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元ヤン君と天使な彼女  作者: Rewrite
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2話

 2話



 今日から通う私立 紅葉こうよう高校は、俺の家から歩いて三十分くらいのところにある。

 特に変わったことのない、普通の高校だ。

 まぁ逆に言えばつまらない学校なわけだが。

 有名な行事もないし進学校でもない、強い部活もこれといってない。

 本当に何もない学校だ。

 俺は学校に到着し、昇降口前の一年クラス分けで咲良さくら竜也たつやの名前を探し、学校案内で教室の場所を確認する。


「F組か、場所は四階の一番右端だな。」


 この学校は上から見ると「H」の形をしている。

 普通の教室と理科室や音楽室のような特別室が別れている形だ。

 昇降口は普通の教室等の方だけにあり、真ん中の通路を使って教室棟と特別棟をわけているらしい。

 俺は俺と同じく今日この学校に入学する多数の生徒に紛れながら下駄箱で新品の上履きに履き替え、教室へ向かう。

 すんなり教室を見つけ、中に入るとみんな一瞬俺の方を見たが、すぐに視線を逸らした。

 まぁ、普通の反応だ。

 今日初めて会ったヤツにいきなり話しかけるヤツなんてそうはいない。

 俺は指定の席について、担任が現れるのを待つことにする。


「おっはよーございまーす!」


 十分後くらいに担任らしきヤツが現れた。

 女教師で歳は二十代半ばくらいに見える。

 担任? は黒板に自分の名前をすらすらと書いていく。


「今日からみんなの担任になるおおとり たまきでーす。今日からよろしくね」


 やたら子どもっぽい自己紹介をした鳳が次の指示をだす。


「さぁ、入学式が始まるので廊下に並んでくださーい」


 廊下に整列して体育館に移動し、長ったらしい入学式を終え、みんな教室に戻って来た。

 戻って来たとたん、いつの間に仲良くなったんだか、数人のヤツらが固まって「校長の話しだるかったねー」、「あー、やっとくつろげる」などと口々に話している。

 誰とも話す気がない俺は、席でぼーっとしていた。

 何人かが俺の方を見て、視線が合うと怯えたように視線を逸らした。

 もうこんなことには慣れている。

 中学の頃なんか、怯えた視線どころか、殺人鬼にでも会ったかのように、震えだす者もいた。

 だがそんなことも今となっては割と約だっている。

 俺は他人と関わりを持つ気がない。

 いや、持ってはいけない。

 そんなことを思っていたら、鳳が教室に入って来た。


「帰りのHRホームルームですよー」


 鳳は明日の日程や持ち物を言い、生徒を起立させて「さようなら」と挨拶をして出て行った。

 俺も一早く教室を出ようと、カバンを持ち扉を出た。

 他のみんなは残って何か話すみたいだが、俺には関係ない。

 下の階に降りてきて昇降口の方に向かうと、下駄箱の前に生徒達が集まっている。

 どうやら女生徒が突然倒れてしまったらしい。

 そこまでわかっていながら、生徒達は動かない。

 生徒達が邪魔なので手で押しのけながら、俺は下駄箱の方へ向かう。

 そして女生徒の近くで腰を下ろして、彼女を背負った。


「えっ!? その子どうするの?」


 ただ傍観していただけの生徒から声をかけられる。


「そこをどけ」


 俺は冷たく言い放つ。ついでに睨みつけておく。

 その生徒は二、三歩後ろに下がって黙った。

 俺は目的の場所へ歩を進めた。


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