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同日 同刻
/結界封印都市ヒモロギ
ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部 中央管制室
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「ルリカを連れ戻そう」
とうとうシマメがそれを口にした。
口にして、しまった。
「そう、ね……」ミヅキが苦渋を滲ませつつ同意する。「それしか、ないと思うわ」
〈アマテラス〉が依然として粘液に囚われているこの苦境だ。
〈サグメ〉の修理は終わっておらず、稼働するのは〈ウズメ改〉のみ。
ならば答えは必然的に絞られる。
だが――問題はその過程だ。
「私が出て、すぐに連れ帰って来るわ」
「いや、行くのは私だ。ミヅキはここに残ってくれ」
「で、でも――」
「おいおいミヅキ、お前が〝司令〟なんだぞ。こういうのは、部下に任せておいてくれ。な?」
これだ。
こうなるのを、ミヅキは恐れていた。
シマメが出れば、確実にルリカを連れ戻してくるだろう。
だが、と同時に何をしでかすかわからない。
最悪の場合、〝影〟を動かしランカを亡き者にすることだってあり得るのだ。
それはまずい。なんとしても止めなければ。
だが、とはいえ自分が出たところでランカを説得できる可能性は低い。
そうなれば、ヒミコが――。
(どうしたら……どうしたらいいの⁉)
今この状況は、まさしく板挟みだった。
ヒミコを取るか、ランカを取るかの二者択一――。
「 待ってください! 」
と、そこへ。
一人の少女が本部へと駆け込んできた。
「私を……私を〈ウズメ改〉に乗せて下さい!」
凛堂ルリカ。
ミヅキが今、もっとも待ち望んでいたその少女――。




