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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第肆話 不和と調和

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42/157

07

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 夜

 /結界封印都市ヒモロギ

  ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部

  月魅(ツキミ)ノ塔 最上階 神託ノ間

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

 一心不乱とはまさしくこの少女を表すための言葉である。 

 

 少女。紫色の瞳の少女。

 

 夜代(ヤシロ)ハヅキ。

 

 月読(ツクヨミ)ノ巫女。

 

 今宵(こよい)も石の如く微動だにせず、座したまま白き月だけを見詰めている。

 

「………。………………。………………………。」

 

 ハヅキは四六時中、ここ神託ノ間で祈りを捧げていた。

 

 最早(もはや)、この部屋自体がハヅキの血肉の一部と評しても過言ではない。

 

 だというのに、室内は殺風景だった。

 

 そこには最低限の生活の匂いすらない。

 

 それもそのはず。

 

 ハヅキの身体は今や、生きるための(かて)一時(ひととき)の休息すら必要としないのだから。

 

若禍(ワカマガ)()(オニ)

 

 ふと。

 

 ハヅキの視線が天から降りた。

 

「第一の鬼」

 

 紫の瞳が映すは――()()()()()

 

 そう、とても奇妙な彫像であった。

 

 いったい素材に何を使えば斯様(かよう)にも白く滑らかな面を彫り出せるのだろうか。

 

 その上、

 

「浄化されし左腕」

 

 それは腕、左腕だけの彫像だ。

 

 月明りしか()さぬ暗闇の中、その左腕はまるで宙に浮いているかのようである。

 

「なれば次に現れしは……土禍(ツチマガ)()(オニ)

 

 ハヅキがおもむろに立ち上がった。

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