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無自覚で【無属性】持ちの俺は最強みたいです~外れスキルを3年間鍛え続けていたら、ダンジョン配信中の亜人姉妹に襲い掛かるS級モンスターを偶然倒してしまいました~  作者: 早乙女らいか
第二章・因縁とは突然に

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第51話 お風呂に入るだけ……なのに

「最初はオトプロの三人がどのようにダンジョンで配信を行うか我々が密着。翌日はセリアくんと朝日くんに三人が密着……どうだろう?」


「日時は一週間後の午前六時から……結構早いですね」


「にぃに達、ちゃんと起きれるの?」


 詳細を詰めた後、俺達はスケジュールをマネージャーであるリゼさんに共有する。

 リゼさんからの返信は意外と早く、今後のスケジュールの調整や予定含めてメッセージで送ってくれた。

 内容についても特に問題はないそうだ。


 ちなみにメッセージの最後に案件についての感想が書かれていたが、クライアントからの評判が良く是非次も依頼したいとのことだった。

 セリアと出会ったりと予期せぬこともあったが、それらがいい方向に働いたのだろう。


「あ、もうこんな時間……」


「大分話し込んでいたからな」


 というわけで予定通り準備を進めていたのだが、既に辺りは暗くなっていた。

 社員も何名か帰宅しており、騒がしかった室内が少しだけ静かになる。


 会議もだし、兄貴の乱入もあって色々と時間を食ってしまった。 

 

 俺達もそろそろ帰ろうと荷物の準備をしていた所、セリアが俺の袖をぐいっと引っ張った。

 

「……家、行ってみたい」


「え?」


 頬を赤く染め、顔を逸らしながら呟いた思い。

 何となくだが、今のセリアの気持ちが俺には分かる。


「にぃにがどんな暮らしをしてるのか、気になるの……べ、べつに恋しくなったとか、そういうのじゃないから」


 恐らく、俺との時間がもっと欲しいのだろう。

 会えなかった約十年間。寂しかった気持ちをたった一日だけで補う事は出来ない。


 俺も同じだ。セリアと会えて嬉しかったし、今日はもう少しお話したい。

 彼女の頭にぽんと手を乗せ、彼女の高さに視線を合わせる。


「一緒に行くか」


「っ……うん!!」


 パァっと表情が明るくなり、しっぽをぶんぶん振る。

 本当に分かりやすいな……

 しっぽに視線を向けられたのに気づいたのか、慌てて手で掴んで無理やり押さえつけて隠そうとした。


 先っぽがゆらゆら揺れてますよ。


「パイセン、あーしもいいっすか?」


「え? ああ、構わないけど」


「おお!! 賑やかになるねー!!」


 どうやら朝日も来るらしい。

 セリアの友人だし、今更一人増えたところでそんなに……と、妙な視線を感じていたので振り返ると、リーダーがニマニマした顔をしていた。


「なるほど、こうやって色んな女性を口説いていたのだね」 


「は!? いやいや!!」


 そんなつもりは一切無い!!

 俺はただ要望を受けいれただけ。

 ここから深い関係になりたいとか、そんな邪な感情は一切ない。

 

 ……多分。


「パイセン〜今日は賑やかになりそうっすねぇ♪」


「へ、変なことしたら許さないから!!」


 とか言いつつ、俺の近くにいるのは何故だろうか。

 俺としては非常に幸せな事だが、更に二人増えるとなると……。


 いや、もう深く考えないでおこう。

 色々関係が変わってから決めればいい。  


 という訳で俺達五人は事務所を後にした。

 途中、ファミレスで夕食を済ませ電車に揺られながら自宅に向かう。

 疲れを忘れて楽しんだり、はしゃいだり。


 ゆっくり時間を過ごしていたからか、自宅についた頃には既に夜の八時を迎えていた。


 ちなみにリーダーはドッキリ番組の特番があるからとお泊まり会を自ら辞退した。

 あの人らしいと言えばらしい。   


 ◇◇◇


「ダーリン、風呂湧いたから先入っていいよー」


「お、ありがとう」


 早速脱衣場へ入り衣服を脱ぎ始める。

 家では基本的にお風呂は俺が最初に入ることとなっている。

 女性は手入れなどで時間がかかるから、との事だが結局二人が乱入する事も珍しくないのでこのルールは余り意味を成していない。

 

 そういえば今日は珍しく男がいるんだよな……可愛すぎて全然同性という認識が無かったけど。

 

 ガラガラ……


「ん?」


 と、脱衣場の扉が開く音がした。

 れなだろうか?

 着替えでも忘れたのかと思い振り返ると、


「にへへ、おじゃましまーす♪」


「あ、朝日!?」

 

 もう一人の男性? が脱衣場に乱入してきた。

 何故ここにいる!? と動揺する俺を気にせず、朝日は自らの衣服を堂々と脱ぎ始める。

 

「ま、待て待て待て!! 色々まずいだろ!?」


「え? あーしとパイセンは一応男同士なんですから、気にしなくていいんすよー?」


「そ、そうか……そうだな……」


 冷静に考えなくても俺と朝日は男同士。


 一緒に着替えてお風呂へ入る事に何の問題もない。

 むしろ、気にしすぎている俺の方がおかしいのではないだろうか。


「っ!? そ、それ……!?」


「んー? 着替えてるところ見るなんて、パイセンもエッチっすねー♡」


 ただ、朝日が付けていたピンク色の女性下着が原因で、どうしても意識せざるを得なかった。 

 ご丁寧にブラジャーまで……一般男性はそんなの付けないはずでは。 


 脱ぎ終わった後は胸元までタオル巻いて余計に女性っぽく見えるし。

 

 俺は朝日を見ないように素早く着替え、腰元にタオルを巻くと急いで浴槽の中に入った。

 色々と落ち着く時間が欲しい。

 

「ふふーん♪」


 浴室へ入ると朝日は早速、身体を洗い始める。

 身体の隅から隅まで泡がつき、丁寧に擦っていく。


「……♪」 


 鼻歌、水音、泡が擦れる音……

 それらが浴室という狭い空間で響き渡る。


 目を閉じるとそれが更に感じ取れてしまう。

 まるでいやらしいお店に来たかのようで……変に意識してしまう為、俺は目を開けるのだが。

  

「あ、パーイセン♡」


 泡に包まれた朝日と目が会った瞬間、笑顔で軽く手を振ってくれた。


「はは……ははは……」


 ごめんなさい。

 朝日のこと、同性だと思えません。

 こんなに女の子らしい子を男だなんて誰が言えるんだよ。

 

 せめて実は女でーすってしてくれた方がまだ気が楽だったかもしれない。

 でも身体付きは女性より細身だし、下着姿だった時に下が少し膨らんでいたんだよなぁ……


 どうしたものかと浴槽の縁に頭を突っ伏すてると、風呂場の扉がガラガラと音を立てた。


 もう風呂から出るのか? と顔を上げたのだが、そこには朝日より女性らしい身体つきと背中から二枚の羽を生やした人影が。


「パパ、来たよ」


「ま、真白!?」


 何で真白までここに!?

 一応タオルは胸元まで巻いているが、女性らしい肉体のほとんどがむき出しになっている。


 これは更にカオスな事になりそうだなぁ……。

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