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道徳の教科書に載っていそうな話(読んだ後はぜひご自身の解釈をコメントしていってください)

作者: 刀鷹

朝、目覚めたらそいつはそこにいた。

黒くて姿はよくわからない。

だけど確かにそこにいた。

「お前は誰だ?」

野球ボールサイズのそいつはこちらの問いかけに答えない。

少しそいつを眺めた後、僕はそいつには構わずに支度をした。

学校に遅れてしまうから。

いつものようにトーストに目玉焼きを乗せてマヨネーズをかけて食べる。

今日は時間がないから1枚でいいか。

パンを食べ終えたら簡単に歯を磨き、寝癖を治す。

「行ってきます。」

誰もいない家に挨拶をして家を出る。

いつもの通学路、制服の人間たちに紛れてとてとてと後ろを着いてくる黒い塊はどうにも違和感がある。

しかし周りには見えていないようで、誰も僕の方を見ない。

余裕で間に合っていたのだろう。

学校に着くと生徒会が校門前で挨拶活動をしていた。

「おはようございまーす!」

元気な挨拶に若干気圧され、僕は挨拶を返せなかった。

席に着くといつも通りに授業が始まった。

問題が出されて手が上がる。

僕と黒いドッジボールはただただそれを眺めている。

特に何事もなく授業が終わった。

帰り道、静かに歩く僕の後ろを、ゆっくりゆっくりと黒いバランスボールが追ってくる。

「ただいま。」

家に帰り部屋に戻ると黒いバランスボールが窓を塞いでいる。

少し暗い部屋でぼーっとしていると気づいたら日が沈んでいた。

居間に行ってお湯を沸かし、夕飯を取る。

ふ、と外を見ると黒い大玉が転がっていた。

部屋に戻り宿題を済ましてシャワーを浴びる。

ここからは趣味の時間だ。

僕は眠くなるまで机に向かい工作を進める。

布団に入ると心地よく眠れた。



朝、目覚めたらベッドの横に黒いバランスボールが転がっていた。

昨日1日で慣れてしまったので驚くこともなかった。

いつものようにトーストに目玉焼きを乗せてマヨネーズをかけて食べる。2枚目のトーストにはバターを先に乗せておいて溶かして食べる。

パンを食べ終えたら歯を磨き、寝癖を治す。

「行ってきます。」

誰もいない家に挨拶をして家を出る。

今日は水曜日なので校門前に生徒会はいなかった。

今日は授業で当てられたが答えがわからなかった。

帰り道、静かに歩く僕の後ろを、ゆっくりゆっくりと黒いお月様が追ってくる。

「ただいま。」

部屋に戻り着替えてスーパーへ向かう。

大根が安かったので、おでんの材料を買い家に帰る。

夕飯のおでんを完食し、皿を洗う。

外には黒い太陽が転がっていた。

部屋に戻り宿題を済ましてシャワーを浴びる。

ここからは趣味の時間だ。

僕は机に向かい工作を進める。

布団に入ると心地よく眠れた。



朝、目覚めたら家の横に黒いお月様が転がっていた。

いつか爆発してしまいそうなペースで大きくなったいる。

今日はトーストに目玉焼きを2つ乗せてマヨネーズをかけて食べる。2枚目のトーストにはバターを先に乗せておいて溶かして食べる。

パンを食べ終えたら歯を磨き、髪型を整える。

「行ってきます。」

誰もいない家に挨拶をして家を出る。

学校に着くと生徒会が校門前で挨拶活動をしていた。

「おはようございまーす!」

「おはようございます。」

生徒会に挨拶を返し、

席に着くといつも通りに授業が始まった。

今日も当てられたが答えられなかった。

黒い太陽に笑われた気がした。

昼食時、弁当の中の卵焼きが地面に転がった。

その瞬間、黒い太陽は爆発した。

辺りは真っ暗になり、二度と晴れることはなかった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

何か書こうと思って30秒で設定を考えて書き始めた作品ですが、読み込んでいただければ色々な解釈ができるように作ってありますので、読了後はぜひコメントにて黒い球体の正体を考察していただければと思います。

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