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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第六話 夜ニ浮カブ白キ月

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62/151

01

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 (トウ)ノ月、(チュウ)ノ週、(ケン)ノ日 午後

 /()(ミヤ) 八重樹(ヤエジュ)群 帝國議事堂

  地下六階 特秘会議室

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

 夏も終わりに近づいている。

 

 路面から立ち上がる陽炎(かげろう)は手を伸ばせば()き消えそうなほど薄く(はかな)げであり、日に日に減ってゆく蝉の声には一種の(わび)しさすら(ただよ)っていた。

 

 しかし。

 

 そのような過ぎゆく夏の抵抗も、この()()までには決して到達し得ない。

 

 室内は一年を通して空調で完全管理され、毒々しいまでに白く冗長な蛍光灯の明かりは移りゆく季節の面影をも塗り潰していた。

 

 特秘会議室――極めて機密性の高い議題を扱う場合のみ、使用が許可される特別な部屋だ。

 

 一般市民は言うに及ばず、政府内でもその存在を知る人間は限られる。

 

 (ゆえ)(つど)いし者たちは皆、錚々(そうそう)たる顔ぶれであった。

 

 帝國議員の中でも取り分け力を持つ者。枢密院、巫術管理省、護国総省、大蔵省の重鎮ないしはその関係者。

 

 そして――前・帝國巫女局長にして、現在はツクヨミ統括司令官を務める夜代(ヤシロ)ミヅキ。

 

 中央に立つ彼女を取り囲むようにして、黒檀(こくたん)の机と椅子がずらりと並ぶ。

 

「……では、はじめようか」

 

 上席に座する老人が重々しく切り出した。

 

「これより、第三結界柱の喪失に関する査問委員会を開く」

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