主要登場人物リスト
◆神化種:天馬と仲間たち
神化種はこの世界の様々な旧神達の種子をその身に受け、その神の加護を得た新人類の戦士。その神にまつわる様々な能力を使いこなせるようになる。自身の神力の媒介となる固有武器『神器』と、神力を具現化して鎧として纏う『神衣』を持つ。
■小笠原天馬 【守護神:不動明王】 【神器:瀑布割り】
日本人。長野県松本市出身。
【暁国寺】という寺を実家に持ち、幼い頃から父親に厳しい武術や剣術の訓練を課せられて育つ。だが当人は修行を厭うており普通の学生生活に憧れている。幼馴染に神代茉莉香がおり、最近急激に美しくなった茉莉香を意識せざるを得なくなって困っている。
茉莉香を狙った邪神勢力の学校襲撃事件に巻き込まれ、戦いの中で茉莉香を守りたいという想いから眠っていたディヤウスの能力に覚醒する。
名刀『瀑布割り』と卓越した剣術によってディヤウスとしては最強レベルの力を発揮するようになる。元から気性が荒く、また茉莉香を守れなかったという自責の念から敵には一切の容赦をしない苛烈な性格となり、その激しさと苛烈さは時に仲間たちからも畏怖される程。
□アリシア・M・ベイツ 【守護神:ガブリエル】 【神器:デュランダル】
アメリカ人。テキサス州ラボック出身。
露出度の高いカウガールルックの金髪美女。その外見からは想像が付かないが米国聖公会のシスターであり、れっきとした聖職者。元からディヤウスに覚醒しており、聖公会のジューダス主教の命令により仲間を探すために日本へと渡ってきた。そこで天馬と茉莉香と出会い、茉莉香を仲間へと誘う。
学校襲撃事件で窮地に陥る天馬たちを救い、ディヤウスや邪神の勢力についてなどの事情を彼等に説明する。茉莉香を攫われ復讐と奪還を誓う天馬を世界の旅へと誘い、その後も古株のディヤウスとして様々な助言で天馬をサポートする。
ディヤウスとしては見た目通り、愛銃『デュランダル』を用いた神聖弾の早撃ちを得意とする遠距離攻撃特化スタイル。
□苏小鈴 【守護神:祝融】 【神器:朱雀翼】
中国人。四川省成都市出身。
成都の武侯区に住む大学生。幼い頃に映画館の火事に巻き込まれ家族全員を失うが、自身は傷一つなく無事だった。それからは叔父である苏文生に引き取られて育つ。卓越した武術の腕前を持ち、僅かだが『気』を操る能力も持っている。そのために悪友である王吴珊の用心棒役をさせられる事が多い。
ある日その吴珊が行方不明になり、その行方を追っている途中で仲間探しにやってきた天馬たちと邂逅し、共に人身売買組織とその裏にいる邪神勢力と戦いを繰り広げていく。組織の首領【鑿歯】との戦いの中でディヤウスに覚醒し、愛用の梢子棍『朱雀翼』と炎の力をミックスした炎闘武術を駆使する心強い仲間となった。
天馬に対して人種や民族を越えた恋情を抱いている。
□シャクティ・プラサード 【守護神:パールヴァティ】 【神器:ソーマ、ダラ】
インド人。テランガーナ州ハイデラバード出身。
ハイデラバードの大富豪ザキールの娘。大学生。幼い頃から父親が上位カーストと姻戚関係となる為の道具として育てられた。自分の一生が最初から父に定められたレールの上でしかない事に絶望し、映画など空想の世界に現実逃避するようになる。
ある時テロリスト達に誘拐され、そこで仲間探しにインドまでやってきた天馬と邂逅。天馬から自身がディヤウスであった事を知らされると、現実逃避の空想が本当になったと狂喜し、あっさりとディヤウスに覚醒する。しかし能力は覚醒しても心構えはまだ甘さが残っていた彼女だが、アディティとの決別やナラシンハとの死闘を経てディヤウスとしての自覚も身に着けていった。
