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第十一話「失って初めて気付く事」

終鬼 夢幻山脈の麓にいる鬼一族の元頭領。現在はジェン・ヨウ達と共に行動をしている。鬼道と呼ばれる鬼一族独特の技を使いこなす。


フロン 夢幻山脈の麓にいる雪女一族の元頭領。獣人族のライと結婚をしており、子も授かっている。


ミア 引力の魔女グラビトンパイトニー。あらゆる魔力を引き寄せてしまう特質な能力を持ち、許容量を越えた状態になると暴走状態となり、手が付けられない状態になる。


アシッド 別称シド。煉獄バスティーユ色欲の階層を仕切る監獄獣の一体。粘液生物であるスライムが神格化した状態であり、知識を得る為に他の生物を取り込み、己の糧としていた。


カイル・エルガー・エイレーネ 聖国エイレーネの王子。次期国王になる為にへパイトスの鍛冶場にて龍神の試練という儀式を行うためにへパイトスの鍛冶場に護衛三人を率いて無事に儀式を完遂する。


ゲラルド将軍 聖国エイレーネの四将軍の内の一人。相手の魔法を無効化するなどの創作魔法を巧みに使い、大剣で一網打尽にする。


アレク ゲラルド将軍の下で仕える兵士の一人。熱魔法サーマルオペレーションの使い手。勝気な性格をしており、シグとはしょっちゅう喧嘩ばかりをしている。


シグ ゲラルド将軍の下で仕える兵士の一人。冷魔法コールドオペレーションの使い手。冷静沈着で眼鏡クイッが癖。アレクとは(ちょっかいを掛けられる為)しょっちゅう喧嘩をしている。



 へパイトスの鍛冶場に響いた乾いた音。銃口から煙が立ち上り、確実にアレクは死んだかと思われた。が、アシッドが打ち込んだ自身の弾はアレクの体内に入る寸前で何かの力によって空中で停止し、先端からブクブクと蒸発している。

 「あぁ?(今のこいつの状態で俺の弾丸を蒸発させる程の力は出せねぇはずだ……)」

 完全に弾丸が蒸発しきると辺りに激しい落雷の音が木霊した。アシッドはこの落雷の音に聞き覚えがあった。まだ人間を貪り、快楽とは何かと模索していた頃に対面した二人の内の一人。

 「……てめぇ。」

 気配を殺すことなく悠々と歩いてくる漆黒の鬼をキッと睨み付ける。ここまで来て最悪の仇敵に遭ってしまったとアシッドは舌打ちをする。

 「すっかり人間の形を取り繕いやがって。殴りがいがあるように全身固まってるよなぁ?」

 「生憎てめぇの拳を受ける程柔な身体はしてねぇ。殴られる前にぶっ殺す!!」

 弾丸を装填して銃口を鬼へと向ける。鬼はニタァとほほ笑み、八重歯をぎらつかせる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 激しい音を鳴らす雷雲がへパイトスの鍛冶場上空を漂い始め、下山しているカイル達はまだ上で闘っているであろうアレクに一抹の不安を覚えた。

 「なんだ……?さっきまでは青空だったというのに……。」

 カイルが呟いたと同時にアレクが居る方で青白い雷光が地上から発せられていた。

 「な……。あの監獄獣は雷も操れるというのか……!このままではアレクが……。」

 「王子……将軍……。あのバカは死ぬような奴ではありません。」

 ゲラルドの肩に担がれているシグは消えそうな声で呟いている。

 「だが!」

 「あのバカは結構運がいい方です。僕よりも……。」

 「それ以上喋るんじゃない。今は自分の身体を保てる程の魔力を維持しているんだ。山を離れれば大丈夫なはずだ。」

 アレクも心配だが、憔悴しきっているシグを一刻も手当しなければとカイルは葛藤する。ゲラルドも担ぎ直すと国への帰路へと目を向ける。と、ゲラルドの視線の先に誰かがこちらに歩いてきているのがわかった。カイルもゲラルドの視線に気付き、同じ方を見やる。

