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ほんわか短編集

お昼寝

作者: あさり

「眠い」

隣で君がぼそりと呟いた。


無理もない。今は五時間目。丁度昼ご飯を食べた後で、一番眠くなる時間帯だ。

しかもどう聞いても子守唄にしか聞こえない先生の話し声と、今の時期特有の、あの涼しいけれど太陽がぽかぽかと暖かい感じは、春とはまた違った意味で眠気を誘う。


あ、とうとう船を漕ぎ始めた。がっくんがっくんと頭が揺れている。これは先生にばれるのも時間の問題かな。

さて、ここで声をかけてあげるのがいいのか、それともそのままにしておいた方がいいのか。普通は起こすのかもしれないけれど、心地よい眠りを妨げたと後で責められるのも嫌だ。


そうこう考えてる間にも、君は気持ち良さそうに寝息をたて始めた。

やっぱり先生に怒られるのは可哀想だから、そっと起こしてあげようと、手を伸ばす。


「───くん……」


肩を叩くはずだった手は、空中で止まってしまった。

君が寝言のように呟いたのは、紛れもなく僕の名前。


空中で行き場を失っていた手を、そっと降ろす。


君はきっと、後で先生に怒られるだろう。


そしてその後で、なんで起こしてくれなかったのか、僕に詰め寄るに違いない。


だけど知るもんか。



君が、僕の名前なんて呼ぶから悪い。


今回はちょっと恋愛風になりました。

最後の方は、書いててニヤニヤしてしまいました。

私も午後の授業は眠たくなります。特に五時間目らへんは睡魔との戦いですね。五時間目開始のチャイムと共に、ほら貝の音が聞こえてきそうです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の一文。良い終わり方ですね。読み終えて、心がほっこりしました(´∇`) シチュエーション、作風共に、共感しやすい作品だと思います。文章自体も読みやすく、すんなりと思い描くことができま…
2014/11/09 22:51 退会済み
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