10話
10話
この日もまた夢をみた。思い出したくもない、あの日のことを。
僕は中学生になった。新品の制服に身を包んで喜んだ。
ランドセルからバックになって嬉しかった。
そして何より、あのときより強くなれた。
学校でも楽しくやれていた。
友達もいたし、親友までいた。
満足だった。
ある日の放課後、親友の準と一緒に帰った。
通学路の公園を通ろうとしたら、近くの学校の生徒がたむろっていた。
僕らがすぐ横を通ろうとしたら、その生徒達は僕らを囲むように道を塞いできた。
「ちょっと金貸してくんない。僕たちお金に困ってるんだよね」
相手の連中が金を要求してくた。
カツアゲだ。
僕は準を守るように戦闘態勢に入った。
僕はこんなときに場違いだが、僕の力が試せると心を踊らせていた。
「なんだよ! ちょっとお金かしてほしいだけなのに」
「うるさい。そこをどいてくれ」
「こっちが大人しくしてれば調子にのりやがって」
相手の一人が殴りかかってきた。
僕は相手の手を受け止めて、そのままひねりあげた。
「いててっ!」
「これで僕の力がわかったか。わかったならそこをど……」
相手の一人が僕の顔を殴る。
僕はとっさに手を離して、顔をずらし、威力を軽減する。
「調子のんなよクソが!」
相手の5人全員が一斉に襲いかかってきた。
僕は相手の攻撃をなるべくかわしながら、拳を叩き込む。
でも、数の差は戦力の差だ。
だんだん僕が追い詰められる。
鳩尾に、顔に、拳を叩き込まれ、立てなくなるまで殴られ続けた。
せめて準だけでも逃げてもらおうと準の方を見た。
でも、視線の先では僕を裏切る結果が待っていた。
準は僕が殴られているのを、相手のリーダーらしきヤツと笑いながら見ていたのだ。
意味がわからなかった。
なんで相手の方に準がいるのか、わからなかった。
「なんで? なんで準がそっちにいるの!?」
必死に声をだした。
「うっさいんだよ! いつも親しげに話してきやがって」
僕は混乱する。
僕の知ってる準はこんなこと言ったりしない。
「鍛えてるとか言ってたから、強かったら仲間にしてやろうと思ったが、とんだ雑魚だな!」
このとき僕の中の何かが壊れた。
気づいたときには周りにいたさっきの連中と準が倒れていた。
僕は怖くなって逃げるように家に帰った。