 見慣れない青白い装束に水色の髪を後ろに一纏めにした小柄な女性であった。靴底が若干高い靴を履き、歩く度に足元に霜が走り、足が地面から離れると暫くは火山の熱さに耐え忍んでいた霜はやがて、空中へと霧散していった。カイル達に気付くと、軽い会釈をしてほほ笑む。

 「こんにちは。エイレーネ国の王子様に将軍様。」

 「……何故、私達のことを。」

 「門番さんにお伺い致しまして、このへパイトスの鍛冶場に行くと告げてくださったので。それに、見慣れない青年が足早に向かっていたということも。」

 「貴様……まさか、仲間か?」

 ゲラルドが訝しがる。カイルも両手を構えて、双剣を生み出そうとする。手を前に突き出して、女性は諭す。

 「とんでもございません。むしろ、私……私達はその青年を見つける為に貴方達の国を歩いてましたから。それに危害を与えるつもりも毛頭ありませんよ。」

 落ち着いた声音で女性が言うので、カイルもゲラルドと見やり、構えを解いた。

 「今『私達』と言いましたが、もしや先程の雷は。」

 「あら、既に始まっていたのね。その雷は私の仲間の攻撃でしょう。失礼ですが急がないと。」

 と、カイル達の横切ろうとしたとき、ゲラルドの肩に背負われているシグに女性が気が付いた。

 「あら?この方は?」

 「あぁ、ここの火山の熱にやられてしまってな。直ぐにでも下りて手当をしなければな。」

 「……将軍様、この方を地面に置いていただけませんか?」

 その問に少々疑問をもったが、シグをゆっくりと地面に下ろす。額に大粒の汗を流し、熱でやられた喉からは乾いた呼吸音が聴こえていた。シグの上半身を女性が抱く。

 「(ここまでやる義理はないけど、これも何かの縁。)魔力欠乏症と相まって無理な魔力行使による浪費状態を起こしてますね。」

 「!」

 「この方は火山に対しての対策を怠ってしまったのですね。だから、無理な魔力行使が状態を悪化する結果になった。将軍様、そうですね?」

 「そこまで分かる貴女は一体……。」

 「ふふっ。私は一端の魔女とでもご理解ください。少なくとも地上ではそう疑われても仕方ありませんので。」

 「……地上?」

 「おしゃべりが過ぎてしまいました。では……。」

 空中に針程の細い氷を複数形成すると、シグの四肢の関節部分に打ち込んでいく。どういった治療かは分からない二人なので、女性の行動を暫く見ている。次に女性は丁度シグの喉仏にも針の氷を人差し指でトントンと打ち込んでいき、息を吸い込んで打ち込んだ針に向かって吹きかける。女性の息吹に呼応して氷の針は青白く光り、シグの体内へと溶け込んでいく。

 「人は汗を分泌することで体熱を逃がして身体を冷やすといった構造をしている様に、氷魔法を操る方々は却ってそれが仇となってしまい、十分な体温調整が出来ずに魔力を形成できずに魔力欠乏症のような症状を起こすことがあります。これは、一時的に体内の熱を逃がす為に穴を空け、更に外部からの魔力を送り、氷を溶け込ませることで無理矢理身体を冷やす荒治療です。」

 「(魔法陣を展開せずに氷を生み出した?これは魔法というよりも……)」

 「さぁ、呼吸をゆっくりしてください。辛くはないはずです。」

 目を閉じていたシグは言われるままに呼吸をする。すると、先程まで乾いた呼吸音は通常の音に戻っており、先程まで流していた汗もみるみるうちに引いていた。

 「えらいえらい……。」

 女性が額に口付けをすると、シグはゆっくりと目を見開いた。眼前に鼻腔をくすぐる香しい花の匂いと共にほほ笑む女神の姿。シグは目を離すことが出来ずに暫く女性を見つめ続けている。

