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ボーナス

 ツイートするよりも活動報告に書いた方がまだ大勢に見てもらえるという現状。フォローしない方が悪いんだと開き直ることにした。

『いやぁ、美味しかったなぁ……リル様、毎朝私にお味噌汁作ってくれません? あ、ダメ? あらら、五回目の失恋ですか』

 全員、ショックから回復し、次の審査との合間の時間。

 エルナが流れで何やら悲しげな過去を暴露しているが、それは置いておくとして。

『……こほんっ。えー、では次に行きましょうか! えっとですね、本来ならあと二つ程審査がある予定だったんですけど、少し時間が押し気味だということで、その二つをくっつけて次行うとのことです! と、いう訳で最終審査! 水着DEバレーボール! いぇーい! どんどんぱふぱふ!』

 何やらハイテンションなエルナである。

『まぁあれですね、有り体に言えば、海岸でもなんでもないここでビーチバレー的なのをやって頂こうということなんですけども。……男性諸君、想像してみてください? ほら、水着という、ともすれば下着とも変わらないような布切れ、しかも――これは人にもよるでしょうけど――露出度の高いものを身に付けただけの、無防備なうら若き少女達が、こう、走り回って跳び回るんです。……そりゃもう、揺れますよ?』

 ゴクリ、と、どこからか唾を飲み込む音が聞こえた。

『いやいや、何がとは言いませんとも。……でもほら、ね? 分かるでしょ? ほらだって、いますよね? 今回の参加者の中にも、期待出来る人が何人か……ふふふ』

 エルナの悪い笑いに合わせるように、こちらも不適な笑みを浮かべる者が数名。多分バカ。

(……いや、でも、実際リルとか凄い揺れちゃったりするんじゃないかな……何がとは言わないけど)

 何がとは言わない。だから、着替え待ちの列からこちらをジッと見つめるのはやめてほしいと思うユウシア。

「……揺れる」

「……プルンプルンと揺れる」

「おっぱお……」

(リル! 浄化! 浄化早く!)

 浄化されたはずの彼が、少し戻ってきた。ユウシアは先程彼を浄化したリルに助けを求める。もちろん彼女自身に浄化だのなんだのいう自覚がないので、返事もないが。

「――はっ! お、俺は何を……?」

 と、思っていたら、彼はハッとしたように回りを見回し始める。どうやら自力で戻ってこれたらしい。

『――さ、そろそろ準備が終わるとのことなので、ルール説明に入りましょう! 水着に関しては言わずもがな、どれだけ似合っているか、水着、そして自身の魅力をどれだけ引き立てられているかを見てもらいます! まぁ有り体に言ってしまえば、可愛いかどうかですね! で、バレーボールについてですが、こちらはくじ引きでチームを複数作り、トーナメント戦を行ってもらいます! もちろん、このコンテストは出場者達の魅力を競うものなので、あくまで見るのは競技中もどれだけ自分を美しくみせられるか、ですが! なんとなんと、順位によって最終結果にボーナスが入ります! しかも結構大きいです! 中には、そんなものには頼らず魅力だけで勝負するという人もいましたが、このボーナスないとぶっちゃけ割と厳しいです!』

 身も蓋もない。

 だが、元々最終審査として用意されていただけあって、実際ボーナスの存在はかなり大きい。それに、そうでもしないと、皆本気で戦おうとしないのだ。

 当然ユウシアは知る由もないことだが、かつて、まだミスコンが行われるようになって間もない頃は、そんなボーナスなどなかったという。

 その結果どうなったかというと、出場者皆が皆自分を可愛らしく、美しく見せるのに必死で、競技にならなかったという。

 ミスコンの趣旨としては、もしかすると間違ってはいないのかもしれないが、少なくとも学園祭の出し物として見ると少し違うのだ。

 と、そんな訳で、ミスコン、そしてミスターコンでも、最終審査のスポーツは、順位に応じてボーナスが付与されることになったのだ。

『ちなみに、そのままだと必然的に身体能力の高い近接系の人が有利になってしまうので、遠距離系の人に限り、簡単な魔法なら使用可能となっております! 使える魔法に関しては出場者の皆さんにはリストを渡してあるので、多分大丈夫でしょう!』

 そこは断言すべきではなかろうか、と、ここにいる全員が思った――が、この実況なら仕方ないと皆が諦めた。

 と、

『――お、準備が整ったようですね!』

 エルナが、舞台裏を覗き込みながら言う。

『では、早速登場してもらいましょう! どうぞ!!』

 PS4の辞書がバカ過ぎる。なんで一、二日程度で変換忘れてるんだよ……。「ユウシア」って変換しようとすると最初「融資あ」になるんだぞ。もうわけがわからないよ。

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