37話
次の日の昼休み、俺は青山を体育館裏に呼び出した。
「なにかしら?」
「よくもまあ、ぬけぬけと」
青山はこの前と変わらず、自信満々な態度で腕を胸の前で組んでいる。その態度に今すぐにでも殴ってやりたいという気持ちに駆られたが、どうにか自制する。
「お前が準を仕向けたんだろ」
「なんことだかわからないんだけれど」
ここまで言っても白を切るつもりのようだ。
こんな時はどうする。答えは簡単。
探偵や警察はどうやって犯人に罪を認めさせるか、それは決定的な証拠を突きつけてやることだ。
ポケットから携帯を取り出し、証拠となるものを青山に突きつける。
「これでも同じ口を吐けるか」
「なっ!?」
さすがの青山も動揺を見せた。俺が見せた証拠とは準と青山が仲良く肩を組んでいる写真だった。
「そ……それが何の証拠になるの? その写真で私が準をけしかけたかなんてわからないじゃないっ」
青山も相当焦っているのだろう。言葉が早口になり、激しく動揺している。だが、青山の言うとおりこれでは決定的な証拠にはならない。でも、俺はこの写真以上に決定的な証拠を持っている。
「これを聞いてみろ」
そう言って俺はとある動画ファイルを再生する。
「私こと準は青山に言われたことと咲良への復讐心から日向自由を誘拐し監禁しました。今では本当に反省しております……」
という準のこの事件の真相に関することと、この事件に関わった全員への謝罪を口にした動画だ。
実はあの後すぐには帰らず、たまたま準の落とした携帯を拾い中を見てみると、待ち受けに青山の姿があった。そして俺はおそらく、青山は元から準と付き合っており、ガーデニング部を作りたかった。その時に何らかの話題で俺の中学の頃の話を聞いて、俺の中学の話を出汁に邪魔な存在である文芸部を妨害、そして先生たちに気に入られるために花壇の世話もすることを約束していた。
という推測を思いつき、準に吐かせることにした。すると準は怯えた様子ですべてを語ってくれたのだ。もちろんこのことは日向には話していない。アイツに暗い世界は見せたくなかった。
「これでも言い訳をするか」
「うっ」
「交換条件だ」
「交換条件?」
面倒くさいのでさっさと本題に入る。
「簡単なことだ。日向に謝れ」
「そんなことでいいの?」
「俺はそれ以上は望まない。それに俺が中学時代ヤンキーみたいなことをしていたのは事実だ。準に恨まれていたのも俺だ。だから俺のことに関してはこの際どうでもいい。ただ日向は違う。俺の面倒事に巻き込まれただけだ。アイツになんの罪はない。だから日向だけのは謝れ」
青山は一瞬驚いた顔をした後、「わかったわ」と俺の交換条件を呑んだ。
その後青山は何を言うでもなく体育館裏を去った。




