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巨大亀と牙ワニ

 安定の二話同時投稿。もう一本も忘れずに。

 これは、ユウシアが十二歳の頃の話だ。

 ユウシアとラウラは、ログハウス内のリビングに置かれているテーブルで向かい合って、一緒に唸っていた。

「困りましたね……」

「うん、困る。超困る。すっごい邪魔なんだよ、あの――」

「「――ジャイアントタートル」」


++++++++++


 その日ユウシアは、日課である、森の中に仕掛けた罠の確認を行っていた。

「うーん、今日は全然かかってないなぁ……また改良が必要か」

 なんて、森を歩きながらひとりごちるユウシア。ログハウスに近い西側は確認し終えたので、東側に向かっているところだ。

「うわっ!」

 俯きながら歩いていたユウシアは、何かにぶつかってしまう。

「いたた……」

 額をさすりながら顔を上げるとそこには、十メートルを超える巨大な壁が。

「……え?」


++++++++++


「とはいえ、ジャイアントタートルは甲羅のみならず皮膚まで硬いことで有名ですからね……」

「ていうか、俺が見た限りだと甲羅に篭ってたんだけど」

「どかそうにも大きいだけあって重量も超級ですし」

「そもそも倒したってどうしようもないな」

「「はぁっ……」」

 二人してため息を吐く。

「あ、でも、バラバラにして運べば」

「どうやってバラバラにする気?」

「……確かに」

 どうにもできないのか、と諦めかけたその時。

「……そういえば、硬いものを好んで食べる魔獣っていなかったっけ?」

 ユウシアがそんなことを思い出す。

「硬いものを好んで……ファングアリゲーターは、求愛行動として顎の強さを主張するために硬いものを噛み砕くそうですが……」

「そう。その、牙ワニ。倒すだけ倒してそいつら運べば、勝手に食べてくれるんじゃない?」

「……なるほど、確かにあれくらいの魔獣なら運べないことも……そうですね、やるだけやってみましょう」

 ラウラが頷きながら言う。

「となれば、ジャイアントタートルの甲羅を貫く方法を考えないとな」

「私も、出来るだけ協力します!」


++++++++++


「いやぁ……ここまでこいつを運ぶのが大変だったな、もう」

「そうですね……」

 ジャイアントタートルが眠る目の前に立ったユウシアとラウラ。その隣には、見上げるほどの大きさの砲台が。

「さ、それじゃあ早速……」

 言いながらユウシアは、砲台にセットされた槍の先端をジャイアントタートルの頭部があると思しき場所に向け、火薬を大量に投入。

「ラウラ、一応耳塞いでおいた方がいいかも」

「分かりました」

 ユウシアの言葉に頷いて耳を塞ぐラウラ。

 ユウシアはそれを見てから導火線に火をつけ、自分も耳を塞ぐ。

 それから数秒後。

 ドオォォォオオオオンッ!

 という凄まじい音と共に、槍が発射される。

 それは見事ジャイアントタートルの甲羅を貫き、一撃にして絶命させた。

「〜〜耳がキーンって!」

 耳を塞いでいても轟音は防ぎきれず、ユウシア達の耳に大ダメージが。

「うぅ……頭がガンガンします……」

 ついでに頭にも。

 ユウシアは頭を押さえながら振ると、顔を上げる。

「あともう一頑張りだ……ワニを運ぼう」

「はひぃ……」

 ユウシア達の作戦は大成功し、それから一ヶ月程で、ジャイアントタートルは跡形もなく喰らい尽くされた。

 という訳で、本編にチラッと出てきたイベントを雑に回収しておきました。短っ。

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