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第39話 ご奉仕されました

『――――で、探索者殺しと呼ばれる殺人グループの一つが残らず壊滅したとの事ですが……』


「まーだやってんのか……飽きないなあ」


 昼間のニュースなんて、同じような物ばかり。

 いい加減ほっこりする話題の一つくらいよこせ、と思いつつテレビの電源を消した。


 あれからもう一週間だ。


「一段落……付いたよな」


 警察からの事情聴取。

 マスコミの報道。

 ダンジョン協会に出向いたりとその他諸々。

 

 完治した途端にこれだ。

 大変だったなぁ……


「ま、こうして普通に暮らせるだけ幸せだよ」


 結局、俺に対する処罰は軽かった。

 殺人を犯したとはいえ、ダンジョン内かつ探索者殺しという問題視されていた組織を相手にした為、不問に。

 隠しカメラに映像を残して正解だった……


 が、ダンジョン外で”神速”を使った件についは、見過ごされなかった。


 ダンジョン外での魔法使用は処罰対象。

 状況が状況だった為、罪は軽くなったものの、ダンジョン協会から一週間の謹慎を言い渡されてしまった。


 で、こうして自宅でダラダラ過ごしてるワケ。


 配信に関しても、あの戦いの後という事でオトプロ全体で自粛する事になったし、マジでやる事がねぇ。

 

「……ふぅ」


 手を眺める。

 俺はこの手に剣を持ち人を殺した。

 

 未だに罪悪感はある。

 トラウマで発狂、まではいかないが、時々心が重くなり考え込んでしまうのだ。


 だから身体を動かして忘れたいのに、

 謹慎と自粛が許さない。


 時間が解決してくれるといいんだけどなぁ……


 ピロン


「ん?」


 一通のメッセージ。

 送ったのは……れな?

 

 ちょっと前に真白と二人で買い物に出かけたよな……?


『やっほー!! そろそろ帰るから連絡してみた!! 後でイイ事してあげるから楽しみにしててね♡』


「いい事……?」


 いい事とは一体。

 不審な一文を見て、頭にハテナを浮かべる。 


 料理とか? マッサージとか? 

 もしやエッチなこと……?


 いやいや、

 そんな欲望まみれの願いが叶うわけ……

 

 れなだからあり得るわ。


「色んな意味でドキドキしてきた……」


 落ち着きを失うこと約十分。

 遂に張本人が帰宅してきた。


「ダーリンただいまー!! ねぇ見てみてー!!」


「パパ……ただいま」


「は……」


 元気そうにドアを開ける二人。

 その姿は外出時と大きく違っていた。


 なんで学生服を着てるんだ……!?


「えへへ♪ ド○キで買って来たんだ~」


「パパに喜んで貰いたくて、着てみた」


 フリフリとスカートを揺らしながら近づく二人。

 

 れなは紺色のブレザーを。

 真白は黒いセーラー服を。


 可愛い彼女が二種類の制服姿を着てくれた。

 そんなありがたすぎる状況に俺は……


「めっちゃ嬉しい……ぐすっ」


「泣くほど!?」


「だって可愛い彼女が好み全振りの服着てくれるんだよ? 幸せすぎるだろ……」


「ん、よしよし」


 感極まってうつむく俺を優しく撫でる真白。


 俺だって若い男子の一人。

 コスプレとか、そういうのに惹かれてしまうのも普通だと思う。

 

「どうして急に制服を……?」 


「だってダーリン、最近よく落ち込んでるじゃん?」


「いや……それは」


「パパ、よく自分の手を見てる。その時のパパは、なんだか悲しそうな目をしてた」


「……二人には分かるか」


 一緒に住んでるもんな。

 あまり考え事は二人の前ではしないようにしてたけど……

 意外とバレてしまうみたいだ。


「番崎とか、探索者殺しをこの手で殺してさ……不安なんだ」


「ダーリン……」


「許せない奴らだけど、やってることはあいつらと同じ。もしかしたら、俺も同類なんじゃないかって……」


 手を眺めながら、自らの心境を口に出す。


 いつか殺しを快楽として戦うんじゃないか?

 れなや真白を守る為に犯した事が、実は建前なんじゃないか?

 

 思いを語れば語るほど、俺の手は震えていた。


「そんなことない」

 

 その手を、真白は優しく握りしめる。


「パパの手は人殺しの手じゃない。大事な人を守るための、優しい手」


「真白……」


「ダーリンはあんなクズ達とは違う。誰かを苦しめる為じゃなくて、誰かを助ける為に戦ってくれる。すっごく素敵な事だよ」


「れな……」


 震えていた手が少しづつ収まっていく。

 俺をこんなにも肯定してくれるんだな……


 本当、恵まれすぎだよ。


「ありがとう」 


「んーん!! アタシ達は出来ることをしてるだけ!!」


「パパが喜んでくれるなら、それでいい」


 笑顔で返す二人を俺は優しく抱きしめた。

 

「で、どう? アタシの制服姿? 結構セクシーじゃない?」


「セクシーっていうか……チラチラ見えてるというか」


「くふふ、スカートをギリギリまで巻いてみたんだー♡ 立ってるだけでお尻が見えちゃうよ♡」 


 改めて制服姿を見る。


 れなのブレザーはかなり大胆に露出していた。


 胸元のシャツは当然オープンにしており、豊満な上乳が丸見え。

 スカートに至っては物凄く短く、少し動いただけでピンク色の下着がチラッと見えてしまう。


 ハッキリ言おう。

 エロすぎる。


「パパ……真白はどう?」


「真白はれなと違って綺麗に着こなしてるな……けど、足が……」


「ん……姉さんほど露出するのは恥ずかしいけど、ガーターくらいなら♡」 


 真白のセーラー服姿は一見すると清楚だ。

 れなほど露出は目立たないし、せいぜいスカートが膝より半分の短さであるくらい。


 が、その綺麗な足に履かれたニーソはレースのガーターベルトで固定されており、妙なエロさを引き立たせていた。


「あれ? ダーリン足好き?」


「足というか……下半身が好き」


「っ……嬉しい……恥ずかしいけど、パパが喜んでくれた♡」


 胸もいいけど、やっぱ下半身なんだよなぁ。


 丸っとしたお尻。

 膨らんだ太もも。

 やや細くも肉のついたふくらはぎ。   


 そして多種多様な下着……


 ヤバい、二人を前にして変態度が増している。


「ダーリン……見て♡」


「っ!? れ、れれれれれな!?」


 と、急にれなは自らのスカートを持ち上げ、見せつけるようにピンクの下着を顕にする。


「アタシ達ね、今日はダーリンにイイ思いをいっぱいして欲しいの……♡」 


「そ、そんな事言われても……」


「パパ……♡」


「ま、真白まで!?」


 今度は真白が俺の手を掴み、自らの太ももで挟み込んだ。

 なんてどストライクなプレイ!! 


「真白もパパにいい思いして欲しい……欲望もたくさん解放して欲しい」


 まずい……まずいまずいまずい。

 俺の理性が壊れる!!


 二人の彼女が制服を着てエッチなお誘いをしている。 

 そんな状況に俺の本能は限界を迎えていた。


「ダーリン……」 


「パパ……」


「な、なんですか?」


 上擦った声で返事をする。

 そんな情けない俺の姿を見て、二人は不敵に微笑みながら、身体を押し付けてくる。


「アタシを」


「真白を」









「「好きにして……♡」」


 ここから先は、物凄く刺激的で幸せな体験だったと言っておこう。



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