第六話「行方知れず」
翌日の昼を過ぎた頃、聖国エイレーネの東門よりカイル王子と御付のゲラルド将軍と二人の兵士が龍神の試練の為に旅立とうとしていた。竜神の試練というものは王家だけでの極秘の儀式のようなものであり、民からの激励のエールのようなものは特にはなく、東門への路は閑静としていた。
「なぁ、王子が王になる為の試練なんだろ?こうも静かだとな……。」
「極秘の儀式故に民に伝える事は必要ない。知っているのは城の兵士と王家の者だけだ。そう心配してくれるな。要は試練を乗り越えれば晴れて父上が安心してご隠居出来るというものなのだから。」
「そういうもんですかね。」
東門へと到達する四人。外見が分からないように綺麗な生地のフードコートを羽織っているので正面からでも王子や直属の兵士とは思われない。故に通り過ぎる民達からも黄色い声は湧いてこない。東門には高台から外を見張る監視兵と門番二名の計三名が東門の護りに就いている。門番の一人が四人に気付くとゲラルド将軍であろうフードの一人に敬礼し、直ぐ様門を開ける支度に掛かる。門は二人係でないと片方が開かないほど重く出来ており、息を合わせて押し広げている。
「妖精樹林の木で出来た門は相当重いのだな。」
「質量だけでは測れない魔力があの木の板に刻まれているからです。物理的に固く、魔術的には柔な魔法であれば逆に吸収して魔力に変換する特徴を持ってますから。」
「詳しいな、シグ。」
「そこの鳥頭より学を嗜んでおりますので。」
「うっせ。」
「城の学者達も国の為に尽くしているのだから、俺も根本から支えれるように精進しないとな。」
間もなく門が開かれる。どうやら、門の向こうでも行商人の荷車などが待機していたようで荷車を引っ張るモンスターの太い声が響いた。ヘパイトスの鍛冶場方面から来る行商人は主に火山で採掘される鉱石を運び、国内の製銑所へと向かう。そこで製銑された金属はそのまま武器防具にもなり、建築材へと繋がっていく。兵士が行商人を視認すると、手続きの為の紙とサインペンを渡しに行く。その隙に四人は門をくぐり、行商人とは反対の方へと歩き始めた。ふと、荷車の陰に気配を感じたゲラルド。振り向くと、細身の男と水筒を携えた銀髪の女の子がこちらに気付くことなく国の中へと歩いて行った。
「(はて……国内にあのような男女がいたか?)」
「どーしたんすか将軍。さっさと行かないと火山に辿り着く前に日が暮れちまうぞー。」
「あぁ。」
門が閉まっていく中、エイレーネへと入国した男女の後ろ姿が気になるところだが、視線を三人の方へと向き直り、歩み始めた。
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「うわぁ!」
エイレーネの市場。時刻的にはお昼頃で、市場には腹をくすぐる匂いが充満しており人々もそれぞれの食事を楽しんでいる。食事処の他に鋼を叩く音や銃器類を調える為の油の据えた臭いが食事処と外れた所から漂っている。
「すごい人の数ですよ、シド!」
人の群れを興奮を隠せないミアは楽し気に笑顔を通り過ぎる人々に向けていた。対するシドは周りの人々を見るやいなや舌なめずりをしている。まるで捕食者が獲物を狩る前に行うルーティーンのように。
「(あの時食った奴等よりも肥えている奴等も多いなぁ。あぁ、ミアがいないところで試食でも……)」
「ちょっとシド!」
脇腹を突かれた感触にビクッと震えるシド。横のミアが何かに勘付いたのか、シドの目を見つめている。
「(うおっと、まさか食おうと考えてたのがバレたか?ここは取り敢えず)ん、なんだ。」
平静を装って応えるが、ジィと見つめられてはシドの背中にも冷たい粘液の汗が滴りそうだ。と、急ににんまりとほほ笑むと、そのまま手を引いて食事処へと。
