表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セルフィッシュ ふぃすと!  作者: しゅんぎく
3/5

怠惰→激突→出会い

10分だ


今日から新学期

太った教員が学生の前に立ち、話し始めてからの時間だ


「え~今日から新学期ということで、え~・・・


同じセリフを何回繰り返せば気が済むのだろう


そんなことを思いつつ彼女、雪城姫子ゆきしろひめこは前に立つ数少ない友人に声をかける


「ねぇ雫?」


雫と呼ばれた少女が振り返り答える


「43回です」


雫は満足げに答える

なんのことやら分からない姫子は不思議そうな顔をしてみせる


「10分間で彼が”え~”と言った回数ですよ!」


小学生か!というツッコミをいれつつ、雫は話し始める


「どうにかして抜け出せないかしら?」


「このあとホームルームもありますが?」


「何のためにあいつらがいるの?」


「私たちの代わりに連絡事項を聞くためでないのは確かかと・・・」


「もう硬いこと言わないの!」


姫子は教員たちが並ぶ列の中に担任を見つけると、軽く手を挙げお辞儀をする


「どうかした?」


昨年新任教師としてこの学校にやってきた若い男の教員だ

確か名前は佐々木だった気がする


「水庭さんの体調が良くないみたいで・・・」


「姫子さん?私は別に・・!?


「私保健室まで連れて行きます。私の力で治してあげられるかもしれませんし」


空気の読めない友人のわき腹に肘鉄を加えつつ、佐々木に笑顔でそう言った


「あぁ、そうしてもらえると助かるよ」


佐々木の許可も得たので、先ほどのエルボーでぐったりしてる雫に肩を貸し、体育館を後にした


「ひどいです・・本当に私の体調が悪くても全然心配してくれないくせに・・・」


すでに痛みは消えているものの、雫は目尻に涙を浮かべながら愚痴をもらした


「無事二人でサボタージュ出来たんだからいいじゃない!しかも教員公認の」


そう言いながら雫の肩に腕を絡ませながら続ける


「それに、私の能力があれば雫はあれくらいへっちゃらでしょ?」


自然治癒力・・・

人間や動物には生まれながらにして病気や怪我を治す力を持っている

その力を急激に向上させる、それが姫子の能力だ


「傷は治すことが出来ても、やられた時の痛みはあるんですからね!?」


涙目で訴える雫を無視し、目的地である保健室の扉を開ける

中には保健師である岡野元おかのげんが窓際でタバコを吸っていた


「元ちゃん学校でそれはどうなの?」


姫子の記憶が正しければこの学園では敷地内での喫煙は制限されていたはず


「硬いこと言うなよ姫子嬢、分煙室まで遠くてね」


そう言いながらポケットから携帯灰皿を取り出すと、タバコの火を消した


「どうせお前らもサボりだろ?」


ニヤニヤしながらポケットからタバコを取り出すと口に咥え火をつけた


まだ吸うのかよとツッコミをいれようとするが、姫子より先に雫が口を開いた


「私はサボりではありません!姫子さんに巻き込まれただけです!」


涙目で訴えかける雫はとても可愛らしい


「まぁそれは良いとして、お前らみたいな美少女2人でオジさんと密室に3人きり・・・」


手をわしゃわしゃしながら元が二人に真顔で迫ろうとする


「あれ恭子ちゃんは?」


元の冗談を”いつものように”無視し、姫子が聞く


「便所だ、長いからおそらく大の方だろうな」


タバコの灰を携帯灰皿に落としつつダルそうに返事をする元


「どうしてそうデリカシーがないんですか!」


いきなりの大声に驚きながら振り返ると、姫子達が入った時に開けっぱなしになったドアの前に顔を真っ赤にしながら小柄の女性が怒りを露にしていた

林恭子はやしきょうこ

元と同じ保健師である、やる気のない元にいつも世話を焼いている


「あぁ!またタバコ吸ってるし!ここではやめてくださいっていつもいつも言ってるのに!」


「上司命令だ、見逃せ」


「いいえ、許しません!」


恭子は元の咥えるタバコを奪い、携帯灰皿(元から奪ったタバコを入れる用、恭子はタバコを吸わない)にしまう


「姫子ちゃんたちもまたサボり?」


「いえ、私は姫子さんにまきこまれ・・・!?


あっさり友人を裏切ろうとする雫のわき腹に再度肘鉄を喰らわせる


「雫が急に気分が悪くなったみたいで・・でももう元気そうなんで私たちはこれで!」


面倒なことになりそうだ・・

そう思った姫子は元気そうどころかぐったりしている雫を脇に抱え、そのまま保健室を走り去った


回復した雫と共に仕方なく教室へ向かう途中、窓の外に見知った学生が落下しているのが見える


「あのアホ共が・・・


雫があからさまに不機嫌そうな顔をしながら呟く

ため息をつきながら姫子は教室へ向かう足を早めた


教室に入ると、見覚えのある背中をした少年が開いた窓から外に向かって何かを叫んでいる


「くだらんことはやめてさっさと帰るぞ?さっさと支度しろ」


姫子の声に一瞬ビクっと震えた少年は恐る恐る振り向いた


窓から入る心地良い風

その風で黒い髪を逆立てながら気持ち悪い笑みを浮かべるその少年は


まさしく悪魔だった



前回の男性陣紹介に引き続き、今回は女性陣の紹介回です

なんとなく、ラストの部分を前回に繋げてみました

書けば書くほど文章力の無さを実感しますね;;

妄想するのは得意なんですが(笑)、文章に起こすとなるとやっぱり難しいですねー


最後になりますが、数ある作品の中からこの作品を選び、あとがきまで読んでくれることに深く感謝させていただき、あとがきとさせていただきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