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5話
5話
夢を見た。
遠い昔の思い出したくもない思い出……
僕の目の前で中学生の人達がお姉ちゃんに暴力を振るっている。
お姉ちゃんは悪くないのに……弱い僕が悪いのに。
「お姉ちゃん!」
僕はお姉ちゃんを助けたくて、怖いのも我慢して、お姉ちゃんに駆け寄ろうとした。
でも僕は動けない。
小学校高学年の人達に押さえつけられている。
抵抗したけど、低学年の僕の力じゃ振り切れない。
ただ手足をばたつかせているだけだった。
お姉ちゃんは殴られて、蹴られて、引きずられて、痛くて辛くて苦しいはずなのに、僕に笑顔を向けてくる。
なぜお姉ちゃんが笑っていられるのか、小さいぼくにはわからなかった……
「……大丈夫。竜也はちゃんと……お姉ちゃんが……守るからね」
僕はただ、暴力を受けているお姉ちゃんを泣きながら見ていることしかできなかった。
そんな自分が悲しかった。
惨めだった。
情けなかった。
そしてなりより、無力な自分が悔しかった。
僕はこの日、決意した。
お姉ちゃんを守れるくらい強くなると。