「お、おい。どうしたってんだ。」
「決まってますよ。お腹が空いたんでしょ?だったら、お昼にしましょうよ♪」
どうやらミアは食事処から香る匂いに舌なめずりをしたシドはお腹が空いているのだと判断したようで、ある意味ではシドの思考が外れてくれたようで、内心シドは安堵した。
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「標的である銀髪の少女を確認。付き添いの細身の男は恐らく、家にいた者だと思われる。標的が一人になった時に確保するように。同行者の行動にも目を見張っておく。」
「粘液の鑑定結果から、先日の村で起きた件と同様の粘液が合致したとの報告が魔導研究班よりあった。標的の同行者は人の皮を被った凶悪なスライムだと断定した。接近する時はくれぐれも注意するように。」
「了解した。これより追跡を実行する。魔導通信終了。」
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「ん~……美味しいです。このお店のパンは外も中ももちもちしてて面白いですね!」
「ん……そうだな。」
食事街の一角にて、出来立てのパンをそのまま提供しているお店のテラスにミアとシドは腰を下ろし、食事を楽しんでいた。ふと、ミアはシドがお金をどこから拵えたかを聞いたが、シドは教えてくれなかったそう。特殊金属で出来た硬貨をシドは溶かし損ねており、その処理をどこでしようか悩んでいた所であったが、シドにとってここで処理出来るのは僥倖であった。
「どうですか?少しはお腹が膨れました?」
「まぁ、多少なりは、な。んで、食い終わったらどうする。」
「そ~うですね……。シドはどこか行きたい場所などはありますか?」
ミアの表情からして空腹が満たされたので、後はシドが何処かに行きたいのであれば付き添いしていこうという魂胆であるのが見て分かる。付き添うだけでもミアにとっては今の時間が楽しいのだから。どこまでシドが理解しているか分からないが、取り敢えずシドは思考する。目先の目標として、こっぴどく打ちのめされた時に目に焼き付けた黒い鬼と白い着物を羽織った女性を倒す事。実力では相手が上。であれば、此方は少しでも小細工をして相手の隙を突けるような道具が必要だ。鉄を打つ音と機銃の試し打ちの音が響く方を見て次の行き先は決まった。
「そうだな……俺は武器を見に行きたいな。」
「武器ですか……私はそこまで詳しくないですけど、間近で武器が造られるのを見れるのは貴重かもしれませんね!行きましょう!」
ノリ気なミアを見るとシドは意を決して席を立ち、お会計を済ませた。
「お客様お釣りを……。」
「いらね。」
「え、ちょ……。」
足早にお店を抜けると、鍛冶場の方へと足を向けていった。二人の後を追い掛けてくる影もそれに連れて動き始めていった。
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エイレーネを四つの区画に分けるのであれば、シド達がいるのは南東の商業区。北東と北西には国民の居住区。南西には兵士達の訓練施設などが豊富にある。蒸気が空中に滞留し、行き交う人々の頬からは常に汗が伝っているのが見てわかる。むんむんとした道を進むにつれてシドの額にも汗が浮かぶ。
「ちっ、こうも暑くなるものなのかぁ!?暑過ぎんだろ!」
体温低めのスライムの性質上、高温な場所ではあまり長居は厳しそうである。隣を歩くミアは至って平然としている。傍から見てもシドが掻く汗の量は尋常ではないようで通り過ぎていく人達も一瞥している。
「大丈夫シド?どこかで休みます?」
「いや……大丈夫だ。こんなんでへばってられるかってんだよ。それよりもだ……。」
