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(五分後)
同日 同刻
/結界封印都市ヒモロギ
高等巫術学校 校舎裏
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(悔しい……っ!)
ルリカは壁に思いっきり拳を打ちつけた。
(悔しい、悔しい、悔しい……っ!)
霊気は込めていない。そんなことをすれば壁ごと破壊してしまうからだ。
(勝てなかったっ! 負けた、負けた負けた負けた――私が、負けた!)
必然的に、ルリカの拳は年相応の乙女の柔肌に戻る。
(あんなヤツに……っ!)
その柔肌が今、血に塗れていた。
(アイツが! アイツのせいで私は――! 〈アマテラス〉まで盗られてっ!)
ルリカが容赦なく拳を打ちつける度、真っ赤な血が飛び散る。
折れそうなほどに噛み締めた歯はギシギシと軋んでいた。
(許さない……! 絶対に、許さない……っ! じゃないと、じゃないと私は――)
ルリカは声も出さず泣いていた。
~第参話 ヒトのナカ 完~




