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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第九話 幻想の花/背負った命

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113/226

05

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 同刻

 /結界封印都市ヒモロギ

  ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部 作戦会議室

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

〝作戦会議室〟などと大仰(おおぎょう)な名前がついてる割には普通の部屋だ。

 

 一応、中型の描影装置(モニタ)が前方に(そな)えつけられているが、それ以外に目を引くものはない。ごく普通の机と椅子が並ぶのみだ。どこかの企業の一室だ、と言われても違和感はなかろう。

 

 だが、にもかかわらず現在の室内の様子は――()()()と評さざるを得ない。

 

 端的に言い表すと〝荒れていた〟。

 

 机の上にはクシャクシャに丸められた紙が無数に散らばり、敵や味方に見立てたのであろう置物がゴロンゴロンと仲良く横に寝そべっている。床には食い散らかした軽食や飲み物の容器が散乱しており、ゴミ箱は容量限界の壁を前に役目を放棄していた。

 

 とはいえまあ、汚部屋(おへや)づくりの習性を持つヒミコにとってはさほど気にならぬ――

 

(んだよコレ……きったねえな)

 

 こともない。この女、明らかに〝人の振り見て我が振り直す〟能力に欠けていた。

 

「あ!」ヒミコの入室気づくや否や、「来てくれたのね!」ミヅキがぱぁっと顔を輝かせやってくる。どうやら松葉杖はもう必要ないらしい。「怪我は大丈夫かしら? 痛いところはない? 調子はどう?」そのまま腕を取り上へ下へとぶんぶんぶん。さらには肩やら顔やらをぺたぺたぺしぺしやってくる。

 

「……おいおい、その辺にしておけよミヅキ」見かねたシマメが割って入ってきた。「そんなんじゃあ良くなるものも良くなりゃしない」

 

「フフフ、それもそうね」ミヅキがすぐに離れる。「とにかく復帰してくれて何よりだわ」

 

「………。………………。………………………。」

 

 正直ヒミコは――()()()()()()()()()()()()()()

 

 ミヅキと知り合ってから早一ヶ月足らず。

 

 そろそろヒミコにもわかってきた。

 

 ミヅキには――状況が最悪な時ほど空元気(からげんき)に振る舞う()()がある、と。

 

「……(わり)いが(はえ)えとこ本題に入ってくれねーか。次の戦い、アタシはどう動きゃいいんだ」

 

 事実、そう切り出した途端にミヅキは表情を凍らせた。

 

 そのまま紫の瞳でチラリとシマメを見遣るが……首を横に振られるのみ。

 

 ヒミコの視線が(かたく)なに動かぬのもあり、ミヅキはやがてポツリ、ポツリと語り始める。

 

 ……そのまま数分が経った頃だろうか。説明が終わった途端、

 

「~~っ!」

 

 ヒミコは()()()()()()()()()()()()

 

「ざっけんなよ、てめぇ……! そんなののどこが作戦だ……!」

 

 ヒミコは緋色の瞳を怒りで燃やし、言う。

 

「要はアイツを〝捨て駒〟にするってことじゃねぇか……!」

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