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元ヤン君と天使な彼女  作者: Rewrite
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16話

 16話


 夕食の時、アネキが今日の活動について聞いてきた。


「今日の活動はどうだったの?」

「あぁ。チラシ配りをやめさせられたよ」

「えっ!? なんで!?」


 アネキがすごい形相で、テーブルを叩きつけながら聞いてきた。

 明らかにイラだっている。

 今日はいろいろあって疲れてるからあんまり話を長引かせたくないな。

 素直に答えておこう。


「他の生徒に迷惑なんだと」

「なによそれ!? それじゃあ文芸部を宣伝できないじゃない!」


 アネキがますます顔を怒り一色に染めていく。

 俺はここらでアネキの暴走を止めることにする。

 でないと、暴走して今日はこれで終わっても明日職員室に乗り込むとか言いかねない。

 ここらで手を打たねば。


「掲示板への貼りだしはいいんだと」

「でも、宣伝力が下がるじゃない」


 それでもアネキの怒りは治まらなかった。

 むしろ悪化して激怒にランクアップした。

 しまった。選択肢を誤った。

 少しウソを混ぜておくべきだった。

 でも今更ウソでしたなんて言えない。俺が殺される。


「しょうがないだろ、反論しようにも先生が俺と顔あわせないし、それに学校で問題起こすなって言ったのアネキだぞ」

「そんなときくらい問題起こしなさい!」


 アネキが怒りにまかせてとんでもないことを言い出し始めたので、俺はこの会話を終わらせにかかる。

 これ以上は本当に不味い。


「それよりアネキこそ部活どうなんだよ?」

「今はそんなのどうでもいいのよ!」


 ダメだった。

 アネキの暴走は止まらない。

 どんどん加速していく。

 アネキをなだめるのをあきらめ、俺は食器を片付けて自室に戻った。




 次の日の放課後、日向が誰か見てくれてるか気になる。と言いだしたので、掲示板を回ることになった。


 入部希望者はそのチラシに直接クラスと名前を書いてもらい、こちらから出向くシステムなっているので、少ししたら見に行く予定ではあったが、まさか一日で行くとは思わなかった。

 でも俺は拒まなかった。前までの俺なら無視して帰っただろうが、一緒に回ってやることにした。

 こうみると俺も丸くなったものだ。

 入学当時からは想像もつかないほど、丸くなった。

 一番近い4階から順に下に行くように回った。

 結果から言えば、入部希望は1人としていなかった。全部で五カ所に貼っていたが、どのチラシにも名前は書かれていなかった。


「うぅー。残念ですぅ」


 落ち込んだ様子で日向が肩を落とした。

 日向に元気がないとこちらまで調子が狂うので、声をかけた。


「さすがに一日じゃ誰も気づかんだろ。もう何日かしたら誰か見てるかもしれないぞ」


 我ながらホント成長した。

 慰められてるか知らないが、自分的には慰められてるはずだ。


「……はい。そうですよね。もう少ししたら、みんな見てくれますよね!」

「あぁ。たぶんな」

「たぶんとか言わないでくださいよ~。悪魔さん」


 日向は俺の胸板をポカポカ叩いてきた。

 まったく痛くない。

 こうして勧誘活動2日目は終わった。

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