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“元”暗殺者の転生譚!  作者: 浅野陽翔
武闘大会(デカい方)
191/217

戦闘狂

 一ヶ月ぐらいぶりです。中々モチベが上がらず……やっと書けました。内容忘れちゃった人、大丈夫私も割と忘れてます。読み返しましょう。

 とは言っても今回、半ば宣伝用更新でして。何故か書く気が起きないし、これはいっそ気分転換でもしようかと新作始めたんですね。

 まぁ、細かい経緯は活動報告にあるので、気になった方は読んでみてください。

 新作のリンクは下に貼ってあるので、気にならなくても読んでください。読め(強制)。

「あー? んだよ、殺気感じたから急いで来てみりゃあ……なんもやってねぇじゃねぇか」


 ユウシア達が席についた直後に開く扉。そこから聞こえてきたのは、どこか落胆した様子のそんな声。そしてその声の主は、


「チッ……戦ってんなら俺も参加してやろうと思ってたのによ。つまんねぇ」


 いかにも戦うことが好きそうな、筋骨隆々の男。


「……先生。あの人も参加者ですか?」

「えぇ、そのはずですよ」

「ふーん……」


 頷くヴェルムに相槌を打ちつつ、ユウシアは男をジッと見つめる。


(……強いな。さっきの言葉から考えるに戦闘好きみたいだけど……好きこそ物の上手なれってところか。動きが明らかに戦い慣れしてるし、相当な死線をくぐり抜けてる)


 分析するユウシアの視線に気付いたのか、男はこちらを向くとニヤリと笑って、


「分かるぜ、あの殺気はおめぇのだな? まだ漏れてんぞ」

「漏らしてるんだ。これくらい気付いてもらわなきゃ困る」


 男の言葉に、ユウシアもまた小さく笑って返す。そのやり取りをどこかハラハラした様子で見守るアランに、そんなやり取りどうでもいいのか並ぶ料理に目を奪われているシオン。ジェノスは二人をどこか面白くなさそうに見ている。


(――いや、先輩ってそんな食いしん坊キャラな感じでしたっけ!?)


 ユウシアの脳内でツッコミが炸裂。しかし表には出さない。頑張る。


「バカ言えよ、そんな薄っすらと……相当な強者か臆病者でもねぇと気付けねぇぜ? 見たところ気付いてたのは……俺含め四人ってとこか。おめぇんとこは随分優秀なのが揃ってるみてぇだな。おめぇは知らねぇが、他は面白ぇメンツしてやがる」

「……そう言うそっちは、お前以外は大したことなさそうだな」

「ハッ、俺一人いりゃ十分だ」


 男は小さく鼻を鳴らすと、話は終わりとばかりに離れていく。

 それを見送ったユウシアは振り返ると、


「で、あれ誰ですか?」

「……ユウシア君、誰かも知らずに喧嘩売ってたんですか……」

「心外だなぁ、先生。まさかそんな、俺がジェノス相手に溜まった鬱憤を晴らすために喧嘩なんか売る訳ないじゃないですか」

「なんでしっかり理由付いてるんですか。もう確信犯でしょうそれは」

「はっはっは」


 棒読みで笑うユウシア。完全に図星である。


「……まぁ、それはさておき。本当にあれ誰です?」

「それについては……僕よりも知っている人がいると思いますよ」


 そう言ってヴェルムは、アランやシオンを見る。シオンが「お願いします」と言うとアランは小さくため息を吐いて、


「それじゃあ僕から説明しようか。あの人は去年も――いや、今回で四年連続の参加でね。名前はグラド・オルグ。ディオネス帝国の参加者だ。……強さは大体分かったみたいだから説明はしないけど、本当に恐ろしいのはその性格だよ。好戦的で野蛮。戦いを見れば参加せずにはいられない……何度乱入騒ぎを起こしかけたことか……」


 アランは、もう一度ため息を吐く。


「アラン先輩もそれに関わったんですか?」

「あぁ、うん……本当、止めるのに苦労したよ……骨が折れる――っていうか、実際に折れそうになった」

「それはまた……」


 なんというか、うん、ガチの戦闘狂だな。と、ユウシアは頬を引き攣らせながら考える。


「それに、あの見た目にあの性格だからって戦闘スタイルも豪快で直線的って訳でもなくてね。搦め手上等、フェイントをかけて意表を突いて、かと思えば力づくで押してきたりして……だけど戦うという行為に対して誠実で、脅したりだとかの非道な真似は決して行わない。目的は勝つことよりも戦うことみたいだからね。良くも悪くもまっすぐで、憎めない男だよ」

「……なるほど」


 とにかく全力で戦うの大好きな戦闘狂……そんな人が前世にも、自分の所属していた組織にいたなぁ、と、ユウシアは思い出す。何故そんな人が暗殺組織に……とは思ったが、後になって知ったことによるとどうやら荒事専門らしい。具体的に言うと、拠点が襲撃された際の防衛などだ。そもそも襲撃自体そうそうなかったのだが。

 閑話休題。

 ユウシアが久しぶりに――本当に久しぶり、多分十年ぶりくらい――に前世に思いを馳せていると、再び扉の開く音が。

 そこから入ってきたのは六人。どうやら残る二カ国が同時にやって来たらしい。

 それを見たヴェルムは立ち上がると、パンと手を叩く。


「はい、全員揃ったみたいですね。それじゃ、皆さん軽く自己紹介だけして、あとはご飯でも食べながら親睦を深めるとしましょうか」


 本当に顔を合わせるだけであとは自由な感じなんだなぁ……と、正直戦う相手の名前とか割とどうでもいいユウシアは思うのであった。

 終始、ユウシアのキャラが微妙に変わっちゃってるような気がするなぁ……そんなことないかなぁ……っていうか口調とか大丈夫かなぁ……って感じでした。

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