ディヤウスとしては二振りのチャクラム『ソーマ』と『ダラ』を自在に操り、遠近オールレンジでの戦闘をこなせる万能戦士である。世界旅行に憧れていたため、世界を巡る旅をある意味で一番楽しんでいる。
□ラシーダ・アル=ジュンディー 【守護神:セルケト】 【神器:セルケトの尾】
エジプト人。カイロ県カイロ出身。
幼い頃から自然界の安価な素材だけを組み合わせて、様々な種類の毒薬を作る才能があった。元は家族とともにカイロに住んでいたが、彼女の『才能』を自らの金儲けに利用してそれが露見すると彼女を拘束しようとしてきた家族を毒殺し、それ以降はナイル川を下った先のルクソールへと隠れ住みハーブ店を営んで生計を立てていた。
彼女の才能を狙うテロリストに居場所が露見し追われていた所に、仲間探しにやってきた天馬たちと邂逅。テロリストとそれを裏で操る邪神勢力相手の共闘を経て天馬達の仲間になる。
変幻自在の鞭『セルケトの尾』を武器とし様々な猛毒の力を操る遠距離暗殺特化スタイルであり、反面近接戦闘は苦手としている。幼い頃の経験が元で、かなり達観した性格。
□ペラギア・ディアマンディス 【守護神:アテナ】 【神器:ニケ、アイギス】
ギリシャ人。アッティカ州アテネ出身。
元はオリンピック金メダルを嘱望された女性アスリートだったが、練習中の怪我で引退を余儀なくされる。その後は独自にディヤウスへと覚醒し、アテネを蝕む邪神勢力『破滅の風』との戦いを長らく続けてきた。
男性のディヤウスは必ず『堕落』すると解っていたので天馬を認めず、一時は彼と敵対に近い状態となるが、その後仲間たちの説得により和解。天馬が堕落した時は自分が必ず殺すという条件で仲間となった。
古代ギリシャ戦士のような意匠の神衣を纏い、神剣『ニケ』と神盾『アイギス』という二つの神器を使いこなし、強力な雷の力を操る近接戦闘特化型の戦士。アリシアと並ぶ古参のディヤウスであり、チームの先導役としても貢献する。
□ミネルヴァ・カーリクス 【守護神:ヴァルキュリア】 【神器:ブリュンヒルド】
スウェーデン人。ヴェステルボッテン県ウーメオー出身。
透き通るような白い肌と美しい銀髪の持ち主。幼少から何事にも興味の薄い無感動な性格をしており、両親にも気味悪がられ遠方のゴットランド島の大学へ進学させられる。そこでも無感動な日々を送っていたある日、友人や大学の生徒、それだけでなく島中の人々が何者かに操られるという異常現象が発生。ミネルヴァも捕まりそうになるが、そこに仲間探しにやってきた天馬達に助けられる。
その後は天馬達と共に島を覆う陰謀と魔力の原因を解明していく中で、自らの意思でディヤウスへと覚醒し天馬達の仲間になる。それは彼女が初めて強い自己意志を表した瞬間であった。
神槍『ブリュンヒルド』を武器として冷気や氷を操る力を行使する、近接戦闘タイプのディヤウス。天馬の事を1人の戦士として尊敬している。
□タビサ・ムウェネジ 【守護神:ノムクルワネ】 【神器:なし】
南アフリカ人。リンポポ州ファラボルワ出身。
非常に勝ち気なアフリカ人の少女。クルーガー国立公園でレンジャーとして働く父を尊敬していたが、その父が中国企業から賄賂を受け取って環境破壊を黙認するようになってから親子関係は冷え込む。街で唯一人中国企業の反対活動していた伯母のズヴァナを慕っている。
その伯母が中国企業に誘拐された事で伯母の行方を探している時に、仲間探しにやってきた小鈴達と邂逅する。伯母を助ける過程で中国人や邪神勢力との戦いで小鈴達と共闘し、ディヤウスの力に目覚める。そして無事に伯母を救出した後は小鈴達に同行して仲間となる。
