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第90話 猛攻は続く

「たかが五人で何が出来る?」


「五人もいりゃ十分だろ」


 相手が無限ならこっちは個性だ。

 結局武器が多くたって操る人間は一人だけ。


 生成武器が物理に弱いんだ。

 絶対どこかに限界がある。


「”神速”!!」


 俺は急加速して父さんに向かって蹴りを放つ。

 真っ直ぐ向かった蹴りは父さんの方へと届いたが……新たな武器が攻撃を阻む。


「”サイクロンロッド”」


「うぉおお!?」


 突如、俺の周囲に竜巻が巻き起こり、勢いよく吹き飛ばされる。

 物理には魔法で防御か……応用力高すぎる!!


「”ウィンドショット”!!」


 吹き飛ばされた身体が、れなの射撃で勢いが殺される。

 

「魔法がダメなら……”スモークショット”!!」


 ポン!! ポン!! ポン!!


 煙幕弾を父さんの周りに発射し、周囲の視界を奪う。

 だが、所詮は煙幕。

 父さんの”サイクロンロッド”にあっさり吹き飛ばされ、煙が晴れていく。


「”オイル瓶”でも喰らいなさい!!」


「”ウイングガードタックル”」


 ”オイル瓶”で父さんの周りを油まみれにし、油を滑るように真白のシールドによる突進が迫る。

 

「”火炎放射器”」


「やっば!?」


 油に炎が引火し、逆利用されてしまった。


 炎の脅威が真白に迫る。

 炎と真白の距離があと数センチという所で

 

「”飛翔”」


 真白の翼が輝き、空を飛んだ。


「”シールドブレス”」


 上空から急降下して、真白の盾が父さんの元へ迫る。

 炎にも屈しない真白の姿。


 それを父さんは、冷静に状況を読んでいた。


「”ウィンドジェット”」


「っ!?」


 背中に突如現れたジェットパック。


 空まで飛べるのか!?

 最早武器でもなんでもないだろ!!


「”神速”!!」


 俺も飛んで急接近する。

 

「はぁあああ!!」


「甘いな」


 ガキン!! ガキィン!!


 剣と剣がぶつかり合う。

 

 俺のシンプルな物理攻撃に対して、父さんは魔法をまとわせた剣で対抗している。

 勿論、魔法を使った分、向こうの方が有利。


 俺達は”神秘の盾”のせいで下手な魔法を撃てないし、火力面では劣勢だと思う。


「ぐぅっ!!」


「隙だらけだ」


 魔法剣によって身体が大きく弾き飛ばされる。

 

 その隙に父さんが魔法の筒を取り出して、エネルギーを溜め始めた。

 俺も防御をする為に剣に魔力を纏わせたが、どうやら心配し過ぎだったようだ。


 パパパパパンッ!!


「また煙幕か」


 れなとセリアの煙幕が空中を漂う。

 再び隙を見て逃げる事に成功したが、二回目の目つぶしともなると父さんも慣れる。


「つまらん。全て”殲滅”する」


「やばっ!! 銃火器が!!」


 鉄の音が鳴り響く。

 煙幕越しに見える数々の銃口。


 まさかあれを全部!?


「当然だ、これは”ゲーム”ではないからな」


 ズドドドドドドドドドドドッ!!


 弾幕が広がる。


 弾だけじゃない。

 剣や槍や鎌といったありとあらゆる”武器”全てが襲い掛かった。


「うわあああああ!? こんなの無茶苦茶でしょー!?」


「なーによもうっ!! ウザイわね!!」


 地上にいる皆は防げているが、結構ギリギリだ。

 僅かだが防御をかいくぐって身体に当たっているし、押されるのも時間の問題。


(せっかく”秘策”を思いついたのに!!)


 戦っている最中、思いついた秘策。

 これが決まれば父さんを一撃で倒せる。


 そのためには超至近距離で攻撃を当てないといけないんだけど……!!


「ダーリン!! 何かやりたいことあるでしょ!!」


「え? あぁ!!」


「だったらアタシ達でもっかい隙を作るよ!!」


「頼む!!」


 攻撃をいなしながら、俺の思いをくみ取ったれな達が再び攻撃を開始する。


「さーて、反撃はこっからだよ!!」


「ウチらの力、見せてやるわ!!」


「全力でサポートする」


「あーしも頑張るっすよー!!」


 恐らく次がラストチャンス。

 あまり手数を見せない内に倒せないと、父さんが俺達の戦術に慣れてしまう。

 

「やるぞ……!!」


 決められるのは一度だけ。

 だからこそ、今まで以上に集中する。


 この”秘策”で全てを終わらせる。


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