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第81話 起爆場所へGO

「池袋、渋谷、風間、そして松也ダンジョンの地下に魔素爆弾はあるらしいっす」


「有名ダンジョンに加えてSSランクまで……あいつらどうやって設置したんだ?」


「闇配信者を利用したんじゃないかしら? ヤツらなら上手く身を隠せるわ」


 その可能性はかなり高い。

 前の爆弾設置もセリアを間に挟んで闇配信者がやっていたからな。

 

「でも信じていーの? ケイゼルが罠をしかけてる可能性もあるし」


「姉さんの言う通り。だけど今は情報がない」


「後、決断の時間もなさそうっすよ」


 アプリの画面下部の方に表示された謎のタイマー。


 残り八時間。

 多分だけど、起爆するまでのカウントダウンだ。

 俺たちに詳しく調べる余裕はないってことか。


「え、たったの八時間しかないってヤバくない!?」


「うかうかしてられないじゃないの……!!」


 慌てる気持ちは分かるが落ち着いてくれ。

 

 とにかく、最優先で止めないといけないのがダンジョンブレイクだ。

 一つでも阻止に失敗すれば、瞬く間に多くの被害が起きる。

 ネットで呼びかけようとも考えたが、今の俺の立場はかなり危うい上に、余計な議論や混乱を生むだろう。


 俺達だけでやるしかない。


「今はこれを頼りに動こう。まずはどうするかだが……」


「八時間しかないなら、みんなで一緒に行く余裕はなさそうね」


「分隊行動をとるのが最適解」


「だな、早速チーム分けをしよう」


 綺麗に分けるなら後二人くらい人員が欲しいが仕方ない。

 

 という訳で俺たち六人を四部隊に分けた。


 風間ダンジョン(Bランク)

 真白、朝日


 池袋ダンジョン(Aランク)

 れな、セリア 


 渋谷ダンジョン(Sランク)

 摩耶さん


 松也ダンジョン(SSランク)

 俺 


「一人でSランクダンジョンって大丈夫なんですか?」


「そーいうお主の方がイカれとるわ。SSランクをソロって聞いたこともないぞ」


「割と何とかなると思うんですけどねぇ」


「はぁ……」


 俺や摩耶さんみたいな実力者はソロで立ち回り、他のみんなは二人ずつに分かれて行動。

 これでも実験部隊を相手にするには物足りないけど、やれるだけの事はやるしかない。

 

「わらわの花火は無属性加工をしておるからSランクモンスターにもある程度ダメージは入るハズじゃ。なんの心配もない」


「新しい技術をさらっと……」


 竜影剣もだけど摩耶さんって妙な技術持ってるよな。

 Sランクにダメージを与えられる武器なんておいくらに……

 考えるのはやめとこ。


「じゃあ早速行こう」


 こうして、魔素爆弾を喰い止める作戦が始まった。


――――――――


「さーて、まずはここの攻略か」


 再び戻ってきましたSSランクダンジョン。

 

 灼熱のダンジョン、凶暴なモンスター達。

 そして潜んでいるであろう実験部隊。


 あらゆる部分に警戒しつつ、俺はダンジョンの中へと入る。


(相変わらずあちーなぁ……)


 入った瞬間、熱気が襲いかかり全身からぶわっと汗を垂れ流させる。

 前よりも更に暑さ対策はしているつもりだが、長時間居座れる訳ではない。


 迅速に地下へ辿りつき、魔素爆弾を破壊しなければ。


(そういえば、実験部隊はどうやってここに仕掛けたんだ?) 


 BやAランクのダンジョンなら分かる。

 だけどここはSSランクだ。

 

 いくら実験部隊が優秀とはいえ、過酷な環境と強すぎるモンスターを前に勝てるとは思えない。


 楽に突破する方法でもあるのかな……

 

「楽……?」


 ふと、田舎のダンジョンに隠し通路があった事を思い出した。

 俺は周囲の気配をさらに研ぎ澄ませ、何か不審な物がないか探ってみる事に。


 すると、


(あそこの岩壁だけ妙に平らのような……?)


 斜め右奥にある岩壁に少しだけ違和感を感じた。

 

 人の手が一切入らないダンジョン。

 地形は自然に変化していくし、ここにある物も全てダンジョンから生まれた。

 

 だけどあの岩壁は少しおかしい。

 人の手が入ったかのように形が綺麗すぎる。


 不審に思った俺は例の岩壁に近づき、ゆっくり触れてみると、


 ゴゴゴゴ……


「こんな所にも道が……」


 まさかの隠し通路を発見。

 きっとヤツらが作り出した物に違いない。


 俺は周りを警戒しながら、例の隠し通路へと足を踏み入れるのだった。

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