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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第九話 幻想の花/背負った命

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19

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 同刻

 /結界封印都市ヒモロギ 旧第七結界柱方面

  仮設塹壕(ざんごう) ()ノ二周辺

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

 もう、駄目だ――。

 

雷惑符(ライワクフ)〟と〝雷密符(ライミツフ)〟を維持したまま高速機動を続ける最中(さなか)、ユイナははっきりとそう悟った。

 

 要は単純な数学の問題である。

 

 原点と、半径と、円周。それだけを考えれば十分に今の状況が説明できた。

 

 まずは原点。この場合、宙に浮かぶあの〝石環(セキカン)〟である。

 

 半径は自機と石環とを結ぶ距離だ。

 

 そして、円周はこちらの逃走経路であり――半径に比例する。

 

 だからこうして自分がいくら地上を素早く逃げ回ったとて、〝石環〟からすれば少し向きを変えるだけで簡単に砲撃領域(スコープ)内に捕捉できるのだ。

 

 唯一の打てる手は距離すなわち半径を詰め、敵の射角が追いつけぬような回避機動に移ることだが……これも実質不可能だ。

 

 極めて単純(シンプル)に――()()()()()()()

 

 ユイナも既に操者席(コックピット)内の描影装置(モニタ)で確認していた。

 

〝球〟。(マガ)()(オニ)。真っ二つに割れた身体の中から巨大な〝龍蛇(りょうじゃ)〟が飛び出し、今にも白光(びゃっこう)の矢を放たんとしている。

 

 だから、どう考えても無理だ。もう間に合わない。

 

 けれどもそれで――()()()()

 

(こうして最後に……ヒミコの役に立てたんだもの)

 

 自分が。

 

 こんな自分なんかが。

 

 好きな(ヒト)のために、死ねる。

 

 ユイナはただそれで――満足だった。

 

 直後。

 

〝龍蛇〟から白光の矢が、〝石環〟から破壊の奔流(ほんりゅう)が放たれ――

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