辺りを見回すと、各々の店で鉄鋼から鍛え上げる為に小さな鍛冶場があり、そこから蒸発した水が常に噴き出しているようだ。店の手前に陳列された商品を見ていく。最初に見たのは巨大な剣であった。常人では持ちきれないであろう鉄の塊が仰々しく飾られており、その周りには手ごろな細身の剣が並べられている。
「(剣か……形状だけ覚えてれば出来るな。だったら買わなくてもいいな。次だ。)」
次に見たのは、剣のような真っ直ぐな武器ではなく鋭利に曲がり切った鎌であった。触れた者を一瞬で地獄へと送れそうな鎌は正しく死神が使うだろう。他にも畑の作物を刈る為のものであったり、螺旋状の鎌等変わった物まで並べられている。
「(鎌ね……砂利を混ぜりゃ切れるっちゃぁ切れるか。っつか、用途が多いのばっか作ってんな、ここの店)」
ふと、シドは比較的に寂れた店を見る。他の店との煌びやかさでは劣るが辺りに漂う蒸気に混じり、火薬の据えた臭いがしている。刃物意外の武器が見れるかもしれないと思い、シドはのしのしとそのお店へと入っていく。
「あ、待ってくださいシド!」
店に入っていくシドを見てミアも追い掛けていく。が、ミアの死角から口元を押さえるようにして手が伸びた。
「ふぐっ?!んっ~!」
突然の事に吃驚するミアは口を押さえる手をどうにかしようとし、両手で引き剥がそうとする。地面にはミアが肌身離さずに持っていたスープボトルが金属の音を鳴らして転げ落ちる。
「目標を確保。直ちにジル師に連行する。大人しく、しろ!」
うなじに鈍い音がした瞬間、ミアの視界が暗転し遠くに見える店が徐々に霞んでいく。
「(シド……助けて……)」
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入口は無機質な木質で蒸気と火薬の見えない煙で黒ずんでいた。奥行きはそこまでなく突き当りは直ぐにカウンターになっている。
「ほぉ、珍しい。あっしの店に立ち寄って貰えるとは。」
カウンターに足を掛けて新聞紙を読み、煙管を吹かすひげもじゃの男性が居た。そこまで警戒はしていないようなので棚に並んでいる商品を物色していく。棚に並ぶのは拳銃や散弾銃といった銃火器が並んである。
「銃を扱っているのか。」
「へい、城の兵士達は魔法で発動する銃ばかりを求めておりやしてね。あっしの店のような鉛玉を撃つのは時代遅れだと言い張ってやしたよ。まぁ、マニアの人にとってはあっしの店は人気なんですがね。」
自嘲気味に煙管を吹かして初めてシドの方を見る。その目は酷く濁っており、シドが視界に入っているのか分からない。だが、シドを見るとにんまりとしてカウンターから足を下ろす。
「ほほぉ、お客さん。武器が欲しいと思っていやすね?」
「どうしてわかる?」
「分かりやすよぉ。ここまで来た人ならもう剣やら槍やらを見回して飽きてやすから。だからといってあっしの店に寄るというのも可笑しな話やすけど。つまり、お客さんは剣や槍系の武器は求めてないときた!」
「まぁな。剣ぐらいだったらどこでも入手できるからな。……お前、俺の正体に気付いているのか?」
眉間に皺が寄るのをシドは自覚する。自らの正体を見抜かれたのであれば殺して情報を拡大させるのを防がなければならないからだ。乾いた笑いをする店主は手を顔の前に出して横に振る。
「あーっはっは。そう警戒しやさんな。魔物なんて国の中じゃあ普通に跋扈しているさ。人間に似せている魔物だっていやすから。」
煙管を吸い周囲に振り撒くと、シドは目を見開いた。店主の姿が代わり、顔は巨大なトカゲになり、爬虫類独自のギョロっとした目をしている。
「あっしはゲード。蜥蜴族の一人でさ。国王であるゲイル王は魔族にも平等に平民としての地位を与えて下さっていやす。ただ、魔物が気に食わない人間達がいるのは仕方のない事。こうして、化けて商売をしていやす。」
