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元ヤン君と天使な彼女  作者: Rewrite
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20話

 20話


 目が覚めた。アラームは鳴っていない。窓から微かに差し込んでくる日差しで俺は目が覚めた。

 手探りで携帯を見つけ、重たい瞼を開けた。

 まだ6時だった。昨日はいろいろあって、早く寝てしまったので、その影響で早めに目が覚めたのだろう。いや、もしかしたら昨日の一件で眠りが浅かっただけかもしれない。

 いつもなら二度寝をするところだが、もう眠気は完全になくなっていた。

 やはり昨日の青山の言葉が尾を引いているのだろうか。

 どういうことかはすぐにわかる。なんて言っていたが、何がわかるというのだろうか。

 学校まではまだ時間があるので、暇つぶし程度にまた思考を始めた。

 30分程思考にくれていたが、やはり何も思いつかなかった。

 何かを考えては否定し、案を出せば却下する。この繰り返しである。

 家に居ても仕方ないので、今日は早めに出ることにした。

 かといって、早めに学校についてもすることがないので、遠回りして行くことにする。

 いつもは大通りを使って学校へ向かうが、今日は商店街を通って向かう。

 まだ7時も回ってないのでどこの店もしまっている。

 いつもと違う風景を見て、なんとなく歩いていると、ひとつの店のシャッターが開いた。

 看板を見たところ日本人形の店らしい。

 人が出てきた。黒の長髪がキレイな日本人形のような少女だ。

 黒髪が太陽の光を浴びてキラキラしている。とても魅力的だった。

 俺はその少女に見とれてしまっていた。

 後ろ姿だけしか見れてないが、それだけでも満足だった。

 少女がこちらを振り向く、驚いたことに俺は少女の顔を知っている。

 日向だった。一瞬、見間違いかと思ったが紛れもない本人だ。

 今まで何回も日向と話したり、会ったりしていたが、見とれたことはなかった。

 日向がこちらに気づき、少し驚いたようすでこちらに走ってくる。


「悪魔さんですよね?」


 小首を傾げながらいつものようすで聞いてくる。

 日向がいつも通りだったので、安心した。今はさっきのような感情はない。

 いつも通りに振る舞える。


「あぁ。お前んち日本人形屋だったのか」

「はい。悪魔さんはなんで商店街に? 悪魔さんの家はこちらの方じゃないですよね? それもこんな早い時間に」


 素直に言っても良かったが、昨日のことが気になって早起きしてしまった。なんて言えない。言ったら日向がまた落ち込んでしまうだろう。

 俺は少し嘘をついた。昨日の話についてをすべて抜いて話した。


「朝早く起きたから寄り道しながら学校に行くことにしたんだ」

「そうなんですか。早起きは良いことですよ~。1日がハッピーになります! せっかく会えたんですから一緒に学校に行きましょう!」

「そうだな。もうそろそろいい時間だし、学校行くか」


 俺たちは初めて一緒に登校した。

 商店街からでも30分程で学校に着いた。学校に来るまでの間日向がいつものようにどうでもいいようなことを絶えず話してきた。俺もいつものように適当に相槌を打つ。昨日あんなに落ち込んでいたので少し心配していたが俺の取り越し苦労だったようだ。

 学校の校舎についている時計を歩きながら見るとまだ時間は8時で学校が始まるまで30分もある。

 30分も教室でじっとしてなきゃいけない思うと、急にだるくなってきた。

 F組の前に着いたので、ここで日向とは別れることになる。

 別れの挨拶なしに俺は自分の教室に入った。後ろには日向。


「なんでついてくるんだ。お前は違うクラスだろうが」

「まだHRまで時間があります! それまで悪魔さんと話してあげます!」


 腰に手を当て、えっへんと言いながら、満足げにしている。

 正直、腰に手を当てるポーズは、前ならえの先頭にしか見えない。


「断る。お前も学校で俺と一緒にいると変な風に言われるぞ」

「かまいません! みなさんが悪魔さんの優しさに気づいてないだけです!」


 それは違うだろう。誰にも優しくしてないし、する気もないんだから優しいなんて思われるはずがない。


「優しくなんかないっての。俺はそんな善人じゃない」

「そんなことないですよ~」


 どうやっても引き下がるつもりはないらしい。

 俺はあきらめてクラスを見回した。こんな時間なのにもうクラスのほとんどの奴が登校してきていて仲間内でだらだらと話している。

 ただ、今日はなんかクラスの様子がおかしい。

 いつもならみんな俺を怖がってこちらを見ないはずなのに、今日はチラ見してくるヤツが多い。

 目が合えばそらすが、やっぱり少しおかしい。


「どうかしたんですか? 悪魔さん」


 日向が俺の様子が変だと思ったのだろう。心配そうにしている。

 返事のために口を開こうとしたそのとき


「咲良ぁぁぁぁ」


 白鳥が大声で俺の名前を叫びながら教室に入ってきた。


「うっせーぞ白鳥! 黙って教室にくらいこれないのかよ」


 怒気を含んだ声で返したが、白鳥はそれどころではないようすで、肩で息をしながら聞いてきた。


「咲良。お前……中学時代……ヤンキーだったのか?」

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