表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第伍話 冷たい血、温かい血

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/226

04

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 同刻

 /結界封印都市ヒモロギ 第三結界柱付近

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

 天は地に、地は天に。

 

 上下が逆転し霊水(レイスイ)に満たされた機胎(キタイ)の中で、ヒミコの目は〈アマテラス〉の目、ヒミコの耳は〈アマテラス〉の耳と化していた。

 

 ややもすると、どちらが(まこと)の己かすら疑わしい。

 

 それほどまでに、自我の境界線が揺らいでいる。

 

(よし……着いた)

 

 あれからすぐに大型昇降機(リフト)で地下格納庫を出て、第三結界柱へと急行した。

 

 その甲斐(かい)あってか、(うたげ)の開始には間に合ったらしい。

 

鬼門(キモン)形成予想時刻まであと三分! 〈アマテラス〉は第一防衛線にて(マガ)()(オニ)を迎え撃ってください!』

 

 ヒミコの――否、〈アマテラス〉の耳元でスズの声が響く。

 

 通信だ。前回の戦いではなかった機能である。

 

 出撃前に技術官から聞いた話によると、〈アマテラス〉の伝音器官に受信機を直接取りつけたとか。

 

 同様に声帯には送信機が設置され、こちらの声も本部に届く。

 

「……了解」

 

 ヒミコは手短に承諾の意を伝えた。

 

 好き放題に暴れ回った先の戦いと比べれば、実に殊勝な態度である。

 

 組織に籍を置く限りは命令に従う――それが育ての親、黒麻(クロアサ)ヨウコから受け継いだヒミコのけじめであり矜持でもあった。

 

 だが、

 

(クソ、()()か……!)

 

 あくまでそれは()()()()()()

 

 (はら)(はら)鉄索(ケーブル)で繋げられ、〈アマテラス〉と人機一体となったこの身体は今、刻一刻(こくいっこく)()()()()に染められつつあった。

 

 ――自分が自分でなくなる違和感。

 

 だというのに。

 

 不思議とそこに恐怖はない。

 

 あたかも、それこそが本来のあるべき姿だったかのように。

 

(馴染む……馴染んでいく……アタシの心が、コイツの身体に……)

 

『 〝なじむ〟って、なに 』

 

(はぁ⁉)

 

 脈絡もなくヒミコの意識が現実に引きずり下ろされた。

 

(なんで()()にいやがんだてめぇ⁉)

 

 ハクである。

 

 姿形は見えぬが、確かにいる。

 

 ()()に、いる。

 

〈アマテラス〉の中に。

 

『わからない。きづいたらここにいた。ここはどこ?』

 

(お、お前なぁ――)

 

 ヒミコが呆気(あっけ)に取られていたその時、

 

『〈ウズメ〉、第一防衛線に到着!』スズから通信が入る。『鬼門形成が始まりました! 鬼、具象化します!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