「驚いた……まさか、監獄以外で魔物と出会うなんてな。」
「おや……ということは、お客さん、さてはバスティーユの囚人か何かですかい?」
「囚人とかは関係ない。俺は俺の為にあそこを出ただけだ。……ん。」
ここで漸く付き添いの彼女がまだ店に入っていないのに気付く。早すぎて辺りでウロウロしているのではと溜め息を吐き、店を出る。後方で冷やかしは程々に~とのんびりとした声が聴こえた。
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「……。」
道端に転がる鉄の容器。蓋が外れ中身が零れている。辺りを見回すが銀髪の少女が見かけることは出来なかった。
「あいつ……どこに行ったんだ。」
「……シュッ」
と、背中が勢いよく裂かれた感覚があった。勢いで前によろめくが、後ろを振り向くと驚いた表情をしたフードを口に巻いた兵士が立っていた。
「なっ、魔物!」
「あぁ?」
切られた部分は直ぐに修復が終わり、服にだけ大きな跡が残る。後退する兵士にすかさずシドは粘着性の液体を足に絡みつかせる。
「ひぃ!」
「面ぁ貸せよ。なぁ?」
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ゲードの店に兵士を連れ込むと兵士の頭以外の身体をスライムで包み込む。涎を垂らし兵士はシドに助けを乞う。
「たすけてぇ。いやだぁああ……。」
「てめぇが真実をいいや開放してやる。下手な事を言ったら身体とはおさらばだ。」
「何でも言うぅ。何でもいうからぁ。」
店主であるゲードに兵士は目を向けるも、知らん顔の一点張り。つまり、助かる見込みはシドの尋問によって左右される。
「お前、俺の付き添いの少女が何処に行ったか知ってるか?」
「し、知らない……。」
「……。」
兵士の足が徐々に溶けている。溶ける感覚に戦慄き(わなな)涎と共に涙までが出る。
「ひぃっ!お、教える!教えるからやめてくれぇ!」
ガシッと頭を掴まれてシドの顔が近付く。次嘘を吐いたら容赦しない、と警告しているかの様。
「答えろ。ミアはどこだ?」
「……ジル師の所へ。」
「ジル師だぁ?」
「この国の魔導師でやす。魔導師ジルは何かと城で怪しい噂が蔓延っているのは巷では有名でやす。」
煙管を吹かしてゲードが補足説明する。横目でゲードを見やると兵士を再び睨む。
「で、その魔導師はどこにいる?」
「へ、へパイトスの鍛冶場。ここから東にある活火山帯!」
「……そうか。」
頭から手を離し、兵士は安堵の表情を浮かべる。これで解放してもらえる。それだけで今助かったと歓喜をせざるを得ない。しかし、現実は無情にも兵士の安全を断つのであった。兵士を束縛するスライムは依然として身体を包み込んでおり、足が徐々に溶け始めているのだ。
「は、話が違うぞ!おい、ここからだせよぉ!!」
「お前……何か勘違いしていないか?開放してやるってのは……この世からだ。」
「!!」
「自分が救われたいが為に情報を洩らすってのがどれだけ強欲なのか知らねぇのか?まぁ、俺は下衆な野郎やら雌やらを担当してたから管轄外だがなぁ。」
遂には頭も包まれ、穴という穴からスライムが侵入していく。鼻から、口から、耳から。鼻腔をくすぐる甘ったるい匂いに咽返りそうになるのを口から侵入した甘い汁が受け止め、脳内をとろかす甘美な音は全てを忘れさせる子守唄。焦点の合わない目がシドを見つめ、微睡みの中で最期の宣告が聴こえた気がしたが、既に兵士は事切れており、身体はスライムに同化していた。
「ちっ……、また変な事に巻き込まれたな。あの鬼と雪女といい、今度は城の魔導師かよ。」
頭を掻きながらぶっきらぼうに呟く。煙を吹かしたゲードは腰を上げてシドに近付く。
