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スランプです。ゆっくりゆっくり書いてます(´・ω・)
「ごめんなさい、戻りました……って、なんかえらい重たい雰囲気やなぁ」
「起こった出来事を改めて確認すると……」
「どうしたもんかとなってのう……」
目元を真っ赤に腫らして謝った彼女が辺りに漂う空気に思わずぽつりとこぼした言葉を聞いたスヴェンとビーグも続いて言葉を漏らし、溜め息を吐く。
「まぁ今ごちゃごちゃ悩んでも仕方ないし、とりあえず被害とか確認してギルドとか国への報告用にまとめへん?」
「だな。紙とペン持ってくるわ。書斎にあるか?」
「うむ。紙は引き出しに入っておる」
立ち上がったセスは頷き部屋を出たかと思えば数分も経たず必要なものを揃えて戻ってきたため、それらを受け取ったビーグは村から上がっていた報告とともに先ほどの話の内容も加えてペンを走らせる。その間にノンノがおおよその被害総額を計算し、スヴェンとセスが今後しばらくの対応方法を話し合って、それらもまとめて書き加えた報告書が完成した。
「……こんなもんで良いじゃろ。書き残しは無いはずじゃ」
「そうですね、大丈夫だと思います」
「あー……えっと、話変わるけどちょっといい?ウチとしてはこれが本題なんやけど……」
ビーグの妻が淹れたお茶を飲んで一服した辺りでノンノがおずおずと訊ねたので他の面々は問題ないと答え、彼女は書類を纏めて机の隅へ置いた後に木箱を置き蓋を開けた。
「ほほう……立派なガガじゃの。これがどうかしたのかの?」
「これを村長さんに届けて欲しいってのがウチが受けた依頼なんです」
「……?誰からじゃ?」
そこで彼女は一通手紙を懐から取るとビーグへ差し出し、『ミーシャ』という名前を見た彼は優しく微笑み……
「ほんに……親孝行か親不孝かわからんのう……」
そっと手紙を胸元へ抱きしめ涙を流した。
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それから時間が過ぎ、村の広場では大きな焚火を村人たちが囲んでビーグの奥さんが綺麗に捌いたガガや、村人が持ち寄った料理、酒などに舌鼓を打つ光景が広がっている。
ちょっとした宴会となっている中でスヴェンは肉の串焼きを食べ終え、愛用のナイフとランタンだけ携帯し村を出て先の戦闘の跡を確認してから崖上へと登っては自分の倒れていたとされる場所へ歩を進めると先客の姿があった。
「ん?あぁ、スヴェンさんか」
「こんばんは、セスさんにクーメルさん。調査ですか?」
「えぇ。改めて確認したら何かわかるかもってセスがね」
「成程。自分も同じ考えで来ました」
だろうな、と短く返したセスは立ち上がってスヴェンを見やり首を振る。
観察のギフトを使っても同様で、目新しい証拠もなかった。
何か手掛かりになる痕跡でもあれば調査がしやすいものの、そう簡単に尻尾を掴ませてはくれなさそうだと考えたその時……違和感を覚えたのかはクーメルはこう漏らした。
「そういえばあのアンデットの素となる死体は“この辺りの人”だったのかしら?」
……と。