表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第弐話 そうやって、生きていく

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/148

01

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 未明

 /結界封印都市ヒモロギ 第六結界柱付近

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

 なんて。

 

 なんて、()()()のだろう。

 

 突如として降臨した〈アマテラス〉に取り込まれたヒミコは、ある種の安らぎすら感じていた。

 

 何が起こったか、まるでわからない。

 

 気づいたら自分はここにいた。

 

 この()に――。

 

「ぐっ⁉」

 

 なんだこれは……? 水、だろうか。

 

 ほんのわずかに血の匂い――いや、霊素を感じる

 

 息ができない。目を開けていられない。

 

 そう思った次の瞬間、

 

(いて)ぇ……! 刺された……⁉)

 

 腹部に鋭い痛み。手で探ると何か鉄索(ケーブル)のようなものが腹に深く食い込んでいた。

 

 すぐさま取ろうとするも――脱力。

 

 身体に力が入らない。まるで突如として他人のそれへとすり替えられたかのようだ。

 

 弛緩(しかん)した身体がゆらゆらと機胎(キタイ)内を(ただよ)う。

 

 不意に腹の鉄索(ケーブル)がヒミコの体躯を牽引(けんいん)した。頭が下へ、足が上へ。天地が逆転する。

 

 いつの間にか息苦しさは消えていた。

 

 目は変わらず閉じたままであるが――しかし、()えていた。

 

「は……?」

 

 色鮮やかに。これまでになく高い視点から。

 

 ()()()()()()()()()()()()()

 

 下を見る。

 

 ミヅキがいた。

 

 自分の指一本にも満たぬ小さなミヅキが。

 

 前を見る。

 

 ()(ツノ)の鬼がいた。

 

 自分と肩を並べるほどの大きな鬼が――。

 

「クックックック……!」

 

 理解は行動の後からついてきた。

 

 この()()。動かせる。思い通りに。

 

 これならば。

 

 ()()()

 

 ヒミコは――〈アマテラス〉は――嬉々として(マガ)()(オニ)に襲い掛かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