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プロローグ
以上で、私・・・俺のお話を終わらせていただきます。菓子折りを食べ、お飲み物を啜る時間程度には割けたかと存じます。
「わしはそう何度も叩きつけておらんぞ。」
蛇足ではありませんので悪しからず。
「ちっ、わしはもう戻るぞ。」
ええ、ゆるりとお戻りになられてください。次の語り手にバトンを渡し次第向かいます故。
「勝手にするがよい。」
あらら、私何か気に障るような言い方をしましたかね?
「気にすることはねぇさ。」
グッドタイミングで次の語り手が参りましたね。さて、私はお嬢様のお部屋のお掃除をしなければならないので、この場は任せてもよろしいですか?
「あぁ。泥船に乗ったつもりで掃除をしてくるがいいさ。」
それでは沈んでしまいますよ。もしや、私への忠告ですか。
「両方の意味で、な。」
ふむ、承りました。ではでは・・・。
「ふん、何かと思えば話をしろだあ?上等。何を話せばいいかなんて堅っ苦しくて面倒だ。決まっちまった運命ってやつを文を変えても叶わねえのさ。」
そう、俺がアシッドからシドという名前になった時からな・・・