01
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
闘ノ月、恩ノ週、健ノ日 深夜
/結界封印都市ヒモロギ
ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部 中央管制室
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「黄泉比良坂の活性化を確認! 広範囲に渡り魄子連鎖反応あり!」
あれから既に日付が変わっていた。
張り詰めた空気が漂う中央管制室では、ミヅキが指揮を取っている。
「おスズちゃん、魄子密度の観測値は⁉」
「平均で五〇〇、第三結界柱付近では最大三〇〇〇を超えています!」
「この間とほぼ同程度の数字ね……」ミヅキは隣に立つシマメを見遣った。
「ああ。となると今回は早々に禍ツ忌ノ鬼が出てきそうだな」
「予測精度は問題ないかしら?」
「既に先日の記録を基に解析官たちが式を修正している」シマメがこくりと頷いた。「先ほど私も確認したが、あれなら禍ツ忌ノ鬼を含めて具象化の正確な位置と時間を特定できるはずだよ」
巫術研究所出身のシマメは技術畑の巫女たちからも一目置かれている。彼女ら専門家と同水準で議論を交えつつ、その見解に基づきミヅキを補佐するのがシマメの役割だった。
「なら〈アマテラス〉と〈ウズメ〉を出すのは報告が届いてからね」
「それがいいだろう」
「司令!」通信官、浦島スズの声。「解析官からの報告です! 第一、第六、第八結界柱方面にて、鬼門形成まであと一分! 予測規模はそれぞれ小型鬼が三〇、加えて第六結界柱では大型鬼が一! なお、第三結界柱付近ではより強力な第二波が予想され、そちらを警戒されたしとのことです!」
「その規模なら問題ないわね……。おスズちゃん、第七結界柱の桜組に半数を第五結界柱に回すよう伝えて!」
「了解!」伝達を終えたスズの下に新たな情報が複数届く。「第一、第六、第八結界柱で鬼門形成! 鬼の具象化を確認しました! 加えて、解析官より第二波の予測結果が出ています! 第三結界柱方面、鬼門形成まであと九分! 規模は小型鬼が六〇、大型鬼が四――」よく通るスズの声がわずかに震えた。「マ、禍ツ忌ノ鬼が一です!」
ミヅキとシマメが目を見交わす
「いよいよね……」
「ああ、本命のお出ましだ」




