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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第七話 異海から来た少女

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15

 ユイナは宙に放り出された〈サグメ〉の制御を取り戻した。

 

 身体が――熱い。諤々(がくがく)と震えている。

 

 胸の中では(ぎょ)(がた)い大きな感情が渦巻いていた。

 

 ヒミコ。

 

 神越(カミコシ)、ヒミコ。

 

 あの女――。

 

(〝隙を作れ〟……)

 

 そう言われた。

 

 上から。居丈高(いたけだか)に。

 

 まるで自分をモノか何かのように粗末に扱って。

 

(私は……)

 

 見れば〈アマテラス〉は(マガ)()(オニ)と再び戦っていた。

 

 だが明らかに先より分が悪い。

 

 それもそのはず。

 

〈アマテラス〉の左肩から先が真っ黒に焼け焦げていた。

 

(あの時の……傷)

 

 ユイナは思い出す。

 

 ヒミコが自分を庇った時、格子状で緋色の壁が出現していた。

 

 おそらくはあれが〈アマテラス〉の〝(アマ)玉垣(タマガキ)〟。

 

 緋ノ巫女が霊気を纏って身を守るように、あの機体はああして防御を固めるのだろう。

 

 だがそれでも。

 

 (しの)ぎきれなかった。

 

 高速で打ち出された逆具象化空間と〝天ツ玉垣〟の衝突は、先の大爆発ほどではないにせよ破壊の奔流(ほんりゅう)を引き起こし〈アマテラス〉を襲ったのである。

 

 それが、今のあの姿の理由だ。

 

 装甲と一体化した巫女装束が焼け崩れ、形のいい機械の乳房(ちぶさ)が露出している。

 

(〝隙を作れ〟……)

 

 また思い出す。そう言われた。

 

 ユイナも理屈の上ではわかっていた。

 

 二人で協力し敵を討つ。

 

 それこそが最善手だと。

 

 だが、

 

(神越……)

 

 ユイナの中で熱く脈打つ激情が、身体を思う通りにさせてくれない。

 

 一秒、二秒……ただ時間だけが無駄に過ぎゆく。

 

(神越、ヒミコ……ッ!)

 

 とうとう〈ウズメ〉が御札を構えた。

 

 しかし、その単眼が鋭く()めつける先は――〈アマテラス〉。

 

 ユイナの御札は寸分の狂いなく、ヒミコを狙っていた。

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