大地母神ノムクルワネの力で大地そのものを武器や鎧代わりにする能力を持ち、オールレンジに対応できる万能戦士。他のディヤウスと異なり固有の神器や神衣を持たない特殊なディヤウスとなっている。
□六条樹里 【守護神:アメノウズメ】 【神器:なし】
日本人。栃木県宇都宮市出身。
東京で邪神勢力の元に奴隷として囚われていたディヤウスの女性。元は商社に勤めるOLだったらしい。回復に特化した能力を持ち、その力は例え致命傷であっても即死してさえいなければ一瞬で対象を治癒してしまう程。しかし反面自身の戦闘能力はほぼ皆無で、それが故に無力に囚われの身となっていた。
小鈴とアリシアが自身を囚えていた我妻との戦いで劣勢となった際に、それまでの軛を断ち切って小鈴達に加勢し勝利に導いた。そのまま彼女たちに保護されて邪神勢力との戦いに加わった。回復特化で戦闘能力がないためか固有の神器を持たない。
□ハリエット・ラザフォード 【守護神:モリガン】 【神器:ヴァハ、バズヴ】
イギリス人。アントリム県ベルファスト出身。
独特の口調で喋る赤毛の女騎士のような姿のディヤウス。アリシアやペラギアと同じく独自に覚醒して長く独りで戦っていた古参のディヤウスであり、偶々所用で訪れていた東京の地で只ならぬ濃い魔力の気配を感知して、そのまま日本に残って調査を続けていた。
そこでウォーデン上杉相手に苦戦するペラギアを発見し、彼女に加勢する形で共闘し上杉を倒す事に成功する。彼女から東京で起きている事態の説明を聞いて、そのままチームの一員として仲間入りする事となった。
露出度の高い騎士甲冑のような神衣を纏い、二振りの斧槍『ヴァハ』と『バズヴ』を操って戦う前衛特化型の戦士である。
□ドロテア・ガルベス 【守護神:ミクトランシワトル】 【神器:死者の杖】
メキシコ人。モレロス州クエルナバカ出身。
ハリエット達と同じく天馬チームと関わらず独自に覚醒したディヤウスだが、覚醒時期は天馬達と大差ないらしい。ウォーデンに堕落した兄エミリオを止めようと戦ったが力及ばず敗れ、命からがら逃げ延びた。その傷が癒えた後、エミリオを追って東京にやってくる。
そこでエミリオに追い詰められていたミネルヴァとタビサに出会い、彼女らに協力する形でエミリオを倒す事に成功する。兄は倒したが邪神勢力との戦いは終わっていない事を確信し、協力の礼もあってそのままチームの一員として仲間に加わった。
見るからに禍々しい形状をした『死者の杖』を神器とし骸骨や怨霊を召喚したりと、邪神の一味であっても違和感ないような技を操るが、れっきとしたディヤウスである。
◆邪神勢力(侵化種、進化種)
進化種はこの世界に無数に漂う邪神の種子を取り込んだ人間が変異した怪物達の総称。どの邪神の種子を取り込んだかで見た目や能力に違いがあるが、地球と人類に仇なす邪悪な存在である事は共通している。なお進化種に変異するのは男性のみで、女性は進化種になる事がない。
侵化種は神化種が邪神の種子を取り込んでより強力に、そして邪悪に変異した存在。この変異を『堕落』と呼び、やはり男性の神化種のみが対象となる。女性の神化種は邪神の魔力との親和性がなく『堕落』する事はない。
邪神の種子の影響でそれまでの価値観は一瞬で塗り替えられ、この世界を破壊し邪神を復活させる事を至上の命題とする眷属となる。『戦闘形態』と呼ばれる更に強力な状態に変身する能力を持っている。
■『黒獣』の鑿歯 【守護神:鑿歯】 【支配者:チャウグナル・ファウグン】