 「これで大丈夫ね。さ、起き上がって。」

 シグが立てるように身を起こして、足に付いた埃を払い、よし、と一言。そして、カイル達に踵を返す。

 「縁があればまた会えるでしょうね。直ぐにここを離れて後は私達に任せてくださいな。」

 女性は軽やかな足取りで山をかけのぼっていき、次第に姿は雷が咆哮する方へと消えて行ってしまった。シグはそれでも暫く彼女がいた場所を見つめていた。

 「シグ……おい、シグ!」

 カイルが肩を叩くが、それでもシグはいつまでもいないはずの女性を見ていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 お腹に刺さる氷に響く怒号が辺りを掌握していた。色素が無くなった光景の中、シドと大きな怪物が闘っているのが見えた。いつまでも力を込めようが、食い込んだ杭を抜くことは適わず、一時掴んでいた両手をぐったりと地面に下ろした。あぁ、このまま自分はシドに何も言えないまま死んでしまうのかと思うと、なんだか胸がいっぱいになって目が溺れる。

 「あら。」

 目の前を通り過ぎようとしたのは、見たこともない服を着ている水色の女の人だった。ここがどこなのかははっきりとしていないけど、ここにいる人とは思えなかった。

 「痛そうね、そのお腹。」

 しゃがみ込んで私の前でお腹の氷に触れる。へばりついた血を気にする事無く強く掴む。女の人はこう言った。

 「あなたは……そう、あの怪物の善性なのね。」

 ……善性?怪物?それはシドのことを言っているのだろうか……。

 「全く、終鬼も目の前の敵にしか眼中がないなんて、ヨウに笑われるわ……。」

 何かに呆れてる女の人は虚ろな私の目を真剣に見つめる。切り替えの早さについていけないけど、重力に逆らえそうにない私の身体はもう座っているのも限界のように感じた。

 「今あなたをここで死なす訳にはいかない。あの怪物が暴走する前に止められるのはあなたしかいないと思うの。だから、今あなたの足枷になっているのを外すわ。」

 と、言ったと同時にお腹に刺さり続けていた氷にひびが入りだした。あんなに硬くて大きなものが……この女の人は何者なのだろう……。

 「……みぃ……あ…………。」

 「ミア?それがあなたの名前ね。私はフロンよ、これから(・・・・)よろしくね。じゃああの怪物にも名前があるのでしょう?」

 「……し……ど、だよ……。」

 声に力が入る。今まで抜けていた力が身体の奥からどんどん溢れてくる。もうすぐ、お腹の氷が壊れたら動ける。

 「シドね。わかったわ……ミア?どうかあなたの手でシドを止めてくれない?」

 「……うん!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 圧倒的な力を振るっていたアシッドも劣勢に陥り、少々苛立ちが立ち込める。先程のアレクとの闘いで蒸発して滞留していた筈の自身の身体は終鬼の発する電撃によって完全に分解されていた。それほどまでに終鬼が用いる電撃の威力が計り知れないことがわかる。鬼が口角を少し上げる。

 「俺も少しは考えるんだぜ?てめぇの身体を操作できないほどにしちまえばどうってことがないってな。何が電気に耐性が付いただよ、ヨウの奴……。」

 「あぁ……ほんっっっとクソだなぁ!!」

 ぶつくさと喋っていた終鬼は一瞬で間合いを詰めて下段の構えで右の拳を突き出し、アシッドも密度を高めた自身の身体で形成した大盾で防ぐ。ぶつかりあうと、周囲に終鬼が放つ電撃が迸り、大盾にも通電し、アシッドは苦しそうに歯を食いしばる。動きが止まった瞬間に間髪入れずに終鬼は左足でがら空きの横っ腹を思い切り蹴り飛ばす。勢いよく飛ばされたアシッドは近くの岩に激しく当たり、岩の亀裂へと自身を染み込ませて距離を保とうとするが、終鬼がそれを許さない。

