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砂糖の海

 これ言ったらダメな気はするけど、ミスターコンだとどうしてもモチベが……。

 ちなみにほぼダイジェストです。あと、お砂糖の海こそ出来ますが甘い描写はありません。

 ユウシアにアラン、ラインハルト、ゼルト、etc……ミスコンよりは少し少ない出場者達は、なんというか、それはもうこっ恥ずかしい争い(ユウシア主観)を繰り広げていた。

 まず、ミスコンでやっていた特技審査が無くなり。

「――僕にはもう、君以外あり得ない」

 Byラインハルト。

『きゃぁぁぁああああ!!』

 By観客達。

 なんというか、こう……告白というかナンパというか、とりあえず甘い言葉を言え、みたいな。随分ざっくりとした審査内容だが、それを即興でやらされていた。

 そして。

(……どうしよう、本気で何も浮かばない……もう次俺の番だよ……)

 ユウシアは、そういう甘い言葉とかが全く浮かばず、絶望に暮れていた。

 そんなこんなしているうちに回ってきてしまったユウシアの番。

「……ふぅ……」

 ステージの真ん中に立ち、ユウシアは小さく息を吐く。

 甘い言葉――とは言うが、審査内容には台詞のみならず仕草なども含まれる。相手がいないとそれはそれでやりづらいので、相手約として観客の中から抽選で一人が選ばれることになっていた。

 そして今回、ユウシアの相手役を務める者が決まり――

(……ん?)

 やけに周りがザワついているような気がして、ユウシアは顔を上げる。そこに立っていたのは――

「――え、リル、なんで……?」

「ふふ……まさかユウシア様のお相手に選ばれるなんて、運がいいですわ」

 リルはそう言って小さく笑う。

「店は? 行かなくていいの?」

「あら、ユウシア様がそれを仰いますか? 先程はずっとわたくしを見ていたではありませんか」

(やっぱりバレてたよ)

 ミスコンを見に行っていたことはもちろん、リルが見えるところにいる間はずっと彼女を見ていたことまで。

「それではユウシア様……わたくしに、ユウシア様の想いを伝えてはくださいませんか?」

「俺の、想い?」

「はい」

 首を傾げるユウシアに、リルは笑いかける。

 ユウシアは自分を愛しているから、そんな自分への愛を語れば優勝間違いなし――とか、そんなことを考えた訳ではない。そもそも――周りがどうかは置いておいて――本人はそれがそこまで甘いものだとは思っていない。ただ、ユウシアが言うことに困っているのは目に見えていたので、自分への愛を、と言っておけばまだ浮かびやすいのではないかと思ってだけなのだ。

「……そっか、分かった。リル――」

 ――だが、結果は。

 会場はこの時、砂糖の海と化したという。果たしてそれが見た人の錯覚だったのかどうかは、定かではない。


++++++++++


 さて。

 そんな審査も終わり、残る二つの審査は、ミスコンとほぼ変わらず、水着審査と、こちらはバレーボールではなくバスケットボールだった。

 男の水着審査って……と思ったユウシアだったが、見る人が見ると素晴らしいもののようで、赤い幸福を吹いて倒れる人が続出。それはもう酷い有り様であった。

 そして行われるバスケットボール対決。

 ミスコンのときと同様、くじ引きでチームを組み、魔法も少しありのトーナメントを行って、順位に応じてボーナスが加算される。

 そしてこれまたミスコンと同様に、なんの因果か優勝候補と目される何人かが同じチームに固まってしまった。最初に名前の出た四人は全員同じチームである。……仕組まれてはいない。いないのだ、決して。

 そして肝心の試合だが、ここで才能が光ったのがユウシアだ。普段から、ナイフを狙ったところに寸分違わずバッスバス投げているのが活きたのか、フォームレス(ボールを放)シュートで(り投げて)綺麗にゴールを決めるのだ。スリーポイントだろうがお構いなしである。

 ラインハルトは実はかなり高い慎重を活かしてゴール下をしっかり守り、ゼルトは影魔法を利用して速攻を決めまくり、アランはチームの司令塔として全体を完璧にコントロールする。個々の能力も、チームとしての完成度も完璧であった。

 当然、と言ってはなんだが、バスケットボールは彼らの圧倒的な勝利であった。ダブルスコア? いやいや、ゼロには何を掛けてもゼロでしょう?

 閑話休題。

 そしてついに、ミスコンとミスターコン、両方の投票が行われる――。

 ゼロには何を掛けてもゼロなんです。つまりそういうことなんです。

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