「そういうことでやしたか。お客さんいや、旦那。旦那はバスティーユの『色欲のアシッド』でやしたか。」
「あぁそうだよ。その呼び名はやめろ。お前も殺すぞ。」
「殺すのは勘弁してくだせぇ。第一、人目に見られぬようにあっしの店で拷問をしたのはあっしの提案でやす。これでちゃらにしてくれやせんか?」
「……ちっ、厄介になったな。」
「あぁ、待ってくだせぇ!旦那は武器を求めていたのでやしょう?でしたらあっしの店で見繕ってくだせぇ。代金は安くしときやすから!」
商いの売り文句で漸く自分の目的を思い出した。鬼と雪女に対抗するのであれば小細工も弄さねばという目的で、武器を調達することであった。しかし、未だに目ぼしい物は見つかっておらず、棚にある銃などを見るがイマイチピンときていないのが本当であった。
「棚にあるもんはイマイチだ。他にないのか?」
「ありやすぜ……。常連でもヴィップな客にも出さないレアもんが……旦那が気に入ってくれるのであればいいでやすが……。」
カウンターの見えない部分より取り出したのは古ぼけた木箱。バールを取り出し、蓋を抉じ開ける。煙管の煙では咽ないゲードが埃には咽るようだ。
「げっふっげふ……。これでやす。射程距離は短距離、もう片方は中距離でやす。ただ、銃身だけがあって肝心の弾薬がないでやす。でやすが……旦那であれば、弾薬なしでもこいつらを扱えるはずでやす!是非!」
カウンターに置かれた二丁の拳銃とスコープ付きのライフル銃。拳銃はシリンダーを外して弾倉を込める機構であり、撃鉄を引かずとも引き金を引くことで起こされるダブルアクションである。ライフル銃はボルトを手動で操作することによって弾薬の装填と排出を行うボルトアクション機構でコックオン・オープニング方式を使われてある。
「……銃にはあまり詳しくないが、これはこのままでも使えるのか?」
「薬莢というものが必要でやすが、旦那であればそれに見合う薬莢と弾薬を代用できやす。込めるのは旦那の一部……ただ、旦那があっしの店の常連になってくれれば、弾薬と薬莢の提供は惜しみなく出しやす。その為には、旦那が使った後に、旦那自身が創った薬莢や弾薬をあっしに提供していただけるとありがたいでやす。」
銃を掴む。拳銃の重さはそこまでではないが、身体に隠すにはもってこいである。片やライフル銃はずっしりとした重みがあり、動きが緩慢になるが十分な火力が引き出せるかもしれない。
「なるほどな……。利害の一致って訳か。俺はお前……ゲードに使用した薬莢と弾薬を提供し、完成されたものを俺が購入するって話か。」
「お代はいらないですぜ。その代わりにあっしはもっと旦那が使える銃を仕入れておきやす。旦那は早いとこお連れの方を助けにいってくだせぇ。」
事は一刻を争う。その言葉を流しながら聞いたシドはそのまま店を出て行った。残されたゲードはというと……。
「……はぁ、まさか本物の監獄獣ってやつと遭っちまうなんて……。うへぇ、あの兵士さんの装備が転げていやがる。」
店の床に転がる液体を被った兵士の装備がある。所々溶けかけているが、あっても邪魔なので箒か何かで外に出そうとすると、また店の扉を開く音が聞こえた。
「ん……今日はやけにあっしの店に寄るな。いらっしゃ……。」
「おう、邪魔するぜ。」
「見て終鬼。例のスライムが現われた時と同じ状態よ。」
現れたのは……先程シドが呟いていた例の二人組であった。
約4か月に渡る失踪?からモチベーションを上げたKANです。初めましての方は初めまして。
特に語る事はないのですが、区切るとこが見つからずにこのような内容量になってしまいましたね(汗
次回の更新も未定ですが、粛々と書いてなるべく早くに投稿できたらなと思います。ではでは……。