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無自覚で【無属性】持ちの俺は最強みたいです~外れスキルを3年間鍛え続けていたら、ダンジョン配信中の亜人姉妹に襲い掛かるS級モンスターを偶然倒してしまいました~  作者: 早乙女らいか
第一章・無属性が覚醒しました

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第6話 スキル覚醒

「なーんか通行人が俺のことをチラチラ見てたけど、そういうことか!!」


「それが原因だねーアタシ達、それなりに有名な配信者だから……オトプロって知らない?」


「知らない……」


「この反応……普段からあんまりSNSとか見てなさそう」


「見てない……」


「じゃあ何も知らないのも、仕方ないか」


 画面をスワイプさせると、彼女達の配信チャンネルが現れた。

 登録者……140万人!?

 超大手じゃん、やばぁ。


「くふふ、びっくりした?」


「あ、あぁ……」


「元の影響力とSランクモンスターをソロ撃破した衝撃。それらが合わさってとんでもないバズを生み出してる」


「なるほどなぁ……」


 話題性の塊だった、というわけか。

 ダンジョン配信に疎い俺でもそれくらいはわかる。

 なんだか大事になってきたなぁ……


「あ、そうだ……これ渡さないと」


「ん?」


「これって……」


「カオスドラゴン? の魔石と素材だよ。横取りしたみたいになったから返すよ」


「「え?」」


 俺がカバンから取り出した魔石と素材にギョッと驚く二人。


「いやいや……アタシたち全くダメージ与えてないし、倒したのは無名くんだし」


「真白たちが貰う方がおかしい……」


「そういうものなのか?」


 二人とも受け取れない、と手のひらをこちらに向けて拒んでいる。

 乱入したのは俺の方なのにな……こっちが困惑してしまう。


「ていうか売らなかったの? こっそり売っておけば、いくらでもごまかせたのに」


「え? 何でそんなことする必要があるんだ? まぁ……お金は欲しいけど、狡い事をしてまで稼ぎたいとは思わないし……」


「な、なるほど……?」


「落ちこぼれの俺はダンジョンで生活できるだけで満足だよ……それ以上を望むなんてバチ当たりもいいところだ」


「「……」」


 あれ? 何かおかしいこと言った?

 ダンジョン内で盗みを働いて素材を売るやつもいるらしいけど……俺は別にやりたいと思わない。

 

 稼ぎは最低限あればいい。

 重要なのは大好きなダンジョンに潜り続けられることだ。


「変わってるねー無名くん」


「こんな人初めて見た」


「はぁ……なるほど?」


 そんなこと初めて言われたなぁ。

 別におかしいことを言ったつもりはないんだけど……


「……そうだ。無名くんはスキルカードの更新をしてみたら?」


「スキルカードの更新? あぁ、そういえば一年以上してなかったなぁ」


「えーもったいない!! きっと何か変わってるよ!!」


「そうかなあ……じゃあ後でダンジョン協会に行かないと」


「その必要は無い。最近のスキルカードは魔力を込めるだけで更新される」


「はえー便利だ」


「何も知らないんだね無名くん……」


 スキルの覚醒を信じてはいたが、正直ずっと結果は出なかった。

 なので半分くらい諦めていたのだが……いい機会か。


「魔力を込めるって……こうか?」


「ん……それでいい」


「おおーなんか光出した」


 取り出したスキルカードに魔力を込めると、カード全体から青白い光を放ち始めた。

 これが更新かー……もっと最近の知識を入れるべきだな。


「さーてどうなるのかなーワクワク」 


「どきどき」


「あんま期待すんなよ?」


 とはいえ、仮にスキルが覚醒してもだ。

 大したスキルではないだろうし、せいぜい1〜2個何かが追加されるだけだろう。


「お、出た」  


 物事のハードルは低いに越したことはない。

 半信半疑な俺のスキルカードに表示された結果は…… 


〜音梨無名の潜在スキル〜


 【無属性・極】 

 推定ランク・S


 パンパカパーン!!  

 おめでとう!!

 【無属性使い】は【無属性・極】に覚醒したよ!! 

 今後もよい探索者ライフを!!


「……」 


 微妙にうぜぇお祝いと共にやべぇスキルが覚醒してた。


「おめでとー!! やっぱすごいねー!!」


「バグったかなぁ……協会に言って直さねえと」


「? 今のスキルカードは丈夫かつ正確。誤表示は99.9%しない」


「その残り0.1を引いたんだよ!! 違いねぇ!!」


 推定Eランクだった潜在スキルがSランクになったんだぜ!?

 嘘だと思った方が自然だろ!!

 

「故障じゃないと思うけどなぁ。だってカオスドラゴン倒してたし」


「いえす。覚醒した潜在スキルなら、無双できてもおかしくない」


「ううーん……」

 

 確かにスキルカードが嘘をつくとは思えないしなぁ。

 カードの偽造って最悪探索者としての資格を失うらしいし、偽の潜在スキルを出すとは到底思えない。


 信じられない事実だが……


「とりあえずスキルの詳細を見るか……」


 スキルカードを手に強く念じ、詳細な文章を表示させる。


【無属性・極】 

無属性魔法が強化され、当てる度に固定ダメージを発生させる。

また、全ての無属性魔法を習得&覚醒させることができ、それらを組み合わせて新たな魔法を創造することも可能。


「「「ぶっ壊れだ……」」」


 タイミングを合わせたわけじゃないのに声が重なる。

 

 本当に無属性魔法を極めたスキルって感じだな。

 火力が高い上に拡張性も半端じゃない。

 やりようによっては何でもできる、そんな代物を覚醒させてしまったのか。


「あ……」


「真白? 何かわかったのか?」


「カオスドラゴンを倒せた理由」


「え?」


「何々!? 教えて教えて!!」


「姉さん落ち着いて……あんまり騒ぐと傷が開く」


 傷ついた身体でれなは真白に近づき、尻尾をブンブン振っている。

 元気だなぁ……

 

「Sランクモンスターは基本的に全属性耐性を持っている」


「あぁ……過酷な環境で生き延びて、あらゆる攻撃に耐えられる身体に成長したからだろ?」


「そう。だからSランクモンスター戦ではバフやデバフでステータスを変動させてから、集中的にジワジワ攻撃していくのがセオリー」


 ニュースで見たことがある。

 Aランクパーティーが12時間以上かけてSランクモンスターを討伐している姿を。

 陣形、攻撃や魔法のタイミング、相手の僅かな隙や自分たちの身体を休める時間など……

 あらゆる部分を徹底的に計画し、ギリギリの戦闘を続けた結果、彼らは勝利を収めていた。

 

 Sランクモンスターを一気に倒すなんて事はまずありえない。

 それぐらいの強敵。それが常識の筈……


「真白ちゃんは詳しいねぇ……お姉ちゃんあんまりわかんないや」


「姉さんは学ぼうとしないだけ……で、仮にSランクモンスターがいる下層では無属性魔法を使う魔物がいないとしたら」


「え……」


「まさか……」


「うん」


 真白の仮説に身震いする。


「上位モンスターには無属性への耐性が存在しない」

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