中国人。四川省成都市出身。四川省の黒社会を牛耳る犯罪組織の首領で、成都を中心に人身売買にも手を染めている。本名は苏文生で、小鈴を引き取った叔父である。実は兄(小鈴の父)である苏武生を殺害した張本人でもある。
中国武術に魔力を乗せた暗黒武闘を得意とする。ウォーデンの戦闘形態は巨大な狼男のような姿になり、特殊な能力は追加されないものの単純に戦闘能力が倍増する。
□中国のプログレス
チャウグナル・ファウグンの種子を取り込んで変異した男達の成れ果て。犬やネズミ、猿などの動物じみた顔に体毛が生え、鉤爪なども備わった獣人のような姿に変じるのが特徴。身体能力が格段に向上し、魔力を波動にして飛ばす能力を持つ。また僵尸を操る能力を持つ者もいる。
■『沛艾』のナラシンハ 【守護神:メーガナーダ】 【支配者:ウボ=サスラ】
インド人。テランガーナ州ハイデラバード出身。テランガーナ州首相の息子だが、本人はその地位に何の意義も魅力も感じていない。ディヤウスの魂を取り込んで自らの魔力を強化する禁断の呪法を用い、神にも等しい存在へ進化しようと目論んでいた。
神器クリスナーガを用いた増殖する追尾矢、敵を欺く完全幻覚を作る能力、そして天馬の連撃を受け切る程の白兵戦能力と、ウォーデンとしてのポテンシャルは非常に高い。ウォーデンの戦闘形態は下半身が巨大な蜘蛛と化したおぞましい姿で、上半身と下半身が別々に行動する事が可能。
□インドのプログレス
ウボ=サスラの種子を取り込んで変異した男達の成れ果て。腕が何本も生えた多腕の形状になったり、腕や脚が伸びたり肥大したりと、四肢が異常形態になる者が多い。特に多腕形態の者は強敵で、慣れない者はその手数の多さだけで圧倒されてしまう。
■『貪婪』のマフムード 【守護神:アヌビス】 【支配者:クトゥグア】
エジプト人。ギーザ県ギーザ出身。エジプトの国会議員で野党『自由公正党』の党首。国粋主義者であり、観光収入に依存して外国人優遇政策を取る現政権に不満を募らせている。ラシーダの才能を利用して幾多の政敵を葬ってきた。彼女がルクソールに隠れ住んでいる事を突き止め、その身柄を押さえる為にルクソールに出向く。
空間を操る能力に長け、亜空間に対象を閉じ込めたり、空間同士を連結する『穴』を作り出す能力が脅威。ウォーデンとしての戦闘形態は恐竜サイズの巨大ワニで恐ろしいまでの耐久力を誇り、空間を歪めて爆発させる『玉』を大量に噴射する。
□エジプトのプログレス
クトゥグアの種子を取り込んで変異した男達の成れの果て。蛇や蜥蜴、亀などの爬虫類と人間が融合したような姿が特徴。様々な毒を分泌する能力を持つ者も多い。見た目に反して亀の個体はかなりの強敵。
■『完全』なるコットス 【守護神:コットス】 【支配者:ハストゥール】
ギリシャ人。『破滅の風』というプログレスのみで構成された邪教カルト集団を率いており、本名、出身地は不明。ヘカトンケイル3兄弟の長兄で、実行部隊である弟達を倒された事で天馬達の前に姿を現した。天馬をウォーデンへと誘おうとした。
強力な念動力を操り、その力は瓦礫や岩で『竜巻』を起こせる程。戦闘形態は身体に複数の目が付いた巨人の姿で戦闘能力や念動力が倍加する他、身体中の目から麻痺など様々な効果を付与した光線を照射する能力も脅威。
■『非情』なるブリアレオス 【守護神:ブリアレオス】 【支配者:ハストゥール】
