表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無自覚で【無属性】持ちの俺は最強みたいです~外れスキルを3年間鍛え続けていたら、ダンジョン配信中の亜人姉妹に襲い掛かるS級モンスターを偶然倒してしまいました~  作者: 早乙女らいか
第二章・因縁とは突然に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/90

第73話 現場に到着

「ママー、小さな飛行機が飛んでるよー?」


「飛行機?」


「やべっ」


 魔力消費を抑えて飛んでたら親子に見つかった。

 もっと速度をあげないと。


(確かここからまっすぐ……)


 スマホの地図によると近くまで来ているらしい。

 とはいえ、高速かつ目印の建物から遠い上空だから判別が難しいけど。


 若干迷いながら目的地まで近づいていき、たどり着いたのは


「……ダンジョン?」


 自然に囲まれた僻地。

 その中で建物が密集している場所にダンジョンと協会があった。

 

 こんな田舎にもダンジョンが。

 一応車で行けなくはないけど、わざわざ行こうとは思わないなぁ。


(けど、何故ダンジョン?)


 スーツの男は実験部隊がいる場所と言っていた。

 だけど辺りを見渡してもケイゼルに関する施設は見つからない。


 という事は地下?


(行ってみるしかないよな……)


 今の所一番怪しいと思われるダンジョンへと向かう。

 闇配信者みたく、ダンジョン内を改装して自分達の拠点にしている可能性もある。


 調査してみないと分からないけどね。

 俺はダンジョン協会へと中に入り、すぐ近くにあったダンジョンの入口へと足を踏み入れた。


――――――


「ゴブアアアアア!!」


「よっと」


 襲いかかるゴブリンを軽く拳で吹き飛ばす。


 ここは下級のゴブリンかスライムが出るだけで、めぼしい物は何一つない。

 ランクもE〜D辺りだろう。


 探すのにかなり苦労しそうだなぁ。

 俺は懐から封筒を出し、なにか手がかりがないか調べ始めた。


「ん?」


 よーく見ると、ポリシーやら契約事項やらに紛れて”ルート案内”と書かれた小さな項目が。

 えーっと、まずはゴブリンの素材を入口付近の壁に投げて……


「おぉ」


 入口に戻り、ゴブリンの素材を壁に投げるとガコンと抜け道が現れた。

 マジかよ。


 まさか隠し通路の経路や方法まで書かれてるとは思わず、俺は困惑しながら手順に従って先へ進んだ。

 手順はやや複雑なので間違えないよう一個一個こなす。

 そして奥へ奥へと向かっていくと、


「だ、誰だ貴様!?」


「どこから入った!?」


 えー正攻法で来ました。

 

 というわけで実験部隊の連中をドア前で発見。

 間違いない、ここが連中の訓練場だ。


 実験部隊は俺を見るや否や襲いかかってきたが、”神速”の突撃であっさり撃退できた。


「ん? カードがいるのか?」


 実験部隊が守っていたドアの隣にカードをかざす場所がある。

 秘密の場所なんだし、セキュリティがしっかりしてるのは当然か。


 封筒にカードや代わりになりそうな物は入っていない。

 が、多分こいつらが持っているだろ。


「あった」


 地面で伸びている実験部隊の持ち物をガサゴソ漁ると、ポケットの中からカードのような物がでてきた。

 それを扉の前にかざせば、ピンポーンという音と共にドアが開く。


 という事で探索を再開……


「あ、そうだ」


 セリアがいる場所を調べないと。

 

 俺は伸びている実験部隊を無理やり起こした。

 最初は知らんぷりを決め込んでいたが、俺が再びボコボコにすると情報を吐き出した。


 だいぶ複雑な道のりらしいが……まぁ、スマホにメモはしてるし行けるだろ。


 後、ドローンカメラもONにしておこう。

 証拠は全て撮らせてもらう。


――――――――


「ここか……」


 途中、実験部隊に遭遇しながらも何とかたどり着くことが出来た。

 

 格納されたレギオン。

 怪しげな兵器の数々。


 そして朝日が言っていた人間を魔力電池にする施設が……


「っ!!」


 突如後方から感じた殺気。

 すかさず回避を行うと、俺がいた場所に氷塊が飛んでくる。


 この氷、この馴染み深い気配。

 

「やぁ、無名」


「クソ兄貴……!!」


 二人を追い詰めた元凶、音梨優馬がそこにいた。


「なーんでここが分かったのかな? 一応秘密の場所なんだけど」


「おマヌケな実験部隊が教えてくれたんでな」


「っ!?」


 ひらひらと住所の書かれた紙を見せると、兄貴は目と口を開いて動揺し始めた。

 

「なんでそれが……バトラー!! まさかお前!!」


「気が変わるかもしれないでしょう?」


「こいつに限ってありえるか!! クソッ!!」


 えぇ……ガチのやらかし案件かよ。

 あえておびき寄せて始末、なんてパターンも予測していたのに。

  

「まぁいい、見られたからにはここで始末させてもらうよ」 

 

「俺もそのつもりだ……が、その前にやることがある!!」


 俺は”無砲天撃”を発動させて扉を壊し、”神速”で素早く奥へと移動した。


「な、なんだこいつ!?」


「逃げろおおおおおお!!」


「うわああああああ!!」


 奥では俺を見た研究員達が慌てふためいており、その中心地には傷ついた猫耳美少女がカプセルの中で眠っていた。

 

 間違いない、セリアだ!!


 俺はカプセルに駆け寄るとガラスをぶっ壊して、中から彼女をゆっくり取り出した。

 

「セリア!! しっかりしろ!!」


「……にぃに?」


 よかった、大事には至ってないみたいだ。

 けど、両足のふくらはぎが大きく腫れ上がっている。

 顔色も悪くて、全身から熱を感じる。


 撃たれたとは聞いていたが、このまま放置するのはマズイな……


(あれ?)


 弾丸が貫通した跡がない?


 出血も止まっているし、他の外傷は見当たらない。

 という事は最低レベルの治療で、セリアを動けなくしている可能性が……


「おらぁ!!」


「「「ひぃ!?」」」


 ドガアアアアアアン!!

 無差別に無属性魔法を放ち研究員達の足を止める。


「セリアを全力で治せ、じゃないとぶっ殺すぞ!!」 


「「「は、はいぃ!!」」」


 殺意マシマシで脅しの言葉をかけると、研究員達が集まってセリアの治療を開始した。

 よし、これで俺が戦っている間は大丈夫だろう。


「はぁ、はぁ……」


 で、セリアをこんな目に合わせた野郎がのこのこと壊れた扉から現れる。


「よくも好き放題やってくれたねぇ……!!」 


「それはこっちのセリフなんだよクソ兄貴!!」

 

 さーて、俺は元凶をフルボッコにしねぇとな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