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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第参話 ヒトのナカ

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35/226

11

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

(五分後)

 同日 同刻

 /結界封印都市ヒモロギ

  高等巫術学校 校舎裏

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

(悔しい……っ!)

 

 ルリカは壁に思いっきり拳を打ちつけた。

 

(悔しい、悔しい、悔しい……っ!)

 

 霊気は込めていない。そんなことをすれば壁ごと破壊してしまうからだ。

 

(勝てなかったっ! 負けた、負けた負けた負けた――私が、負けた!)

 

 必然的に、ルリカの拳は年相応の乙女の柔肌(やわはだ)に戻る。

 

(あんなヤツに……っ!)

 

 その柔肌が今、血に(まみ)れていた。

 

(アイツが! アイツのせいで私は――! 〈アマテラス〉まで()られてっ!)

 

 ルリカが容赦なく拳を打ちつける(たび)、真っ赤な血が飛び散る。

 

 折れそうなほどに噛み締めた歯はギシギシと(きし)んでいた。

 

(許さない……! 絶対に、許さない……っ! じゃないと、じゃないと私は――)

 

 ルリカは声も出さず泣いていた。

 

 

 

 ~第参話 ヒトのナカ 完~

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