ギリシャ人。『破滅の風』の幹部で本名、出身ともに不明。ヘカトンケイル3兄弟の次男で、勝利のためならどんな卑怯な手も厭わず喜んで実行する残虐性と嗜虐性を持つ。戦闘形態は異常に長く鞭のように撓る腕を持った歪な巨人の姿となる。ディヤウスですら見きれない程の高速で振るわれるその鞭の腕で獲物をいたぶる事が悦び。
■『屈強』なるギュゲース 【守護神:ギュゲース】 【支配者:ハストゥール】
ギリシャ人。『破滅の風』の幹部で本名、出身ともに不明。ヘカトンケイル3兄弟の末弟だが、兄達とは違って正面から相手を叩き潰す事を好み、卑怯な手段は使おうとしない。人間状態でも筋骨隆々の巨漢だが、戦闘形態となると更に巨大化し、4本の腕を持つ恐ろしい巨人の姿になる。天馬の攻撃すら弾く耐久力と、その腕から放たれる強力な魔力弾が脅威。
□ギリシャのプログレス
ハストゥールの種子を取り込んで変異した男達の成れの果て。皮膜翼の生えた悪魔のような見た目の怪物となる。『破滅の風』の一般構成員。剣を作り出しての近接戦闘や、火球や電撃を飛ばす遠距離攻撃とバランスが良く、個々の戦闘能力はそこまで高くないものの連携能力に長け、集団戦になると厄介な性質がある。
■『暗晦』のエーギル 【守護神:エーギル】 【支配者:イタカ】
スウェーデン人。ストックホルム県ストックホルム出身。守護神と名前が同じだが本名らしい。スウェーデン陸軍所属の軍人で階級は中尉。フォーレ島前哨基地の責任者を務めていた。ヴィスヴューの市壁を境界として中に入った人間を洗脳して傀儡へと作り変える大規模結界を張り巡らせる。それで多くの人間を洗脳するためにゴットランドの市長に配下のプログレスを据えて、観光業を重視する政策を取らせていた。
水を操る能力を得意とし、武器のように操ったり防壁として使ったり、また自分と同じ能力を持つ分身を作り出す力が脅威。戦闘形態は何本もの触手が生えた巨大な頭足類の怪物のような姿になる。全身を自身の能力による水の膜で覆っていて、見た目以上に防御力が高い。
□スウェーデンのプログレス
イタカの種子を取り込んで変異した男達の成れの果て。全身に白い剛毛の生えたビッグフットのような姿になる。特殊な能力はなく肉弾戦オンリーだが、その分耐久力と防御力に優れる。また市長や大学学長、警察署長など一部の要人は通常のプログレスより強化された個体となっていた。
■『大姦』のジャブラニ 【守護神:ウングンギ】 【支配者:ツァトゥグア】
アフリカ人。ハウテン州ヨハネスブルグ出身。南アフリカの与党、アフリカ民族会議所属の国会議員。中国企業と既得権益で結びついており、自然保護区であるクルーガー国立公園に中国企業の鉱山を誘致した。自己の利益のために中国人達の横暴を放任している。
大地や鉱物を操る力を有しており、特に対集団に相性が良い能力が多い。戦闘形態は恐ろしく巨大なミミズという醜い姿で、大地に干渉する能力が更に上がり、『侵土巨神』という岩の巨人を作り出す能力が脅威。
□アフリカのプログレス
ツァトゥグアの種子を取り込んで変異した男達の成れの果て。下半身が様々な四足獣と合体したケンタウルスのような姿。元になっている獣の形態に依存した戦い方になる。中国のプログレスのように魔力の波動を撃ったり、またゾンビを操る能力を持つ者もいる。
■『王』朝香啓次郎 【守護神:大日如来】 【支配者:クトゥルフ】
日本人。東京都千代田区出身。ウォーデンの『王』を名乗り、多数のウォーデンやプログレスを従えて東京に一大勢力を築いている。邪神クトゥルフの復活を目論んでおり、その力を用いて今の日本の政権や社会を転覆させ、自らを天皇とした全く新しい『大日本帝国』を打ち立てる事を目的としている。旧宮家で皇族の血を引いている事もこの大それた野心を後押しした要因と思われる。