 「鬼道-其の壱-豪拳。」

 亀裂を起こした岩に右拳を突き入れると岩は木っ端みじんと化し、隠れる物を失ったアシッドの身体が現れる。そこにすかさず終鬼が叩き込む。

 「鬼道~赤雷~」

 赤い雷を足に纏い回し蹴りでアシッドを蹴り飛ばす。が、村での一件で赤い雷を理解していたアシッドは身体を蹴りの軌道上からずらし、身体からライフル銃を取り出して終鬼の眉間へと打ち込む。

 「ぐぉ!?」

 微かに反応を見せた終鬼ではあったが眉間に辿り着く前に銃弾は弾かれ、地面へと零れていく。舌打ちをして身体を巨大な板に形成して終鬼の身体を後方へと弾き飛ばす。足で威力を削ぎ、終鬼は体勢を整えた。アシッドも身体を元の形に戻し、ライフル銃を肩に担ぐ。

 「なんだ、攻撃はこれで終いか?ちったぁ強くなったとは思ったんだがよ。」

 「うるせぇ。てめぇと話すことなんざねぇんだよ。さっさと俺に殺されろや。」

 と、火山の胎動が激しくなり始める。上方で闘っている者達を覗きこむように地表の割れ目より、紅い赤い観客者が沢山現れる。

 「ちっ、地盤が緩くなっていやがる。この山が噴火するのも時間の問題か。」

 「終鬼!」

 と、横から忍装束を着ている女性が現れる。傍らにはミアがいた。

 「てめ!ミアをどうする気だ!」

 「どうもしないわ。さぁ、おいきなさい。」

 ゆっくりとした足取りで確実に地面を踏みしめ、ミアは歩き始める。終鬼は何が起こっているかわからないと頭にクエスチョンマークを浮かべ、戦闘態勢を解いた。アシッドはこちらに歩いてくるミアを見つめ、近くに来るのを待っている。先程まで瀕死であったミアを見て、怒りに頭が湧いていた。だが、今のミアを見て冷静さを保っていた。腹部に大きな穴が開いていた筈だが、氷が取り除かれたことで吸い寄せた魔力によって修復し始めているようだ。

 「シド。もうやめよ?」

 「ミア、どけ。あいつらを殺すまでは俺の腹の虫は収まんねぇんだよ。」

 「今私がここで生きていけるのもあそこのフロンさんがいたからなんだよ?」

 「……。」

 「ね、だから……。」

 突然の地鳴り。先程の地鳴りよりも強くミアは立つことがままならず、地面に手を付いてしまった。その瞬間、ミアの手に集まる様に地面が赤くなり始める。

 「っ!ミアっ!」

 終鬼は不思議に見ていたが、フロンは駆け寄ろうと走り出す。シドもミアに手を伸ばして走り出す。

 ――ドグォオオオン!!

 ミアを中心に激しい溶岩が噴き出し始め、吸い寄せられるように上空に溢れた溶岩がミアへと集約していった。

 「あああああああ!」

 「ミアあああ!!」

 魔力を引き寄せる能力を持つミアであっても高温である原始の魔力を自身に取り込むには時間を要するようで、彼女の身体を焼く。すかさずシドが溶岩を剥がしに掛かるが、高温であるものに液体であるシドがやっても焼け石に水であった。

 「どきなさい!雪化粧-霰-!」

 フロンが前に出て、息を大いに吸い込み吐き出す。すると、吐いた息は激しい吹雪をもたらし、辺りの溶岩の滞留を一時的に凍り付かせる。高温である溶岩を凍り付かせるとはどれほど凄いのかはシドにはわからなかったが、冷えた溶岩を剥がすのは容易であった。黒く固まり始める溶岩を自身の身体で削り続け、漸くミアがいた場所へと辿り着くが、一層固い溶岩が冷えて固まった部分とまだ高温である部分と混ざり合ってミアの周りをドーム状に囲んでいた。

