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同日 夜
/結界封印都市ヒモロギ
ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部 中央管制室
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「黄泉比良坂、再度活性化! 第二陣、来ます!」
「桜組からの連絡は⁉」
「先ほど来ました! まだまだ戦力、戦意共に十分とのことです!」
未だ禍ツ忌ノ鬼は〝局所封鎖結界〟に拘束されている。
だがしかし、第七結界柱跡地では既に戦いが始まっていた。
「鬼の具象化を確認しました! 予測通り小型鬼が四〇、大型鬼が一です!」
やはり、小型鬼・大型鬼は夜でなければ人の世に顕現できぬらしい。
あれから三日間、夜を迎える度に現れ襲撃を繰り返していた。
場所は旧第七結界柱方面。どうやら封印された禍ツ忌ノ鬼を目指しているらしい。
鬼にも仲間意識があるのか――はたまた蟻や蜂のように集団としての冷酷な体系に則っての本能なのか。それは誰にもわからない。
「マズイな」シマメが眉根を寄せ呟く。「今日も大型鬼が出てきてしまったか……」
この三日間は〈サグメ〉で対応していたが、今夜ばかりはそうもいかない。
〈サグメ〉と〈アマテラス〉は局所封鎖結界の効果が切れ次第、禍ツ忌ノ鬼へ攻撃を仕掛ける。一方〈ウズメ〉はまだ改修中だ。
つまり、大型鬼への対処は生身の巫女でするしかない。
「……ルリカに任せましょう」ミヅキが能面のような無表情で応えた。「今のあの子なら大丈夫よ。集団と個の両面で活躍してくれるはずだわ」
「そう、だな……」
シマメはミヅキから目を背けた。
――とても見ていられない。
カヤ同様にミヅキもこの三日間、一睡もしていなかった。
度を過ぎた苦しみはやがて血肉と同化する。
今のミヅキはまるで精神力だけで辛うじてその場に立っているかのようだ。
シマメは。
そんな風に苦しむミヅキの姿を見ていたくなかった――。




