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元ヤン君と天使な彼女  作者: Rewrite
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18話

 18話



 俺たちは後ろを振り返る。

 そこには三人の女生徒が立っていた。

 学年はリボンの色からして俺らと同じ一年のようだ。

 この学校は、リボンや上履きの色で学年がわかるようになっている。俺ら一年は赤色だ。


「どういうことだ」


 日向もアネキもあまりのことに呆気を取られていたようなので、俺が返事をした。


「そのまんまの意味よ!私たちがアナタ達に負けるわけがないの」

「なぜですか!」


 日向が珍しく荒げた声をだした。

 俺らに対して言ったわけでもないのに、少し驚いてしまった。

 それでも相手はひるまない。


「その意味はすぐわかるわ。私たちから言わなくてもね」


 わけがわからなかった。

 俺たちが特に何かしたわけでもない。

 コイツらの口振りからして、俺らより先に勧誘活動していたとは思えない。

 していたとしても、確実にどちらが勝つかなんてわからないはずだ。人数だって相手からしたら、俺とアネキを入れて三人に見えるはずだ。

 つまり思い当たる節がない。

 俺が必死に心当たりを考えていたら、相手の三人は踵を返した。


「ちょっと待てよ」


 俺は久々に少しドスを効かせた声をだした。

 普通なら少しは怯えるはずだが、相手はむしろ口を吊り上げた。


 ―――まるで勝利を確信したかのように


 俺はそれを無視して、聞きたいことを口にした。


「名前はなんだ」

「名前?なんでそんなこと教えなきゃ行けないの?」

「いいから教えろ」

「青山 久よ」

「そうか。ならもう失せろ」


 青山は後ろの二人を引き連れてその場を去った。

 そして俺はあまりの怒りに口調に少し変わっていたのを自覚した。

 そのとき、日向が泣き崩れた。あまりの ことに涙がこらえられなくなったのだろう。

 ショックを受けてたときにあれだけのことを言われたのだ。無理もない。


「アネキ。日向の側に居てやってくれ。俺には行く所がある」

「どこに行くのよ?」

「どこでもいいだろ」


 俺はろくな返事をせずに目的の場所へ向かった。



 職員室に着いた。

 いつもならちゃんと挨拶して入るが、イラだっていたし急いでいたため、挨拶なしに入る。

 教師が俺を注意し始めたが、無視して目的の人物を探す。

 見つけた


「鳳。ちょっといいか?」

「なにかな咲良くん?」


 鳳は少し怯えたようすで、俺を見る。

 意識的にやっているわけではないが、自然と顔が強張っているのかもしれない。

 ただ普通に先生が俺に怯えてる可能性もあるが、そうではないと思いたい。


「最近、俺ら以外に部活の勧誘をしている部活はあるか」

「えぇ。ガーデニング部を作りたいって子が来たわ。確か青山さんだったはずよ」


 鳳が少し驚いた顔をして言ってくる。なんで知ってるのか不思議だったのだろう。

 一応名前を聞いておいたが、名前を言わなくてもわかったらしい。話が早くて助かった。


「じゃあガーデニング部が作られるのは確定なのか?」

「いいえ。そんなことはないわよ。でも文芸部かガーデニング部しか作れないことになっちゃった。明日、日向さんと青山さんに言おうと思ってたんだけど」


 申し訳なかったのだろう。だんだん語尾が弱くなっていた。


「なんでだ?両方作ればいいだろ」


 俺はもっともな疑問を口にする。


「顧問が足りないの。顧問になれるのはあとあたし一人だけなのよ。他の先生はもう顧問してるか、やりたくないらしくて」


 なんてひどい理由だよ!とキレてやりたがったが、ここは抑えた。

 何か問題を起こしたら文芸部を作れなくなるかもしれない。そんなことなったら日向が悲しむだろう。アネキにも殺される。


「わかった。あんがとよ」


 俺は聞きたいことだけ聞いて職員室を出た。

 教師連中がまだ怒っていたが、無視。

 職員室で話しを聞いてやっぱりおかしなことがあった。

 なぜ青山がガーデニング部が作られて、文芸部が作られないと言ったのか、それではまるで、勝ちを確信してるみたいではないか。

 単に自信があっただけかもしれないが、態度やセリフからしてその線は薄い。

 それに鳳の話しだとこの話は明日話されるはずで、今日知っているはずがない。

 おかしな点が多すぎる。

 それに青山の言ったあの言葉。


「その意味はすぐわかるわよ。私たちから言わなくてもね」


 あれは何かが起こることを確信してないと言えない言葉だ。

 文芸部は活動を始めたばかりで特に問題を起こしていない。

 それなのに青山はなんであんなことを言ったのだろう。

 しばらく考えたが、何もわからなかった。

 情報が少なすぎる。

 わからないなら仕方がない。とりあえず日向とアネキを探しに行くことにした。


 居そうな場所を一通り回ったが、日向達はどこにもいなかった。

 どうやら先に帰ってしまったようだ。

 帰ってしまったのならどうしようもないので、一人で帰ることにした。


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