クトゥルフ復活の鍵として茉莉香の神力を強制的に覚醒させようとしており、その為に天馬達の学校襲撃事件を引き起こした張本人。
自らに従うウォーデンのクローンを作り出せる『天尊流生』、自らが受けた侵害を任意の他者に移し替える『人帰流転』、あらゆる傷や欠損を一瞬で治癒する『地命流動』という3段構えのチート級能力を保持し、『王』の名に相応しい無敵ぶりを誇る。
■『渇仰』のベネディクト 【守護神:メタトロン】 【支配者:ヨグ=ソートス】
アメリカ人。マサチューセッツ州ボストン出身。元は米国聖公会に所属する聖職者であったが、ウォーデンに堕落した事で脱退。その後は行方が知れなかったが、東京で啓次郎の配下になっていた事が判明する。啓次郎の命令で古巣であるDCの聖公会主教座に襲撃を掛ける。アリシアと面識がある。
非常に広範囲に伸びる光の剣を振り回しての超範囲攻撃が得意。戦闘形態は金属の翼と天使の輪を備えた銀色の巨大な球体といった奇怪な姿で、光の剣を無数に生やしての隙のない全方位攻撃が脅威的。また元が天使である故かディヤウスの神力を用いた攻撃を無効化できる特性がある。
■『無道』の我妻 【守護神:タケミカヅチ】 【支配者:クトゥルフ】
日本人。東京都世田谷区出身。啓次郎の命令で学校襲撃事件を直接指揮した下手人。チンピラのような見た目と粗暴な言動で小物じみているが、ウォーデンとしての実力は本物。日本で我が物顔に振る舞う中国人を始めとした外国人を嫌っており、神国日本を復活させるという啓次郎の目的に心底から共感して配下となった。『六代目川口組竜王会』という暴力団の現組長。構成員も殆どがプログレスとなっている。
雷神の力を用いた雷を操る技の数々でディヤウス達を苦しめた。戦闘形態は帯電した巨大な青い虎の姿で、より強力な雷を操るようになり近づいただけで強烈な電圧に曝される。
■『怯懦』の上杉 【守護神:孔雀明王】 【支配者:クトゥルフ】
日本人。東京都板橋区出身。板橋区の高校に通う高校生。某有名ラブコメ漫画の主人公と同姓同名であった為にクラスで虐めの対象となっていた。だがウォーデンになった事でクラスメイト達に復讐を果たし、啓次郎の配下となった後は学校そのものを惨劇の舞台と変えてディヤウス達を迎え撃った。
『雀蓮華』というディヤウスの神力を吸い取って己の魔力に変える神器を使った攻撃が脅威。戦闘形態は守護神の名の通り巨大な孔雀じみた姿となり、空中から大量の『雀蓮華』を繰り出したり魔力の爆弾を広範囲に放つ攻撃などを行ってくる。
■『嬋媛』のジルベール 【守護神:ケルヌンノス】 【支配者:ハストゥール】
フランス人。グラン・テスト州ランス出身。陰気な雰囲気を漂わせた痩身の美青年。高い所に登ってヴァイオリンを弾くのが好きという変わった趣味を持つ。元は音楽家を目指していたが、夢破れて売れないストリートミュージシャンに堕していた過去を持つ。啓次郎に見出されてウォーデンへと覚醒し、彼の配下となった。
刺突剣を用いた変幻自在の鋭い攻めを得意とする正統派剣士。戦闘形態では翼の生えた巨大な牡鹿の姿となり、天空を自在に飛び回りながら角による突進や追尾光線で攻撃してくる。
■『告死』のエミリオ 【守護神:ミクトランテクートリ】 【支配者:シュブ=ニグラス】
メキシコ人。モレロス州クエルナバカ出身。元は現地の警官で、ディヤウスであるドロテアの実の兄。啓次郎に見出されウォーデンへと覚醒するが、遅れて妹のドロテアもディヤウスに覚醒し、兄を止めようとしたドロテアと戦闘になる。力の差でドロテアを退けた後は東京へ渡り啓次郎の配下となっていた。
