初めての朝食
リリック様との話し合いから翌朝、私はバッチリと目が覚めた。
リリック様は話し合いの後、自室へと戻った。
私はさっさと室内着に着替え身だしなみを整えているとドアをノックする音が聞こえた。
「奥様、おはようございます、朝の準備を……てもう起きられていたんですか」
入って来たメイドが私を見て驚きの声をあげていた。
「おはようございます、実家ではなるべく自分でやっていたので」
「そうでしたか、私奥様付きメイドを務める事になりましたエリーと申します」
そう言ってメイドさん、エリーさんはお辞儀をした。
流石は公爵家、私にもメイドがつくのね、我が家と大違いだ。
「既に朝食の準備が出来ておりますので食堂にご案内いたします」
「あ、よろしくお願いします」
私はエリーさんの後を付きながら食堂へと向かった。
食堂には既にリリック様が来ていた。
「おはよう、ぐっすり眠れましたか?」
「えぇ、実家のベッドよりも柔らかくて寝心地が良かったです」
そう言って私は椅子に座った。
「昨夜話したルールの事、正式に書類として作成しました」
そう言ってリリック様は1枚の紙を渡した。
そこには昨日話し合いで決めたルールが書かれていた。
流石はリリック様、仕事が早い。
「え、昨夜の内に作成したんですか?」
「はい、これぐらいはすぐに出来ますから」
「凄いですねぇ、私のお父様は書類作るのにうんうんと悩んで1日かけてるんですよ」
「事案によりけりですよ、僕も重要な書類を作る時は調査をして案を何枚か書いてその中から最適な物を選んで清書してますから」
なんでもない様に言うリリック様だけど、いやいや結構な手間ですよ、それ。
リリック様ってもしかして仕事が出来る方では無いだろうか。