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参加依頼

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 それから一週間が過ぎた。

 結局あの追いかけっこでは、ヴェルムの逃げ足が速すぎてユウシアの“矯正”が実行されることはなかったそうだが、それはさておき。

 学園祭の準備は、着実に進んでいた。

「どこもかしこも飾り付けされて……学園祭って感じが出てきたな」

「ユウシアさん」

 教室の内装の手伝いをしていたユウシアの後ろから声がかけられる。

「あれ、先輩」

 振り返るとそこにはシオンの姿が。

「どうしました?」

「少し、よろしいでしょうか?」

「はい、別にいいですけど」

「ではすいません、ユウシアさんをお借りしますね」

 そう声をかけると、シオンはユウシアを連れてその場を離れていった。


++++++++++


 連れて来られたのは、いつぞやもシオンと来たことのある議会の本部。その中には、会長であるアランの姿もある。

「お久しぶりです、アラン先輩」

「うん、久しぶり。急に呼び出して悪かったね。まぁ、座ってくれ」

「いえ。それで、一体どんな用件で?」

 勧めに従い座るユウシア。その向かい側、アランの隣にシオンが座る。

「学園祭のことなんだけどね。毎年、見世物としてエキシビションマッチが行われるんだ。それに参加してもらいたいんだよ」

「エキシビションマッチ、ですか」

「そう。もちろん本気で戦ったっていいし、相手と口裏を合わせて見世物に徹してもいいんだけど。結構人気なんだよ。ちなみに僕もシオン先輩も出るよ。あとは、先生達からも何人か出たりするね」

「はぁ……まぁ、出てもいいですけど……」

「本当かい!?」

 机から乗り出し、目を輝かせるアラン。ユウシアは若干引き気味になりながら頷く。

「あぁ、ごめん、驚かせたね」

 アランは座り直すと、ホッとしたように息を吐く。

「いやぁ、よかった……武闘大会の優勝者である君の参加を楽しみにする声がとても多かったらしくてね、これで参加してくれなかったらどうしようと……」

「あぁ、なるほど」

 見世物である以上、期待に応えられないという事態はどうしても避けたいのだろう。

「エキシビションマッチでは、基本的に、本当に何をしても構わない。もちろん、常識的な範囲内でだけどね。そうだな、例えばだけど、僕ら三人が共闘とかしたら観客は湧くんじゃないかな?」

「なるほど、私にアランさん、ユウシアさんの三人……五国間学生武闘大会の参加者ですか。いいかもしれませんね」

「あぁ……相手はヴェルム先生にでもしてもらえばいいんじゃないですか? あの人暇そうだし。……というか、職務放棄して暇にしてそうだし」

「あぁ、あの先生、既に一年生にもそんな認識されてるんだ……やる時はやる人なんだけどなぁ」

 仕方ない。ヴェルムの自業自得である。アランの言う“やる時”が少なすぎるのだ。

「でもまぁ、うん。そういうことなら、僕ら三人で、やってみようか。ヴェルム先生にも頼んでおくよ。エキシビションマッチは一戦じゃないから、ユウシア君も何か面白そうな案が浮かんだらどんどんやっていいからね」

「はい、考えておきます」

「うん。それじゃあユウシア君、出し物の方も頑張ってね」

 手を振るアランに軽く頭を下げ、ユウシアは部屋を出る。

 とりあえず、宣伝も兼ねて執事服で出てやろうかな、と思った。


++++++++++


 教室に戻り、飾り付けの手伝いを再開していたユウシア。そこへ、大きな音を立てて扉が開かれる。

「ユっウっくーんっ!」

「うおっ」

 そこから飛び込んできたアヤを思わず受け止めるユウシア。

「ちょっと、アヤ、待って……!」

 遅れて入ってくるリリアナ。手には何かを持っている――と、いうか。

「あれ、アヤもリリアナも、その服……」

 そう。二人は、白と黒の二色で構成された服――つまり、

「えぇ。とりあえず、メイド服の方は出来たわ……!」

「つっかれたー!」

 手に持っていたメイド服を広げて見せるリリアナに、声を上げて寝転がる――訳にはいかず、そのままユウシアにもたれかかるアヤ。

 元々は内装担当だったアヤなのだが、やらせてみると意外と裁縫の才能があることが判明して……と、いうか、【芸達者】が上手く働いたのか、普通に上手かったので、裁縫をメインにやってもらったのだ。内装に関しては、他の皆がアヤがいなくても問題ないと主張したのもある。

「どうかしら? 元々の固っ苦しい感じじゃなくて、結構可愛らしく出来たの思うのだけど」

 その場でからのクルリと一回転し、リリアナが服を見せてくる。

「うん、いいんじゃないか? すごく可愛いと思う」

 と、頷きながら言うユウシア。

「そ、そう……」

 リリアナは照れたように俯く。

「……ユウ君のすけこまし」

「前も言われた気がするなそれ!?」

「だってそうじゃん」

「いや、紛れもない本心でっ……っていうか、アヤはいつまで人にもたれかかってるのさ!」

「ぶー」

 口を尖らせながら立ち上がったアヤは、何か思いついたようにすると、

「ねぇねぇ、あたしはどう? 可愛い?」

「あーうん可愛いんじゃないか?」

「酷くない!? ねぇ反応酷くないっ!?」

「からかおうって魂胆が透けて見えてたから」

「くっ、こうなったら……リリアナ!」

「えっ、あたし?」

 顔を上げるリリアナ。アヤはそんな彼女に視線で何かを伝えようとして……

「……!」

 伝わったらしい。リリアナは頷き、その場を走り去った。

(一体何をする気なんだ……)

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