『死儀礼の衣』という、範囲内に入ったら細胞自体が生命活動を止めてしまうという恐ろしい能力の持ち主。戦闘形態は祭祀風の衣装をまとった人間大の骸骨という小さな物だが、『死儀礼の衣』の範囲は更に広がり、他にも多数の怨霊を操ったりなど見た目とは裏腹の難敵。
■『倨傲』の西園寺 【守護神:タケミナカタ】 【支配者:クトゥルフ】
日本人。東京都八王子市出身。啓次郎のボディガードを自認するウォーデン。体格のいい肉体をスーツ姿に押し込め、格闘家のような雰囲気を醸し出している。実際には元自衛官で、啓次郎に見出されてウォーデンへと覚醒した。守護神の関係もあって我妻を嫌っている。
自身の格闘術に風神の力を加味した闘法を用いる。戦闘形態は腕に刃を備えた巨大な鎌鼬といった姿で、風を操る能力が更に向上し、また見た目通りの素早い動きで敵を翻弄してくる。
■『惨酷』のボリス 【守護神:スヴァローグ】 【支配者:ガダノトーア】
ロシア人。ウラル連邦管区エカテリンブルク出身。元外科医だが大量殺人を犯した罪で『マッド・ドクター』の異名で呼ばれている。当局の司法に逮捕されるが、獄中でウォーデンへと覚醒。その力で脱獄する。その後は啓次郎に見出されてロシアでは指名手配されていた事もあって、あくまで『協力者』という名目で東京に渡る。
火の神スヴァローグの力で溶岩を自在に操る能力が脅威。戦闘形態は溶岩を内包した巨大な人形ゴーレムとでも形容すべき姿で、病院の敷地一帯を覆い尽くす程の大量の溶岩を作り出せる。
■『卑陋』のハキーム 【守護神:ネルガル】 【支配者:クトゥグア】
イラク人。バグダード県バグダード出身。元は敬虔なイスラム教の信者で、牛肉や鶏肉を扱う食肉業者であった。しかし過激派武装組織のテロ対象となり家族を含めて全てを失う。自身も死にかけたがそこでディヤウスへと覚醒した。その後は啓次郎に見出されてウォーデンへと堕落し、彼の配下となって東京へと渡る。
『屍魔の軍団』という力で死したプログレスを自分の手足のように操る。戦闘形態は宙に浮かぶいくつもの顔が浮き出て苦悶の表情を浮かべる肉塊とでも形容すべきおぞましい物で、『屍魔の軍団』の力が更に強まり、それはまさに『数の暴力』そのものとなる。
□日本のプログレス
クトゥルフの種子をその身に取り込んだ男達の成れの果て。魚を始めタコやカニ、イカなど海洋生物と人間が融合したような姿になるのが特徴的。中国のプログレスに近い能力を持ち、汎用性はかなり高い。
◆その他の人物
□神代茉莉香 【守護神:天照大御神】
日本人。長野県松本市出身。【護国天照宮】という神社の娘。高校では生徒会長を務める文武両道の才媛で、天馬の幼馴染。最近急によそよそしくなってきた天馬に不満を募らせている。実は天照大御神の種子を宿すディヤウスであり、その神力を狙った邪神勢力の陰謀で学校襲撃事件が引き起こされる。
天馬とアリシアによって学校からの脱出には成功するものの、実家である神社が我妻に襲撃され、家族を殺されて自身も囚われの身となる。それ以後は天馬と引き離されて『王』である啓次郎の元に軟禁され、ディヤウスへの覚醒を促される日々を送る事になる。
□ジューダス・アクランド
米国聖公会の主教。邪神の脅威をいち早く察知し、アリシアに世界中のディヤウス達を集めて『世界十字軍』を結成するように指示した。未覚醒のディヤウスが住む街を特定できる能力がある。
天馬達の旅を主に金銭面や書類面などで裏からサポートしてきた、いわばスポンサー的な存在。