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幻葬鬼譚 ~神話ヲ殺ス少女タチ~  作者: K. Soma
第八話 触れた指先

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101/226

05

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 同日 午後

 /結界封印都市ヒモロギ

  ツクヨミ 対鬼戦闘司令本部

  月魅(ツキミ)ノ塔 最上階 神託ノ間

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 

「ではあなたは――」ハヅキが瞑目(めいもく)したままシマメに問いかけた。「此度(こたび)の鬼の変質、その原因は先日の事件にあると考えているのですね?」

 

「はい、〝月読(ツクヨミ)ノ巫女〟さま」シマメが目を伏せつつ応える。「不幸に不幸が重なって、とでも言うべきでしょうか。金光(カナミツ)が機械を取り込み鬼と化した際、鬼門(キモン)を通じて逆具象化空間を満たす魄子(ハクシ)そのものに何らかの()()()を与えてしまったのだと思われます」

 

 ミヅキの姿はない。

 

 ハヅキと、シマメだけだ。

 

 建前(たてまえ)上は傷の()えきらぬミヅキに代わってシマメが来た、という(てい)だが――その実態は違う。

 

 二人はこれまでに幾度となく、こうして秘密の会合を開いていた。

 

 ()()()()()()()()()()()――。

 

「悪影響、ですか」ハヅキが消え入りそうなほど繊細(かぼそ)い声で呟く。「というより〝(ケガ)レ〟と評した方が正しいですね」

 

「そうなのですか?」ピクリとシマメが片眉を上げた。

 

「ええ。()()は元々〝穢レ〟を引き寄せる性質(たち)ですから」

 

 ハヅキは目を閉じたままそう答える。

 

 月が出ていない時はいつもこうだ。

 

 まるで。

 

 その紫色の瞳は、月の光以外を決して受けつけぬかのように。

 

「ところで〝月読ノ巫女〟さま」シマメが話題を変えた。「金光の処分は如何(いかが)なさいますか」

 

「これ以上、あの者が鬼へ影響を及ぼすことはないのでしょう?」

 

「ええ。鬼門形成時に既に吸い尽くされたはずです」

 

「ならあなたに任せます。必要な限りは使い、不要になったら始末なさい」

 

「かしこまりました」

 

 一〇秒、二〇秒……シマメはハヅキの次なる言葉を待つ。

 

 だが来ない。

 

 ならばこれで終わりだろうか。

 

 シマメがそう思い腰を上げかけた時、

 

「おそらく」ハヅキが唐突に話を再開した。「次の戦いはより厳しいものになるでしょう」

 

「……ええ、(おっしゃ)る通りかと」

 

 ()は学習している。

 

 前回の敗走を(かて)として、さらなる成長を遂げるはずだ。

 

「なので、あなたに一つ策を授けましょう――」

 

 そこからハヅキはポツポツと語り出した。

 

 話を聞くにつれ、シマメの顔が驚愕に(いろど)られる。

 

「し、しかし〝月読ノ巫女〟さま、それでは結界柱がまた一つ――」

 

「構いません」

 

 ハヅキはシマメの言葉を(さえぎ)り、言った。

 

「どうせ最後には()()()()()()()()()()()()ですから」

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