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無自覚で【無属性】持ちの俺は最強みたいです~外れスキルを3年間鍛え続けていたら、ダンジョン配信中の亜人姉妹に襲い掛かるS級モンスターを偶然倒してしまいました~  作者: 早乙女らいか
第二章・因縁とは突然に

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第62話 新しい魔法

「うわああああああ!? なんだこの強さ!!」


「退避ー!! 退避ー!!」


「「「「「uoooooooooo!!」」」」」


 影による移動でかく乱しながら、探索者達を次々斬り裂いていく。

 完全に前線が崩壊している。

 

 影の騎士の猛攻を前に多くの探索者が逃げ出し、戦う人数が大幅に減少してしまった。

 このままでは街中にモンスターがあふれかえってしまう。

 

 俺は影竜を一旦消し、二つの短剣に”双演乱舞”を発動させると影の騎士達の方へと突撃した。

 ここは全力で暴れながら、なんとか前線を維持して後衛のサポートを通すしか……


「shuuuuuuuuuu!!」

 

「っ!!」


 瞬間、影の騎士は身体をバラバラに分解し、大量の弾幕と共に探索者へ襲い掛かり始めた。

 

 めんどくさい事をしやがって!! 

 影の騎士は実体のある手元にしかダメージが入らない。

 

 ”無砲天撃”は直接撃てないし、”双演乱舞”では一人ずつ倒すのが限界だ。


 増え続ける弾、減り続ける自軍の攻撃、再び勢力を増すモンスター達。

 考えても考えても、状況は悪化していくばかり。


 対処しながら悩み抜いた結果、俺はできる限りの最善を尽くす事にした。


「”神速”!!」


 加速魔法で更に加速する。

 斬れば斬る程スピードがあがる”双演乱舞”と合わせて、その速さは異次元のものへと突入していく。


 一瞬だけ止まり、影の騎士の弱点である手元にターゲットを合わせて”神速”による高速突撃。 

 これを何度も何度も繰り返す。


 味方がどんな状況か全く分からないし、そもそもやってることが非効率的すぎて嫌気を覚え始めていたが、何も考えずただ敵をさばく事に集中する。

 

「おおおおおおおおおおおおお!!」


 同じことの繰り返し。

 人間という生き物は同じことをやり続けると飽きてしまい、効率が落ちてしまうらしい。

 それだけじゃない。長い戦いによってスタミナも落ち始めていた。


 動きのキレが少しずつなくなり、一つ一つの行動に対する時間が長くなっていく。

 それでも叫んだり、隙を見て影の騎士を蹴り上げて空中の”無砲天撃”にぶち当てたりと無理矢理気合を入れ続けた。


「uuuuuuuu!!」


「がっ!?」


 隙を突かれ、影の騎士の攻撃が俺の腹部に命中する。

 

「「「「uuuuuuuuu!!」」」」


「ぐあああああああ!!」


 攻撃を受けたことで更に動きが止まり、立て続けに猛攻を喰らってしまう。

 集中攻撃を前に俺の身体は完全に静止してしまい、地面へとゆっくり落下していく。


(いてぇ……)


 落ちていく僅か数秒の間、様々な思考が流れてくる。


 感情でも殺せたらもっと効率的にさばけたのか。

 もっと戦術に幅を持たせたらよかったのか。

 後悔や疑念ばかり浮かび上がる。 


 でも素直な思いがあるからこそ、守りたい居場所が出来たんじゃないか?


 その時、羽がバサバサと動く音が聞こえた。


「”飛翔”」


 飛んできた真白に優しく受け止められる。


「パパ、大丈夫?」


「ありがとう真白。かなり喰らってしまって申し訳ない」


「パパが傷ついても、真白が治すから。”デュアルヒール”」


 温かい光が俺を包み込むと、傷やスタミナが徐々に回復していくのを感じる。

 真白が羽でふわりと着地する頃には、体調はほぼ万全に近い状態まで治っていた。


 相変わらず真白の回復力は凄いな。

  

「ダーリンを援護して!! 諦めないよ!!」


「にぃには絶対ウチらが守るんだから!!」


「パイセンの為に少しでも……!!」


 れなの射撃。

 セリアの妨害。

 朝日の制限。

 

 真白に続いて、それぞれが出来る事で影の騎士に立ち向かっていく。


「よし、いくか」


「ん、無理しないで」


「わかってるよ」


 ぐぐぐっと再び立ち上がり、もう一度”神速”と”双演乱舞”を発動させて影の騎士達へと突撃した。

 

 後方から飛んでくる彼女達の支援に、俺の心が温まっていく。

 守りたいじゃない、守るんだろ?

 

 俺がやらなきゃ、誰がやるって言うんだよ。

 再び”創造”を発動させ、最強の魔法同士を組み合わせる。


 ”双演乱舞”

 ”無砲天撃”

 ”神速”


 最強格とも言える三つの魔法。

 ”創造”が終わると、二つの短剣が白く大きい刃を形成していた。


 俺はその剣を力強く握りしめ、その場で大きく回転を始めた。 


「”無双神演”」


「「「uuuuuuuuu!?」」」


 ゴォオオオオオオオオオオオオ!!


 高速でグルグルと回転する俺を中心に巨大な竜巻が生成される。

 竜巻は近づく影の騎士を次々と飲み込み、中に入り込んだ者から次々粉砕していった。

 

 それだけじゃない。

 スピードも”神速”+”双演乱舞”の効果が両方重なっている為、移動と回転力がケタ違いだ。

 おまけに破壊力は”無砲天撃”と”双演乱舞”の合わせたもの。


 つまり俺が出せる最強の魔法だ。 


 竜巻は接近しなければ吸い込まない為、”無砲天撃”ほど周りの被害を考えなくていいのが大きい。

 動き回る竜巻を前に影の騎士はあらゆる方法で逃げようとするが、すぐ追いつかれてしまい竜巻の餌食になってしまう。


「はぁ……はぁ……」


 そして体力の限界を迎えて地面に倒れた頃には、影の騎士達の姿はどこにもいなかった。


「”スタミナヒール”」


「あー、生き返るわぁ……何度もありがとう」


「それが真白の役割だから。お返しは後でいっぱい甘えさせて?」


「それじゃ俺もご褒美になっちゃうよ……よっと」


 真白を軽く撫でながら再び立ち上がる。

 後は消化試合みたいなもんだろう。

 

 体力を温存しつつ、モンスターの数と奇襲に気を付けながら戦えば抑えられるハズ。

 リラックスしつつ、目の前の敵を把握している時だった。

 

「っ!?」


 ドガァアアアアアアアン!!


 後方から何かが撃ち込まれ、前方のモンスターが爆発音と共に火の海に包まれた。

 また新しい敵かよ!! と嫌そうにため息を吐きながら後ろへ振り向くと、


「ロボット?」


 見たことも無い四足歩行の巨大なロボットがそこにいた。

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