 「鬼道-豪拳-」

 そこに終鬼が右拳で溶岩をたたき割った。どういった風の吹き回しかは知らないが、シドを見やり、ふんと鼻を鳴らしてそっぽを向く。

 「……っ、ミア。」

 ドーム状の溶岩は崩れ、内部にいたミアは全身を火傷にまみれ、悲惨な身体を見てしまったフロンは両手で口を覆って目を伏せる。駆け寄り身体を起こしてミアの名を呼ぶ。

 「おい……ミア!!」

 「……し……、ど…………。」

 ひんやりとしたシドの身体に僅かに微笑みが戻るが、先程までの元気は無くなっていた。僅かに上げた手をシドはしっかりと掴む。

 「やっぱりね……私は……外に、出ない方が……よかった、のかな?」

 「な訳ねぇだろ。お前がこれまで見て来たのは外に出なかったら手に出来なかったものだろ。」

 「あはは……そうだね。シドにも……会えなかっ、たんだもんね……。」

 焼き付いた頬に伝う涙。ミアは悟っていた、もう二度目の救済は神は与えてくれはしないだろうと。身体を支えるシドの身体も震えている。それが火山の胎動によるかはわからないが。

 「短い間だったけどね……私は、シドが好きになっちゃったんだ……。」

 「っ……。」

 「初めの出会いは驚きだったけど……それでもね……シドと街を歩く度にドキドキが収まらなかったの。」

 「……ねぇ。」

 「もし、また街を歩けたら……。」

 「喋んじゃねぇ!!」

 一喝して、シドが目を伏せる。傍から見る終鬼は目を見開く。膝を崩してしまったフロンは両手で顔を覆い、静かに泣いている。

 「それ以上喋んじゃねぇよ……何かわかんねぇけどムカムカするんだよ。なんかよぉ、こう胸の中がギュッと締め付けられるようなぁよ。」

 「ふふっ……よかった。私が思ってるのと同じ……ねぇ?シド。」

 ミアの手がゆっくりとシドの握る手からほどけ、シドの頬に当たる。

 「沢山の人達にしたように……私にもして……。」

 「でもそれは。」

 「お願い、シド……。好きな人に抱かれていたいの……。いつ……まで、も……。」

 「ミア……?……。」

 するりと頬から落ちた小さな手は力を無くして、地面に落ち、ミアの瞳からも生気が失われた。初めてシドは人の、彼女の死を実感した。途端に胸を締め付けていたものはより一層シドを苛んだ。

 「……っざけんな。ふざけんなよ!ここで死んでいいって誰が言ったんだ。俺はまだお前に恩を返しきれてねぇじゃねぇか!なのに……先にいってんじゃねぇ!!」

 と、自身でも我に返った。火傷を覆ったミアの身体に滴る水があった。なんだ、これは。監獄獣の時には見なかった現象に思慮する。そう、これは……。

 「(泣いている……俺が……?)」

 それは人、あらゆる生物が持つ感情の一つ、「悲しみ」であった。ミアを失った悲しみを肌で感じて、初めてシドの内に悲しみの波が伝播し、機能しない涙腺に涙を溜めたのだ。

 「ちくしょう……ちくしょう!!」

 シドの叫びは虚しくへパイトスの鍛冶場に木霊し、悲痛な叫びは溶岩に溶け込むように消えていった。


 第十一話を読んで下さりありがとうございます。作者のKANです。初めましての方は初めまして。

 長いこと綴ったこのお話にもいよいよ結の印が押されそうな感じです。

 私もこのような展開は望んではいなかったのですが、あの状況からですと致し方ないかと(本音はミアに死んで欲しくなかった……)

 さて、次回のお話でお会いしましょう。ではでは……。

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