ノー・ダメージ)

 

 しかし、それが(かえ)って(あだ)となる。

 

 予想したものがこなかった。その事実はヒミコの意識にほんの僅かだが空白を生じさせた。

 

 玉響(たまゆら)の如く短き空白ではある。

 

 しかし、こうして実力が伯仲している敵相手には――決め手の好機(チャンス)を与えたも同然。

 

(やべえっ!)

 

 禍ツ忌ノ鬼は(いびつ)で巨大な熊手の如く爪を立て、空間ごと(えぐ)りとらんとする勢いで振り下ろしてくる。

 

 鋭い爪撃が〈アマテラス〉の喉元に喰らいついた――まさにその時!

 

()()……⁉)

 

 ヒミコから、否〈アマテラス〉から――否々、装甲に貼りついた()()から渦巻くような(いかづち)が放出された。

 

『〝雷陣符(ライジンフ)〟……一度だけ、自動で反撃してくれる御札よ』

 

 ユイナからの通信。

 

 敵を騙すにはまず味方から、ということか。

 

 どうやら故意でヒミコに御札の効能を知らせなかったらしい。

 

 だが結果としてこれが功を奏した。

 

 (いかづち)自体は決定打に足り得ない。

 

 禍ツ忌ノ鬼を討つにはまだまだ非力だ。

 

 しかし。

 

 予想だにしていなかったモノの出現。その事実は敵の意識にほんの僅かな空白を生じさせた。

 

 玉響(たまゆら)の如く短き空白である。

 

 こうして実力伯仲の間柄ならば――やはり、それは決め手の好機(チャンス)に他ならない。

 

「オラァァァァァァアアアアアアアアアッ‼」

 

 ヒミコの御幣が鬼の〝()(ツノ)〟を(とら)えた!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