久しぶりの会話
次の日、いつもなら学校に直行するために家を出てすぐ右に曲がるのだが、今日はアイツと話すために左に曲がった。
結局昨日風呂から上がったあと父さんは
「玲ちゃんも東間がいいならいいって言ってたから、このまま外で待っている琴里さんと婚姻届出しに行ってくる」
そう言ってそのまま行ってしまった。
そのため正式に結婚が決まったため同居する前に一旦アイツと話をしておきたいことがあった。
そんなことで2、3分くらい待ったところで玲が家から出てきた。
同じ中学の制服に黒髪ショートで眠そうにまぶたを擦りながら出てきたのが俺の幼なじみの山永玲だ。
身長は東間と同じ160と女子にしては少し大きい方なため視線は同じくらいになる。
東間が待っていたことに驚いたのか一瞬固まって声をかけてきた。
「お母さんたちのこと?」
東間が聞きたいことに察しは着いていたのかそう言って歩き出した。
歩きながら話そうということなのだろう。
玲の後ろについて行きながら話に移る。
「いやまぁ一応お礼のつもりっていうか。」
「お礼?なんで?」
「いや、お前が受け入れてくれなきゃ父さんたち結婚しなかったわけだろ。
父さんいつも1人で寂しそうだったから」
「それに関してはお互い様。
お母さんも寂しそうだったから。」
「そっか.........なら良かったよ。」
風花が無表情だったが東間は特に気にせず話す。
風花が常に無表情なことは幼なじみである東間がよくわかっていた。
「じゃあとりあえず今日家に行くってお前のお母さんに伝えといてくれ。」
「.........え?」
「いや、今日の朝父さんから、お互い知っているとはいえこれから一緒に暮らすことになるんだから顔を合わせるために家に行くって言っておいてくれ、って言われたんだ。」
「.........ん?一緒に暮らす?」
「? 今更何言ってんだ?
父さんたちが結婚するんだから一緒に住むのは当たり前だろ?」
そうこうしているうちにいつの間にか学校に着いた。校門のところで各学年のクラス分けの紙が配られていた。
それを確認すると東間と玲が同じクラスなのが分かったその他知っている名前がちらほら見つかった。
「え?ちょっと東間まっ――」
「おっ 東間ー」
何かを言いかけた玲の声を遮って来たのは小学校から友達の柳大智だ。
「俺何組だったー?」
「3組で俺と同じだよ。」
「おっ、まじかラッキー。
知ってるヤツいて助かったわー」
「あ、東間――」
「じゃあ行くかー」
そう言って東間は歩き出したが、ふと玲の方に振り返ると
「そういえば、お前も一緒のクラスだからよろしくなー」
と言って大智と一緒に教室へ向かって行った。
その場には呆気に取られた玲だけが取り残された。
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