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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第六話 夜ニ浮カブ白キ月

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 機械の鬼は(にび)色の拳を握り込み殴りかかってきた。

 

 さほど早くはない。

 

 御幣で受け切った(のち)、反撃に移ることも十分可能だろう。

 

 だが、

 

(この攻撃……! 何か()()()……!)

 

 ミヅキは長年の戦闘経験からそう判断し〝縮空(シュックウ)〟で後ろへ跳ぶ。

 

 展開済みの防御障壁を盾にする形だ。

 

 だが次の瞬間、

 

「そんな――⁉」

 

 障壁は御札(おふだ)ごと消し飛んだ。

 

 それだけではない。

 

 貫通し拡散した衝撃波が中央管制室内を津波のように呑み込む。

 

 いったい何が起きた……?

 

 ――()()

 

 そう、爆発だ。

 

 拳が御札に触れた途端、爆発が起きたのである。

 

 とてつもない威力だ。

 

 防御障壁越しでなければ、室内の大半が灰燼(かいじん)と化していたかもしれない。

 

(なんなのこの鬼は……⁉)

 

 大きさは小型鬼程度、つまり人とさほど変わらない。

 

 だが。

 

 その力は明らかに()()()だ。

 

 ややもすれば大型鬼すら上回るかもしれない。

 

「シマメッ!」敵の力量を察したミヅキは即座に決断した。「()()()()()!」

 

 霊気を込めた全力の蹴りを鬼へ叩き込む。

 

 これは、攻撃ではない。

 

 純然たる()()だ。

 

 この中央管制室と、そこにいる仲間を守るための。

 

 鬼は後方へ弾き飛ばされ、そのまま本部の外へ。

 

 ミヅキもすかさず後を追う。

 

(あれしきで倒せるはずがないわ……! あの子たちではとても太刀打ちできない)

 

 中央管制室付きの巫女たちは皆、純粋な戦闘面では現役から退(しりぞ)いている。

 

 無論、それでも常人と比すれば遥かに上回る力を持つが、相手がアレでは()が悪すぎる。

 

 あの場で唯一、対抗し得るのはミヅキだけだった。

 

「これより私が指揮を引き継ぐ! 各員は持ち場を離れるな! 加勢に行っても無駄死にするだけだぞ!」

 

 後を頼む――シマメはその言葉だけで十全にミヅキの意思を読み取ってくれた。

 

 遠ざかる後方でシマメの指揮が(かすか)かに聞こえる。

 

「スズ! 第九結界柱の防衛担当から可能な限り戦闘員を呼び寄せろ! ミヅキに合流させるんだ!」

 

流石(さすが)シマメね。こちらがやって欲しいことを全部やってくれるわ。でも………………まいったわね、()()()()()()()()()()()

 

 かなり厳しい戦いになる。

 

 ミヅキはそう思わざるを得なかった。

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