初めての恋(魔王様)
魔王視点書いてみました。イメージ崩れたらすみません。
ある日の夜。部下が慌てて城を訪れた。
「魔王様!大変です。複数のダンジョンが次々と何者かに破壊され魔の森の魔素が奪われております!!今も破壊が続いていてお手上げです!」
「なっ。なんだと!!一体何が起こっているのだ!!」
「鮮やかな魔法攻撃を受けておりますので、人間が怪しいかと・・」
「何!?人間にそんな力がついてきておるのか?・・・・信じられぬ!オレが直々に調べに行くぞ!」
こうして、オレは人間の住む町を調べるため城を後にした。だが、さっぱり分からなかった。人間に怪しさはなかった。そんな時、視線を感じた。
ふと見ると人間の女がこちらを見ていた。オレを認識しているだと!?オレは人間に認識されないよう魔法を使っていた。レベルが高いため気づかれるはずがないのだ!怪しさにさっとその女に近づいた。
ドキッ。
その女を見ると心臓が鷲掴みにされたように痛くなった。
人間には珍しいオレと同じ漆黒のさらりとした髪。バサリと長い睫毛の二重でぱっちりした目。キラキラした黒い瞳。鼻は低めですっきりしていて、唇はピンクで小さくて艶々していた。身体も小さくて可愛らしく色白。
う・・美しい。まさに我が理想の女神がそこにいた。
あまりの緊張に、顔が強張ってしまい・・
『貴様、何者だ。オレの正体に気づいているな』
あああぁぁぁーーーーーー言い方間違えた!圧かけすぎた!!
そして、女神は腕の中に倒れてきた。
「あぁなんと美しい人よ。よし!連れて帰ろう!嫁にしよう!!」
壊れ物を扱うように、優しく横抱きにし城へと向かうのだった。ダンジョンの件は、嫁の後だ!!あぁ。ずっと嗅いでいたい良い匂いだ・・。すりすりすり・・・・。頬擦りが止まらない。
部屋へ連れ帰り、自分のベッドに寝かせる。そして、部屋に強力な結界を張って閉じ込めた。
「フフッ。これで貴女はオレのもの。逃がさないよ」
見た目クールな魔王様は、ヤンデレ気味だった。そのあともクールに振る舞う魔王様。頭の中は、比奈をどう囲ってしまおうかということしか考えていなかったり。
結局、その結界はあっさり破られてしまった・・
距離を詰めたくてお茶へと誘った。
オレの比奈がクッキーを可愛く食べている。ポロッと落とした・・誤魔化してる・・ぁぁ・・くそっ!なんて可愛いんだ!!!!近づきたい!触れたい!!あぁーー!!!声まで可愛い!
もう、魔王様の頭の中は煩悩で埋め尽くされていた。
その後、会話の流れからダンジョン破壊がまさかの女神がやったことだと分かった。こんなに美しく可愛いオレの比奈がどうやって破壊したのか・・?
比奈から謝罪された時は、涙目の比奈に心臓を撃ち抜かれ、ただならぬオーラを漏らしてしまい怖がらせてしまった。
「エド・・ありがとう。魔王様のなのに優しいんだね」なんて、最高の笑顔で言われたら、付け入りたくなるのは仕方ない!!
これ幸いとデートを約束させることに成功した。
どうやら比奈の来た世界には、クリスマスというのがあるらしい。
こっ恋人が一緒に過ごす日だとーーーー!!!それがデートを約束した日だった。
あーーーーー。もう絶対城から帰してやらない!!!!
なのに、比奈が
「生まれて初めてのデートだから時間と集合場所決めて待ち合わせしてみたいなー」などと言うから!!!!
「生まれて初めては大事だからな!」などと言ってしまった!!!そう思ったのだ!あの時は!!
比奈。比奈。比奈。さっき分かれたばかりなのに、もう会いたい。顔がみたい。見つめていたい。ずっーーーと一緒にいたい。
「こんなに愛おしいと思う人に出会える日がくるとは思わなかった・・」あぁ。早く明日のデートの時間にならないか・・。
生まれて初めて温かくなる心。これが魔王様の初恋だった。その想いはとてつもなく重かった。