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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第伍話 冷たい血、温かい血

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15

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 未明

 /結界封印都市ヒモロギ

  ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部 中央管制室

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

「逆具象化空間に変化あり!」通信官のスズが悲鳴じみた声で報告する。「()()()()()()()()()()!」

 

「なんですって⁉」

 

 ミヅキはすぐさま前面の巨大描影装置(モニタ)を見遣った。

 

 確かにスズの言う通りである。

 

 亀裂が――第三結界柱を犠牲にしてまで刻みつけた傷跡が、見る見る内に塞がっていた。

 

「そんな――!」

 

 駄目だったというのか。

 

 ここまできて。

 

 ミヅキは直面した現実に打ちひしがれそうになる――。

 

()()()()()!」突如シマメが目を()き叫んだ。「右腕が! 膨張している!」

 

 右腕。逆具象化空間そのものでもある不可視の龍蛇(りょうじゃ)

 

 今はシマメとカヤが急ごしらえで作った式により仮想描画されていた。

 

 その龍蛇が――()()()()()()()()()

 

 仮想描画に使われる数十本の線では表現しきれぬほどに。

 

 亀裂は塞がっていたのではない。

 

 その膨張に埋もれていたのだ。

 

「逆具象化空間内から射出物あり!」

 

 コマ送りにせずともミヅキの動体視力がその正体を捉える。

 

 矢だ。

 

 人では到底扱うことの出来ぬ矢。

 

 巨人の矢。

 

〈ウズメ〉に与えられた新装備。

 

「続けて高密度霊気反応!」

 

 今度こそ、中央管制室が歓喜に包まれる。

 

 手。

 

 巨人よりもなお大きい――まさしく巨神の手。

 

 そこに握られた一本の御幣(ごへい)

 

〈アマテラス〉だ。

 

「ルリカ! ヒミコ!」

 

 ミヅキが二人の名を叫ぶ。

 

「〈アマテラス〉、〈ウズメ〉との通信が復旧しました!」

 

 次の瞬間、〈アマテラス〉が力尽くで界面を切り開いた。

 

 龍蛇の腹から勢いよく噴き出す白濁とした血。

 

 この世のものとは思えぬ悲鳴を上げる(マガ)()(オニ)

 

「機体と操者、共に無事です!」

 

 スズが涙交じりに報告した。

 

『見ィつけたぞ三本角(サンホンツノ)ォォオォオォォオオオッ!』

 

 通信が繋がっているとは(つゆ)知らぬヒミコの絶叫が管制室を揺るがす。

 

『死ィねェェェェエエエェェエェェエエエエッ!』

 

 共に窮地を脱した〈ウズメ〉には目もくれず、禍ツ忌ノ鬼へ斬り掛かる。

 

 雷光の如き一閃。

 

 御幣が瞬く間に()(ツノ)をすべて斬り落とした――。

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