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同日 未明
/結界封印都市ヒモロギ 第六結界柱付近
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なんて。
なんて、馴染むのだろう。
突如として降臨した〈アマテラス〉に取り込まれたヒミコは、ある種の安らぎすら感じていた。
何が起こったか、まるでわからない。
気づいたら自分はここにいた。
この中に――。
「ぐっ⁉」
なんだこれは……? 水、だろうか。
ほんのわずかに血の匂い――いや、霊素を感じる
息ができない。目を開けていられない。
そう思った次の瞬間、
(痛ぇ……! 刺された……⁉)
腹部に鋭い痛み。手で探ると何か鉄索のようなものが腹に深く食い込んでいた。
すぐさま取ろうとするも――脱力。
身体に力が入らない。まるで突如として他人のそれへとすり替えられたかのようだ。
弛緩した身体がゆらゆらと機胎内を漂う。
不意に腹の鉄索がヒミコの体躯を牽引した。頭が下へ、足が上へ。天地が逆転する。
いつの間にか息苦しさは消えていた。
目は変わらず閉じたままであるが――しかし、視えていた。
「は……?」
色鮮やかに。これまでになく高い視点から。
己が天から舞い降りた瞬間を。
下を見る。
ミヅキがいた。
自分の指一本にも満たぬ小さなミヅキが。
前を見る。
三ツ角の鬼がいた。
自分と肩を並べるほどの大きな鬼が――。
「クックックック……!」
理解は行動の後からついてきた。
この身体。動かせる。思い通りに。
これならば。
とれる。
ヒミコは――〈アマテラス〉は――嬉々として禍ツ忌ノ鬼に襲い掛かった。




