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元ヤン君と天使な彼女  作者: Rewrite
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13話

 13話



 次の日の昼休み、白鳥がいつも通り俺の席までやってきた。


「咲良! 昼休みだぞー、飯だぞー」

「言われなくてもわかってる」


 今日もアネキが部活なので今日の昼はコンビニで買ってきたおにぎりだ。

 白鳥は自前の弁当を取り出した。


「昨日の昼休みどこに行ってたんだよ」


 白鳥が昨日の昼休みに何していたかを聞いてくる。

 まぁ、聞いてくるとは思っていた。


「昨日は1人で下駄箱で食った」

「なんだよ~! 俺ちゃんと待ってたのに」

「知るかよ」


 すぐに話題を終わらせる。

 ホントのことを言うわけにはいかない。

 下駄箱で女子と話してた。

 なんて言ったらこの昼休み、永遠と質問攻めにあう。


「ひでーな! そういや昨日さ―――」


 白鳥が次の話題へ話しを変える。

 俺と白鳥はいつもと変わらない会話をする。

 会話といっても白鳥が一方的にどうでもいいようなことを話し、俺はそれをBGM代わりに聞き、適当に「ああ」とか「そうか」など相打ちを打つだけ。

 これが昼休みのいつもの俺らのやりとりだ。


「悪魔さ~ん!」


 廊下から俺を呼ぶ声がする。

 こんな呼び方をするのはあいつしかいない。

 日向だ。


「げっ! アイツなんで!?」

「一緒にお昼食べましょ~う」


 日向は教室の入り口辺りで手を大きく振りながら俺を呼んでいる。

 正直、恥ずかしいのでやめてもらいたい。

 俺がため息を吐いていると、白鳥が驚いた顔で俺に日向のことを聞いてくる。


「彼女か!? おい咲良! 彼女なのか!?」

「ちげーよ。俺には彼女どころか友達すらいねぇ」

「友達はいるだろ」


 白鳥が自分を指さしながらそう言ったが俺は友達とは思っていない。

 どんな関係かといえば、そうだな、昼休み専用のラジカセってところか。

 ろくな情報は入ってこないが。

 俺が白鳥を適当にあしらうと、日向がこちらにやってくる。

 クラスのヤツらは白鳥はともかく、俺に他の知り合いがいないと思っていたのだろう。

 皆、驚いた顔をしている。


「悪魔さん! 一緒にお昼しましょうよ」


 そんなことはおかまいなしに、日向はいつもの無邪気な顔で俺らの方に近づいてくる。

 白鳥だけでもうるさいのに日向まで入ってくるとさらに騒音が増すので断ろうかと思ったが、断っても無駄そうなので入れてやることにした。

 できれば無駄な労力は使いたくない。

 白鳥も一緒に食べることに反対することなく日向を受け入れた。

 だがすぐその後、ハンカチをポケットから取り出して、それを口にくわえながら「俺と咲良のラブラブ時間がー」とか言い出したので一発殴っておいた。


「勝手にしろよ」

「はい! 勝手にしますね!」


 笑顔で近くから誰も使っていないイスをもってきて、俺の机に弁当を置き、蓋を開けて嬉しそうに「いただきます!」と弁当を食べ始めた。

 中身は卵焼きなどのお弁当の定番のおかずが栄養を考えられたようなバランスで入っており、ご飯はふりかけのようだ。

 俺はおにぎりを食べながらふと、思った質問を口にした。


「お前に俺のクラス教えてないよな? なんでわかったんだ?」


 俺が日向の教えたのは名前だけだ。

 この前の臼井の一件がもっとも有力な線だが、日向は気絶していたのでいくら俺が原因を知っていたとはいえ確信にはならないはずだ。


「あのですね……1クラスずつ悪魔さんがいないか確認しながら来ました。途中で何度か転んじゃいましたけど」

「ふっ」


 俺は日向が転ぶのが容易に想像できて、つい鼻で笑ってしまった。

 でも日向の奴、そんなことをしてここまできたのか。

 他のクラスで「悪魔さーん!」とか呼んでなければいいが、いや考えるのはよそう。本当にやってそうだ。


「あぁー! ひどいです悪魔さん。人の失敗を笑うなんて」

「あぁ。すまんすまん」


 日向は怒っているみたいだが、全然怖くない。

 むしろ手を振り回したりしていて、可愛いらしくみえてしまう。

 そんな風に俺が感傷に浸っていると、白鳥が俺の視界に入ってきた。


「おい! 咲良!」

「なんだ白鳥? てか、いたのか?」

「いたよ! 最初からいたよ」


 日向が白鳥について俺に聞いてきた。


「悪魔さん。この人誰ですか?」

「クラスメートの白鳥。ただの変態だ」


 俺が白鳥の説明を懇切丁寧にしてやった。

 これ以上の白鳥の説明の仕方を俺は知らない。

 一緒にいても、白鳥の話を聞き流しながら適当に相づちを打っているだけなので、ホントに何も知らない。

 もしかしたら自分のことを話していたかもしれないが覚えていない。

 すると白鳥は怒った様子で立ち上がり、机を少し強めにたたいた。


「誰がただの変態だ! 俺は生粋の変態だ」

「ツッコムとこそこかよ!」

「当たり前だろ! 俺をそこらの変態と一緒にされたら困るぜ」


 何がそんなに誇らしいのか白鳥が胸を張りながら主張した。

 こんなクラスメートがたくさんいる中、自分は変態なんだと言えるんだから白鳥は少しおかしいと思う。

 そして白鳥を普通のいいやつだと思っているクラスの奴らも。

 俺なら絶対「自分は変態だ!」なんて人前で言えないわ。


「まぁこんなヤツだ。普段は危ないから近づくなよ」

「はいっ!」


 俺が日向に忠告しておいてやると日向は無邪気で明るい笑顔で返事してきた。

 なんか日向は「おかしあげるからおじさんについておいで」とか言われたら「ほんとですか!」とか言ってついて行ってしまいそうだから怖い。


「さすがの俺も傷つくぞ」


 白鳥が珍しく傷ついていた。日向に悪気はないのだが、素直な分、言われた側は大いに傷つく。

 俺はこの前身を持ってこれを体験した。

 今回ばかりは俺も白鳥に同情してしまった。


 ドンマイだ!白鳥。


 こんな感じに俺たちの昼休みは過ぎていった。

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